不動産用語集

あ行

空き家

空き家とは大きく4つに分類される。

・貸したいが借り手がつかない住居

・売りたいが買い手がつかない住居

・住み手は不在だが別の用途で使用している住居

・その他(所有者不在。所有者の死亡や介護施設等への入所により不在を含む)

 

高齢化社会の進行、人口減少により「空き家」は増加の一途であり、平成25年時点で空き家率は13.5%にのぼる。

空き家が増加する問題点としては、周辺(近隣)への環境衛生面に対する懸念、倒壊などによる安全面に対する懸念、不法侵入や占拠など犯罪に対する懸念、住宅数過多による需給バランスの悪化で住宅価値の低下などが挙げられる。

こうした状況を踏まえ、国家レベルでは「空き家対策特別処置法」(2015年)が施行。各自治体においても条例や各種補助金制度、官民による空き家バンクの運営など、さまざまな取り組みが活発化しはじめたが、まだ抜本的な問題解決には程遠い状況である。

預かり金

預かり金とは、賃貸住宅においてその物件に入居したいという意思表示として不動産会社などに一時的に支払うお金のこと。

 

「申込金」、「手付金」、「内金」などとも呼ぶ。

これを支払うことで、その該当物件の募集を一時的にストップさせ、入居者の第一優先者となる。ただ、このお金は法的に払わなければいけないものでもなく、また、支払ったからといって審査が通るというものでもない。

金額は不動産会社などによって異なり、1万円から家賃1か月分程度と幅がある。

なお、このお金はあくまで一時的に「預ける」もので、契約が成立しない場合は返還される。無事審査に通り契約する際には、敷金や礼金といった初期費用と相殺するのが一般的。

頭金

頭金とは”住宅価格(代金)”から”住宅ローン借入額”を引いた部分の金額をいう。

 

例えば、3000万円の住宅を住宅ローン2500万円借りて買う場合、頭金は500万円となる。つまり頭金は住宅価格(代金)のうち、手持ちの現金や親からの資金援助など、住宅ローン借り入れ以外の方法で手配するお金のこと。頭金の支払いは売買契約から引き渡しまでの間に行う。

 

住宅ローンをいくら貸せるか(融資額の基準)は、金融機関や住宅ローンの種類によって異なり、それによって必要な頭金の額も違ってくる。なかには諸条件を満たせば頭金が0(ゼロ)から1割未満で購入可能なケースもある。しかし頭金を減らすとその分、住宅ローンの借入額が増え、利息の負担が大きくなる。

 

なお、契約時に売主に支払う「手付金」は、頭金として用意したお金の一部(または全部)を充てるのが一般的。

 

RC工法

RC工法とは、鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete 補強されたコンクリートの略)のこと。

 

コンクリートを鉄筋で補強した構造材を用いた構造で、引っ張る力に強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートを一体化させ、強い構造としている。鉄筋は酸化して錆びるが、コンクリートのアルカリ性によって酸化を防ぐことができる。また、鉄筋をコンクリートが覆っているので、火災の熱からも守られ、耐火構造をつくることができる。

マンションなどの集合住宅や大規模な公共施設・商業施設などに採用されている。

意思表示

意思表示とは、一定の「法律効果の発生」(売買契約などの成立)を欲する意思を外部に表示する行為のこと。

 

例えば、物の売買の場合、買主は「代金の支払いと引き換えに、欲しい物を手に入れたい」という意思を売主に表示する。

一方、売主は「自分の所有物の引き渡しと引き換えに代金を受け取りたい」という意思を買主に行い、双方の意思表示が合致すると、売買契約という法律行為が成立する。

 

このように意思表示は法律行為を構成する要素として不可欠なものであり、法律行為は意思表示を中心的な要素として構成されている。このため民法では意思表示に関する条文を複数設けている。例えば、意思表示に虚偽や錯誤があったり瑕疵(詐欺や脅迫等)があった場合、この意思表示は無効とされる(第94条、第95条)。詐欺または脅迫による意思表示は取り消すことができる(第96条)など。

委託管理

委託管理とは、マンションの管理形態の種別のひとつでさらに全面管理(全部委託)と一部委託に分類される。

 

全面委託はマンション管理の一切を管理会社で委託する方式で管理組合の理事等の手間や負担が少なく、管理会社による効率的な管理が期待できるというメリットがある。ただ、管理委託費が高めで管理組合の管理意識の低下を招く懸念もある。

 

一部委託とは管理組合ができることは管理組合でやりくりし、高度な管理業務を管理業者に委託する方式で全面委託に比べると管理費を全体的に抑えられ、管理組合の管理意識を高めることがメリットだが、管理組合の負担が増える点がデメリットといえる。

なお、管理会社を利用せず、管理組合および直接契約した専門業者だけで管理の全てを行う方式を自主管理と呼び、この委託管理と大別される。

位置指定道路

位置指定道路とは、特定行政庁(都道府県知事や市町村長等)から「土地のこの部分が道路である」という指定(道路位置指定)を受けた道路のこと。

 

建築基準法上の道路として、敷地接道義務、道路内建築制限など同法の規定が適用される。

広い土地を数区画に分割して一戸建てや宅地の分譲を行う場合、道路(公道)に接しない区画が生じることがある。こういった場合には、その土地に一定基準以上の道路(私道)が造られる。

なお、地区計画において道路の配置や規模などが決定している場合、道路位置指定はその計画に即して行われる。

一時金

一時金とは、家賃や管理費など毎月継続して支払う費用に対し、契約時などに1回だけ支払う費用のことをいう。

住宅の賃貸、購入に関しては以下の費用を一時金ということがある。

 

■賃貸借契約時に払う費用

賃貸借契約を結ぶときに借主が貸主に支払う「権利金、保証金、敷金、礼金」など、賃料とは別に一時的に支払う金銭のこと。契約更新時に支払う「更新料、名義書換料」なども一時金とされる。一時金には賃貸借契約の終了時に金額または一部が借主に返還されるもの(敷金など)と、返還されないもの(礼金など)がある。また、一時金の具体的な名称や意味、支払金額などは地域や物件により異なる。

 

■マンションの大規模修繕時に必要となる費用

マンションの大希望修繕の費用が、修繕積立金(所有者が毎月支払い、管理組合が積み立てたお金)だけでは足りず、不足分を各所有者が支払う場合「一時金」ということがある。

一般媒介

一般媒介契約とは不動産仲介会社に「仲介業務」を依頼する際に結ぶ媒介契約のひとつで、土地・建物の売主が複数の不動産仲介会社に買主探しを依頼できるというもの。

 

契約の期間に法令上の制限はないが、行政の指導は3ヶ月以内とされている。また、自分で見つけてきた相手方(親戚や知人と直接交渉した場合など)とも不動産会社を通さず取引することができる。ただ、不動産売買は多額な上、売買に関わる細かな取り決めや権利上のさまざまなトラブルもあるため、一般的には不動産会社を通じて取引を進めることが多い。

一般媒介契約には、どの仲介会社に依頼しているのかを明らかにする「明示型」と明らかにしなくてもよい「非明示型」の2種類がある。明示型では、他社に重ねて依頼した時にはその社名を明らかにし、売買契約が成立した時には各社に通知しなければならない。これらの通知義務を怠ると、広告にかかった費用などが請求されることもある。

なお、一般媒介契約のほかには、1社の不動産会社にのみ依頼する専属専任媒介契約と、自分で見つけてきた相手方と直接取引ができる専任媒介契約とがある。

委任状

委任状とは、「他の人に仕事や法律行為などを任せること」を記載した文書のこと。

 

委任状には「代理人の住所・氏名、委任する事項、本人の住所・署名・捺印」を記載するのが一般的。

住宅に関することでは、例えば賃貸借契約や売買契約、住宅ローン契約などを夫が妻に任せる場合などに委任状が必要となる。また住民票や印鑑証明の写しをとるときにも本人以外が行く場合は、委任状が必要なこともある。なお、他の人に法律行為などを任せる場合は、委任状のほかに本人や代理人の身分を証明する書類が必要なことも。契約関係については不動産会社、市区町村の書類についてはホームページで確認するか問い合わせておくとよい。

違約金

違約金とは、建築工事請負契約や不動産売買契約において、「売主または買主が契約内容に違反する場合(債務不履行の場合)、相手方に対して一定金額を支払う」などと定めた金銭のこと。

 

上記のほか、「契約に違反してから履行するまでの間、1日につき一定金額を支払う」などと定めることもある。
違約金は、契約の「特約事項」として売主と買主の合意によって定められるもの。つまり、契約書等にその旨の記載がない場合、債務不履行があっても違約金は発生せず、損害賠償を求められることになる。

なお、宅地建物取引業法では、不動産会社など(宅地建物取引業者)が売主となる宅地や建物の売買契約で違約金の額を決める場合、代金の2割を超えてはならないと規定されている(宅地建物取引業法第38条)。

印鑑証明

印鑑証明

印鑑証明とは、届けている印鑑と同一であることを証明する官公庁の書面。

 

印鑑を押した文書の作成者が本人に間違いがないことを証明するときに使う。法人の代表者印などは登記所(法務局)に、一般個人は市町村や区などに実印の印影(印を押した跡)を届け出る。この届出のことを「印鑑登録」と呼ぶ。印鑑証明の有効期間は一般に3カ月。届けている印鑑を「実印」、そうでない印鑑を「認印」という。主に不動産の登記事務や公正証書の作成には印鑑証明が義務づけられており、重要な書類の作成には印鑑証明書が必ず必要になってきます。不動産取得時には、前述の登記手続きのほか、住宅ローン契約時などにも数通の提出を求められるので、事前に必要な通数を確認し、まとめて取得しておくとよい。

印紙税

印紙

印紙税とは、印紙税法上で課税対象となる文書を作成する時に課せられる国税。

 

契約書に印紙を貼る形で納税する。住宅を購入・建築する場合は、売買契約書や金銭消費貸借契約書(ローン契約書のこと)、建物建築工事請負契約書などを作成する時に必要となる。また、住宅の賃貸契約書にも貼付する。
契約書は2通作成し、契約当事者がそれぞれ1通ずつ所有・保管することから、印紙税もそれぞれが所有・保管する分の税金(印紙代)を負担・納税するのが一般的だ。
税額は、契約書の種類や契約金額により異なる。住宅取得に関する契約書類で、契約金額が1000万円を超え1億円以下の場合の税額は以下のようになる。

■土地建物売買契約書、建設工事請負契約書など

・契約金額1000万円を超え5000万円以下の税額は1万円
・契約金額5000万円を超え1億円以下の税額は3万円

■住宅ローンの契約書など

・契約金額(借入額)1000万円を超え5000万円以下の税額は2万円
・契約金額(借入額)5000万円を超え1億円以下の税額は6万円

※2014年(平成26年)4月1日から2018年(平成30年)3月31日までに作成された契約書の税額

インスペクション

インスペクションとは、専門家や第三者的な見地から、各種製品などの品質実態の検査し評価すること。

 

ホームインスペクションは、建築士、住宅診断士など設計・施工に詳しい専門家が、住宅の劣化レベル、工事不備などを診断し、その改修規模や概算コストの目安を算定し、客観的な立場でアドバイスをすること。
目視により、屋根・外壁・室内・床下などを診断するのが基本メニュー。依頼主の要望により、機材による診断を行う場合もある。費用は、目視による標準的な診断で5万~8万円程度。
近年ホームインスペクションは、日本でも増加傾向にあるが、今後、中古リノベーションの盛り上がりとともに、そのニーズはさらに高まることが想定されている。
こうした背景を受け、最近では、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会が、品質担保を目的とする公認ホームインスペクターの資格試験を実施するなど、ホームインスペクションの普及や専門家の育成に努めている。

内金・内入金

内金・内入金とは、住宅の購入や建築、リフォームなどにかかる代金を何回かに分けて支払う場合、最終的な支払い(残金決済)の前に、「代金の一部前払金」として支払う金銭のこと。

 

不動産取引では、契約時に「手付金」が支払われ、その後引き渡し(残金決済)までの間に代金の一部が支払われる場合、その分を指して「内金または中間金」ということが多い。ただし、契約によっては、内金と手付金が同じ意味で使われることもある。このため、「契約から引き渡しまでに支払う金銭はそれぞれどんな意味を持つのか、また、どちらかが契約解除する場合、各支払金はどうなるのか」、契約時に確認することが重要である。

売建住宅

売建住宅とは、デベロッパー(不動産開発業者)が宅地を分譲した後、購入者と建築請負契約を結び、その土地に一戸建てを建設して引き渡す方式。

 

あらかじめデベロッパーが建てた住宅を購入する「建売住宅」と異なり、文字通り売ってから着工するから「売・建」となる。
ただし、こうした物件は、購入者が決まる前からその土地に合わせた図面は完成されており、基本的には、確認申請も済んでいるのが一般的である。つまり、使用する設備や建材はすでに決まっている状態で、土地の購入者が請負契約を締結した時点で建築工事が動き出すという流れになる。また、設備や部材については、発注前であるため、仕様や色などの変更はある程度は可能。ただし、プランについては、軽微な変更レベルと考えておいたほうがよい。

売主

売主(売主)とは、不動産売買の取引態様の1つで土地や住宅を購入しようとする買主にとって、売買契約を結ぶ相手を売主という。

 

新築マンションや建売住宅、大規模住宅地内の宅地、建築条件付き住宅などの場合は、不動産会社やデベロッパー(不動産開発会社)が売主になる。また、近年、中古物件を買い取り、設備を全面的に交換、内外装も一新して販売するリフォーム再販物件が多く流通している。こうした場合の売主の多くは、「再販業者」と呼ばれる不動産会社が売主となる。
一方、中古住宅や一般の宅地の場合は、個人が売主になるケースが多い。通常、不動産の所有者と売主は同じだが、時には所有者の代理人が売主になっているケースがある。登記簿上の所有者と売主が一致しない場合は、契約前に、売主が所有者からの委任状を持っているかどうかを確認する必要がある。

営業保証金

営業保証金とは、宅建業者が、あらかじめ供託所へ供託しておく保証金のことで、一般消費者が宅建業者との取引で損害を受けた場合に弁済してもらうためのお金。

 

宅建業者は、国土交通大臣または都道府県知事(免許権者)に供託した旨の届出をしないと、不動産業を開始することができない。
供託場所は、主たる事務所の最寄りの供託所となり、金額は、主たる事務所で1000万円、営業所等従たる事務所で500万円となっている。
免許取得日から3カ月以内に届出がない場合、免許権者は届出をすべき旨の催告をし、催告から1カ月以内に届出がない場合、免許を取り消されることもある。

 

 

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か行

買い換え特約

買い替え特約とは、マイホームなどの買い替えの際、所有する家が売れる前に新居の購入契約を結ぶ場合に、買主と売主の合意によってつける特約。

その内容は「所有物件が、○月○日までに○○万円以上で売却できない場合には、購入契約を白紙解除できる」というもの。契約を白紙解除すれば、売主に支払った手付金がそのまま戻るため、家が売れない不安がある人には安心な特約。

買い替え特約を入れるときポイントとなるのは最低価格と特約の期間。

最低価格は実際の相場より安い価格に設定されるのが一般的。このため、その価格で売却した場合も、無理のない資金計画で購入できるか確かめることが大切となる。

買い換えローン

買い換えローンとは、マイホームの買い換えで「担保割れ」になった場合に対応できる「住宅ローン」のことをいう。


担保割れとは、持ち家がその家を買うときに借りた住宅ローンの残債より安くしか売れず、住宅ローンを完済できない状態のこと。買い替えローンは、こういった場合に「新居の購入に必要なお金」に加えて「担保割れを補う分(以前のローン残高-売却価格)」まで借り入れが可能。

なお、買い替えでは新居の引き渡しが持ち家の引き渡しより前になることもある。この場合、新居の代金を支払うため「つなぎ融資(ローン)」を短期間(売却で得たお金が入手できるまで)借りることもある。

開発許可

開発許可とは、都市計画区域等で一定の面積以上の土地を開発しようとする場合、都道府県知事または政令指定都市、中核市、特例市の長に受ける許可のこと。

 

「開発許可」は、都市計画法などで一定の開発許可基準が定められている(開発許可が必要な面積については「開発区域面積」を参照)。

開発許可申請

開発許可申請とは、良好かつ安全な市街地の形成と無秩序な市街化の防止を目的として、開発行為に対する制限を設け、内容に関するチェック機能を有効化するための手続きのこと。

 

ここでいう開発行為とは、主として、
(1) 建築物の建築
(2)第1種特定工作物(コンクリートプラント等)の建設
(3)第2種特定工作物(ゴルフコース、1ha以上の墓園等)の建設を目的とした「土地の区画形質の変更」をいう。
なお、許可権者は、都道府県知事、政令指定都市の長、中核市の長、特例市の長などである。
この手続きが必要な対象規模は、
・市街化区域の場合、1000m2(三大都市圏の既成市街地、近郊整備地帯等は500m2)以上
ただし、開発許可権者が条例で300m2まで引き下げ可
・市街化調整区域の場合、原則として全ての開発行為
・非線引き都市計画区域の場合、3000m2以上
ただし、開発許可権者が条例で300m2まで引き下げ可
・準都市計画区域の場合 3000m2以 上
ただし、開発許可権者が条例で300m2まで引き下げ可
・都市計画区域及び準都市計画区域外 1ha以上となっている。
一方、図書館、公民館等の公益上必要な建築物のうち、周辺の土地利用に際し、支障がない開発行為や土地区画整理事業等(道路、公園、河川等の公共施設を整備・改善し、区画を整え宅地利用の増進を図る事業)の施行として行 うものについては、規制対象外となる。

開発区域面積

開発区域面積とは、一定面積を超える開発行為を行う場合、開発許可が必要になる面積制限のこと。

 

原則として、市街化区域内で開発区域面積1000m2以上、また、3大都市圏のうち、
1.首都圏都市整備法に規定する既成市街地、近郊整備地帯
2.近畿圏都市整備法に規定する既成都市区域、近郊整備区域
3.中部圏開発整備法に規定する都市整備区域
上記に該当する場合は、500m2以上について開発許可が必要。許可権者は、都道府県知事、政令指定都市、中核市、特例市の長となる。
また、この面積は条例で300m2まで引き下げることができる。
なお、計画地が市街化調整区域の場合は、そもそも市街化を抑制するという趣旨から開発行為や建築行為などに対して別途制限がある。

買い戻し特約

買い戻し特約とは、不動産の売買契約から一定期間が経過した後、売主が売買代金と契約の費用を返してその不動産を取り戻すことができるという特約のことで売買契約と同時に交わす。

この特約については民法(579条)で定められ、買い戻し期間は最長10年までとされ、契約で10年を超える期間を設定したとしても10年とみなされる。また期間の更新も認められない。なお契約で期間の取り決めをしていない場合、その期間は5年。

買戻しの特約付きの売買契約を行った場合、売主から買主への所有権移転の不動産登記に、買戻し特約の件が付記。これによって例えば買主がその不動産を第三者に売却した場合でも、売主は買戻しの権利を第三者に主張することができる。

解約手付

解約手付とは、住宅の売買契約を結ぶ際に買主から売主に支払う「手付金」の種類のひとつ。

 

不動産の契約では、一般的な手付金について「売主または買主が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し売主は手付の倍額を返すことで契約を解除できる」としている。このことから手付金には「一定期間中は理由を問わず契約を解除できる」という前提で授受されるお金という性質があるといえる。これを「解約手付」という。

手付金には、このほか契約が成立したことを認める「証約手付」、契約の債務不履行に対する損害賠償等に備える「違約手付」という種類がある。

一般的な不動産契約の手付金は、解約手付と証約手付の2つの意味を兼ねているといえる。さらに「売主か買主が契約の履行に着手した後(または契約後一定期間が経過した後)」に債務不履行があった場合は、損害賠償請求などができるとしている。

解約届

解約届とは、賃貸住宅の契約期間内に退去する場合その旨を不動産会社に連絡することまたはその連絡をする書面のこと。

 

「退居届」「解約通知書」などさまざまな言い方がある。
退居の通知は、一般的には1ヶ月以上前までに書面で行うとされることが多いが、物件によって異なるケースもあるので、契約時に確認しておくこと。この届出が遅れると、退居後も家賃を払うことになり転居先の家賃と2重払いになる場合がある。なお、解約届の提出から退居までの流れは以下のとおり。

 

(1)退居連絡:まず、管理会社へ電話連絡をし、解約届の提出方法について確認すること
(2)解約届の提出:退去届を提出し、解約日を決める
(3)退居立ち会い日時の決定
(4)退居立ち合い:管理会社の担当者と部屋の確認、鍵の返却などを行う。また、敷金や日割り家賃の返却額などもここで確認すること

価格査定

価格査定とは、不動産仲介会社等が土地や建物などの不動産をいくらで売却できるか、周辺相場などを調査して売却するのに適正な価格を算出することをいう。

 

ここでいう「売却の適正価格」とは、その土地・建物がおおよそ3カ月程度で売却できる価格の目安のこと。
不動産仲介会社等がマイホームなどの売却依頼を受けた場合には、一定の価格査定マニュアルに基づき、「物件の立地条件」、「敷地の形や道路付け、法律上の制限」、「建物のグレード」、「建物の状態や維持管理状況、周辺で売り出された物件の成約価格(実際に売れた価格)」等の調査を行ったうえで、価格査定を算出。このため価格査定の説明の際は、合わせて提示される調査資料も確認することが大切。

確定申告

確定申告

確定申告とは、個人事業者や、一定以上(※)の副収入のある会社員に義務付けられている税務手続きのこと。

一般会社員の所得税については「源泉徴収制度」が採用されているため、確定申告は行わない。ただし、不動産の取得や売却で「住宅ローン控除」、「3000万円特別控除」、「特定の居住用財産の買換えの特例」などを利用したときは、確定申告の手続きが必要となる。

確定申告の期間は例年、2月中旬から3月中旬までの1カ月間。なお、1年間に110万円を超える贈与を受けた場合や「住宅取得等資金贈与の特例」「相続時精算課税制度」の適用を受ける場合は、確定申告とは別に「贈与税の申告」をする必要がある。

※給与収入が年間2000万円を超えているか、もしくは年間20万円を超える副収入があること。

確認申請

確認申請とは、「建築確認」の申請のこと。

 

建築確認とは、一定の規模以上の建物の建築または大規模改修を行う場合、その計画が建築基準関係規定等に適合するかどうかを「建築主事(地方公共団体の有資格職員)」または「指定確認検査機関」が審査する制度のことだ。

確認申請を行うのは建築主だが、住宅を新築する場合、工務店や設計者、ハウスメーカーなどが代理人となって申請業務を行うのが一般的。確認申請の際には地方公共団体や指定確認機関に「申請手数料」が必要だ。また、代理人となる工務店などが確認申請を代行する報酬もかかる。これらの費用については、工務店などが作成する見積書に「設計費」または「建築諸費用(諸経費)」等の一項目として記載されるケースが多い。見積書に記載があるかどうか確認しておきたい。

確認済証

確認済証とは、建物の建築前に行われる「建築確認」で建築の計画が関連法令などに適合すると確認されたことを証明する書類のことをいい、建築確認の申請を受け付けた市町村(または都道府県)の建築主事によって交付される。

「建築確認」は建物の設計や敷地配置などの計画が建築基準法などに適合しているか、都道府県または市町村の建築主事(建築確認等に関する事務を担当する役職)や指定確認検査機関による確認を受ける手続きのこと。

これによって、建築基準法などの法律に不適合な建築物が建設されるのを防ぐことを目的としている。

確認済証が交付されるまでは建築工事に着手できない。また一戸建てやマンションなどを販売する場合、不動産会社等は確認済証が交付されるまでは不動産広告をしてはならないと定められている。

火災保険

火災保険料とは、賃貸住宅における火災保険料は保険会社や補償内容によってさまざまであり、一概には言えないがほとんどが「1~2年契約」となっており、1年換算で4000円台から1万円を超えるものまで幅広い。
こうした金額差は、入居者自身の家具や家電、その他生活品、預貯金の盗難などを対象とした「家財保険」、火災等で自分の部屋に損害を与えてしまった際の原状回復を補償する「借家人賠償責任保険」、火災等で隣家等の損害賠償をするための「個人賠償責任保険」の補償規模によって生じる。
さまざまな組み合わせがあるので、契約時に確認することをおすすめする。

家財保険

家財保険とは、住まい内の生活関連品(パソコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、その他家電、AV機器テーブル、タンス、洋服等の動産一式=「家財」)を対象とした火災保険を「家財保険」と呼ぶ。
補償額、保険の対象範囲、火災以外の損害(漏水等)に対する特約、支払保険料など各保険会社によって、そのバリエーションはさまざまなので比較検討すること。

瑕疵

瑕疵とは、キズや欠陥のこと。一見しただけでは分からないキズや欠陥を「隠れた瑕疵」という。

瑕疵担保責任・新築住宅

瑕疵担保責任(新築住宅)とは、新築、中古住宅、また新築工事や大規模なリフォーム工事をした住宅に「隠れた瑕疵」があり、それが引き渡し後所定の期間内に見つかった時に、売り主(工事請負主)が買い主(建築主・施主)に対して負う責任のこと。

 

隠れた瑕疵とは、通常の注意を払ってチェックするだけでは発見できない欠陥のこと。例えば、購入時には分からなかったが、「建物にシロアリが付いていた」など取得後(引き渡し後)に損害を受けた時には、買い主等は売り主等に損害賠償の請求等ができる。また、瑕疵のために契約の目的が遂げられなかった時は契約を解除できる。
瑕疵担保責任の期間については、2000年(平成12年)4月に住宅品質確保の促進等に関する法律が施行され、新築住宅の基本構造部分と雨水の浸入を防止する部分において、完成引渡し後、10年間の保証が義務付けられた。
また2009年(平成21年)10月1日から「住宅瑕疵担保履行法」が施行され、不動産会社等は、保険に加入したり保証金を預けるなど、新築住宅の瑕疵担保責任を履行するための費用を確保することが義務付けられた。

瑕疵担保責任・中古住宅

瑕疵担保責任(中古住宅)とは、品確法による瑕疵担保責任や住宅瑕疵担保責任履行法による資力確保は新築住宅のみを対象としており、中古住宅については宅地建物取引業法の規定によって不動産会社が売主の場合に引き渡しから2年以上の特約を認めている程度。個人が売主の中古住宅については明確な規定はなく、十分な瑕疵担保責任を問えないケースも少なくない。
そこで国が推進する任意の制度として既存住宅売買瑕疵保険がつくられた。
中古住宅を検査機関が検査し、保険法人(住宅瑕疵担保責任保険法人)が保険を付けることで、引き渡しから1~5年間の瑕疵担保責任を実現しようというもの。
対象となる住宅は1981年施行の新耐震基準を満たしていることが前提。

課税標準

課税標準とは、「税金を計算する際の算定基準」のこと。

 

税金には所得税や法人税などさまざまな種類があるがその多くが、課税標準に税率をかけて(課税標準×税率)、税額を計算。

例えば所得税の場合、課税標準は「所得」となる。
住宅に関する税金については「登録免許税」、「不動産取得税」、「固定資産税・都市計画税」のいずれも、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて評価された額(固定資産税評価額)が課税標準となる。つまり固定資産税評価額に、それぞれの税率をかけて税額が決定。
なお、納税時に評価額が決定していない新築住宅の場合、登録免許税は法務局が定めた新築建物課税標準価格認定基準表(登録免許税)を基に税額が計算される。

課税標準額

課税標準額とは、税額計算をするにあたり、税率に乗じて税額を求めるための「価額」のこと。

 

例えば、以下が各税の課税標準額となる。
所得税:所得控除後の課税所得金額
法人税:企業の利益を基準とし、益金から損金分を控除した額
固定資産税:原則として、固定資産課税台帳に登録された不動産価格
また、酒税や揮発油税のように金額ではなく、数量(リットル、キログラム等)で表示されるものについては「課税標準」と呼ぶ。

課税標準額とは:
金額で表示される課税標準のこと。

活断層

活断層とは、地質学的に、過去数十万年の間に繰り返し活動し、今後も引き続き活動して地震を引き起こす可能性が高い断層のこと。

 

日本全体では二千以上もの活断層が見つかっており、1995年(平成7年)1月に発生した阪神・淡路大震災は、野島断層という活断層によって引き起こされたもの。この阪神・淡路大震災をきっかけに、文部科学省では、地震関係基礎調査交付金を地方公共団体に交付することによって、活断層調査を推進してきた。
このように活断層付近では、地震発生のリスクは想定しなければいけないが、一方で、まだ特定できていない活断層もあり、地震の被害レベルは、地盤の強度等ほかの要素も絡んでいるため、活断層の有無だけで判断できるものではないということも知っておく必要がある。

角地

角地とは、交差する2つの道路に接する、角の区画の土地(2方を道路に囲まれた土地)のこと。

 

2方向が道路であるため、立地や道路幅にもよるが、一般的には開放感があり、採光、通風に優れ、隣家の圧迫感も少ない。また、住宅などを建てる際、敷地条件や条例にもよるが、建ぺい率が緩和される場合もある。限られた立地条件であるため希少性があり、上記のメリットもあることから資産性は高い。
ただ、購入価格の観点からみると、一般的には、角地の場合、他の敷地より高めに設定されており、購入後にかかる固定資産税・都市計画税も割高となる。
また、「開放感」のよさは、方角によって日差しにも配慮する必要がある。道路づけが南西向きの場合、日中~夕方の日照による暑さ対策(断熱・遮熱)は十分に検討する必要がある。

借入可能額

借入可能額とは、住宅ローンをいくらまで借りることができるかその見込額のことをいい、次の2つの意味で使われる。

(1)金融機関から見た借入可能額(融資可能額)

金融機関では、申込者本人の収入(年収)、返済方法、金利、返済期間、住宅ローン以外の借り入れなどを基に、融資可能額を決める。

この融資可能額を借入可能額ということもある。

(2)借りる側から見た借入可能額

住宅の購入者が、自分の家計や年齢などを基に毎月返済できる額や返済期間などを決め、それを基に計算した借入額のこと。

融資可能額は、あくまでも金融機関側から見た金額なので家族構成や将来のライフプランなども考え自分の家庭に合った借入可能額を考えることが大切。

借り換え専用ローン

「借り換え」とは、現在借りている住宅ローンを別の金融機関のローンなどに切り替えること。

 

家の購入時より住宅ローン金利が下がったときに借り換えれば、これまでより毎月返済額等を減らせる。

また、金利が低い時期に変動型を借りて家を購入し、金利上昇前後に全期間固定型のローンへの借り換えを検討するケースも見られる。

借り換え専用ローンとはこういった「借り換え」対象のローン。

手続きは一般の住宅ローンとほぼ同じで融資審査も行われる。また住宅ローンの借り入れから一定期間以上経った人など、金融機関ごとに借入条件が決まっている。
なお、借り換えには、借り換え専用ローンの事務手数料や保証料のほか、これまで借りていた住宅ローンの繰り上げ返済手数料などがかかる。

仮換地

仮換地とは、土地区画整理事業中に、対象地域の宅地の所有者などが仮に使用できる土地のこと。

 

土地区画整理事業をスムーズに行うために事業の施行者が指定し、これを「仮換地の指定処分」という。最終的な「換地処分」が行われる前は以前の土地と同じ権利(所有権や借地権など)に基づいて、仮換地を使用できる。

仮登記

仮登記とは、登記申請に必要な書類がそろわない場合や、買主がまだ所有権を得てはいないが、将来、その物件を保有する「予約者」としての権利を得る場合などにその優先順位を確保(順位保全)するために行う登記のこと。

 

仮登記には対抗力はありませんが、後に本登記したときに、仮登記の順位で本登記がされ、対抗力をもつようになる。予備登記ともいう。
本来、登記とは、登記をした順番によって優先順位が決まるというルールがあり、少々の要件不備によって登記がまったくできないということは当事者にとって不利益になるため、それを防ぐものとして「仮登記」というものが認められている。
購入代金の一部を手付金や中間金として支払った段階では、本登記を行うことはできないが、その不動産の所有権が将来移転するということを示すために仮登記を行うことになる。売主が万が一、第三者に二重販売したとしても、仮登記をしておけば、後から購入した第三者に対抗することができる。

換地

換地とは、土地区画整理法に基づく土地区画整理事業によって、従前の宅地を造成・整形化し、その地権者に対し、新たに交付される宅地のこと。

 

また、換地計画に該当する区画の全部について、事業施行者が遅滞なく、土地区画整理事業の工事完了後に従前の宅地所有者に対して換地を交付することを「換地処分」という。
「換地」が行われる場合、所有地(従前の宅地)の一部を公共施設用地や保留地(事業費創出を目的とした売却予定地)として供出するのが一般的である。この所有地供出措置を「減歩(制度)」という。土地区画整理事業によって宅地自体の資産価値も高まり、所有地の一部を供出しても地権者の資産は減らないことを想定した制度である。

管理会社

管理会社とは、管理組合からマンションの管理を委託された管理の専門業者のこと。

 

業務内容は、住人からの管理費・修繕積立金等の回収や滞納などのチェック業務、理事会や総会の運営支援、清掃やゴミ出し、設備機器の保守点検、備品の管理、マンションの巡回、業者の立ち会いなど多岐にわたる。
こうした業務は、マンションによって異なり、一切の業務を管理会社に委託する全面委託方式(全部委託)と管理組合との業務分掌を明らかにして、一部分の業務を受けもつ一部委託とに分類される。
「マンション管理適正化推進法(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)」では、管理委託契約前に業務内容や費用など重要事項の説明をすることや、会社内容の情報開示をするなど、管理会社が守るべきことが定められている。

管理規約

管理規約とは、区分所有者が相互で取り決めた管理組合の各種規定のこと。

 

建物の用途・区分、管理組合の業務内容や運営方法、管理費・修繕積立金の使途、修繕や建て替えといった建物管理に関する内容のほか、ペット飼育の可否など、そのマンションの基本的ルールを定めている。
新築マンションの場合は不動産会社が用意した管理規約案(原始管理規約)に合意する形で決まることが多いため、入居後には、管理組合を組織し、国土交通省が作成しているマンション標準管理規約などと照らしながら、住人の意向を反映したものに見直していくことが大事である。
なお、管理規約を改正する場合は、総会にて区分所有者および議決権の4分の3以上の決議が必要となる。また、管理規約の制定、改廃が一部の区分所有者に特別の影響を与える場合は、その区分所有者の承諾が必要となる。

管理組合

管理組合とは、分譲マンションなど区分所有建物の区分所有者で構成する団体のこと。

 

区分所有法によって定められており、分譲マンションを購入すると必然的に管理組合の一員となる。建物全体の維持・管理や共同生活のルールづくりなど、管理全般についての決定と実施の主体であり、一般的に管理組合の活動が活発なほど居住性は高まる。

管理形態

管理形態とは、マンション管理について、管理会社の有無や管理業務への関与レベルによって種別したもの。

 

大別すると、管理業務を管理会社に委託する「委託管理」と、管理組合員だけで行う「自主管理」がある。「委託管理」については、委託範囲によって全面管理(全部委託)と一部委託に分類され、さらに管理員の勤務形態によって、

 

(1)常駐管理(管理員が住み込みで業務にあたる24時間管理)
(2)日勤管理(通勤してきて定められた勤務時間に業務を行う)
(3)巡回管理(週に2~4回の割合で訪問して数時間だけ業務をこなす)
(4)自主管理(管理員を置かず、管理組合が自力で業務にあたり、必要に応じて清掃要員などを雇用する)に分かれる。

管理費

管理費とは、分譲マンションの敷地や建物の共用部分、共同で使用する施設や設備などの維持管理に必要な経費のこと。

 

例えば、エレベーターの点検、共用部分の清掃、管理員の窓口業務、共用部分の光熱費などである。管理費の金額は、管理に必要な経費を算出し、それを専有部分の持ち分面積に応じて計算するのが一般的で、区分所有者が管理組合に支払う。管理費の収納業務や支出の管理といった会計業務は一般的に管理会社が行う。
また、管理費とは別に外壁の補修、屋上の防水工事、建物診断など建物を長期的に維持するために使われる修繕積立金がある。マンションによって異なるが、10~15年に1度行われる大規模修繕工事もここから拠出されることになる。

完了検査

完了検査とは、建物の建築工事が完了した時にその建物の構造や設備、敷地などが関連する法令に適合しているかどうか、建築主事や指定確認検査機関の検査を受けること。

 

建築主は工事完了日から4日以内に建築主事等に検査の申請を行い、完了検査の結果、適法と認めれば「検査済証」が交付される。なお、検査済証が交付されるまで、その建物は利用できない。
このほか建物が完成した時の検査には、工事が完了した段階で建築主(施主)が建物の内外を確認する「施主検査」、【フラット35】や住宅性能表示制度を利用する場合に行われる「竣工現場検査」などがある。

外構

外構とは、門扉・フェンス、アプローチなど、住宅の外回り部分の総称のこと。

 

門扉をなくしたりフェンスの高さを低くして、表から敷地内の様子が見えるようにした「オープン外構」と、表から敷地内や駐車スペース内の様子が見えないようにした「クローズド外構」などのタイプがある。

外構工事

外構工事とは、建物本体以外の外まわりの工事のこと。

 

門扉、フェンス、車庫、カーポート、植栽などがこれにあたる。
その他にも、飛び石、砂利敷き、土地の水勾配やU字溝、マンホールやメーター類の移設工事など敷地内に関わる工事はこれに含まれる。

元本

元本とは、利息を生じさせる元となる資金のことをいう。

 

貯蓄の場合は、最初に預ける「預金」を指し、借り入れの場合は「借入金」を指す。住宅ローンの借り入れでは、「元金」ということが多い。
元本に所定の利率をかけたものが「利息」で、住宅ローンの毎月返済は、元本の一部返済と利息の支払いを合わせて行っている。返済1回目、2回目…10回目などと、返済回数を重ねるにつれて元本は減っていき、各返済回数ごとの元本の金額を「ローン残高」という。

住宅ローンの場合、元本が早く減るほど支払う利息が少なくなる。返済途中で元本を減らす方法としては、住宅ローンの通常の返済とは別に、元金の一部を返済する「繰り上げ返済」がある。

危険負担

危険負担とは、住宅の売買契約が成立した後に、天変地異や周辺火災など売主の責めに帰することができない理由で建物が滅失・毀損(きそん)してしまい、引き渡しができなくなった場合、その損害を当事者のどちらが負担するか、という問題のことをいう。

つまり、こういった場合、買主は代金を支払うべきか、それとも契約を解消できるのかということである。

民法では、「契約をした後は買主が危険負担をする」と規定している。しかし実際は、契約書の特約などで「売主および買主の責めに帰することができない理由で引き渡し前に建物が滅失・毀損した場合は、売主が物件を修復したうえで物件を引き渡す」などとし、改修不能等の理由で、買主が購入できない状況の場合、買主に契約解除権を与えるとするケースが多い。つまり、売主側が危険負担をするのが一般的となっている。

基礎

基礎とは、建物を支える下部構造のこと。
1981年に改正された建築基準法の新耐震基準では「基礎は鉄筋コンクリート造」と決められており、「布基礎」(ぬのきそ)と「ベタ基礎」がある。
住宅の土台のある部分を布状に鉄筋コンクリートなどの基礎で覆う「布基礎」は、縁の下にかかる力を地盤に伝え、上部からの力によって地盤で不同沈下しないようになっている。
一方、軟弱地盤などに、住宅の床面全体を鉄筋コンクリートなどの基礎で覆うものを「ベタ基礎」という。一般住宅においては、これまで「布基礎」が主流であったが、近年は、より強度が高く、施工も容易な「ベタ基礎」が採用されるケースが多い。

基礎工事

基礎工事とは、建築の土台部分(→基礎部分)の工事のこと。

 

日本の住宅における基礎工事の多くは以下2つ
・布基礎
Tの字を逆にした断面形状の鉄筋コンクリートを連続して設けた基礎のことで、以前の木造住宅は、この布基礎が主流だったが、近年は以下の「ベタ基礎」を採用するケースが多い。

・ベタ基礎
基礎の立上り部分だけでなく、底板一面が鉄筋コンクリートになっているもので、住宅の荷重を底板全体(面)で支える。
また、地面をコンクリートで覆うため、地面からの湿気やシロアリの侵入を防ぐ。

基礎控除

基礎控除とは、所得税や贈与税、相続税などの税額を計算する際に課税標準額(税額を算出する上で基礎となる金額)から差し引くことができる控除のひとつ。

ほかの控除のように一定要件に該当する場合に控除するというものではなく、一律に適用される。各税法の基礎控除については、以下のように定められている。

(1)所得税
確定申告や年末調整において所得税額の計算をする際に、総所得金額などから差し引ける。基礎控除額は38万円。

(2)贈与税
ある年の1月1日から12月31日までに1人の人から受けた贈与額から差し引ける(暦年課税)。基礎控除額は110万円。贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日の間に贈与税の申告が必要。なお、贈与額が110万円以下の場合は贈与税はかからず、申告も不要。

(3)相続税
各相続人の課税対象となる相続財産の額(相続財産の価額から債務や葬儀費用、非課税財産の価額を引いた額)から差し引ける。基礎控除額は、「3000万円+600万円×法定相続人の人数」。相続税の申告は被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内に行うが、課税対象となる相続財産の額が基礎控除額以下の場合、申告は不要となる。

共益費

共益費とは、賃貸の集合住宅等で、家賃とは別に毎月支払うもので、借家人が共同で使用したり、利用する設備や施設の運営および維持するために要する費用のこと。


具体的には、共用部分の電気代、共用灯の保守・交換代、共用部分の水道代、ゴミ置場清掃費、エレベーターの電気代、定期点検代、その他部分の定期清掃費などである。一般的には、家賃の5~10%程度で設定されているケースが多い。
なお、物件によって、「共益費」と「管理費」が混在しているが、意味合い的には、ほぼ同じものとして使用されているが、厳密には、「共益費」は共用部分に関わる管理や清掃に関する費用、「管理費」とは、それらを含んだ、マンションの維持管理に関する包括的な費用をさすことが多い。

境界杭

境界杭とは、隣り合う土地や道路との「境界」を示すために打ち込まれた杭のこと。

 

石やFRP(ガラス繊維で補強されたプラスチック複合材料)、金属などでつくられている。杭の代わりに金属プレートや鋲(びょう)などが打たれている場合もあり、これらを総称して「境界標」と呼ぶ。杭(境界標)が示す境界点と境界点を結んだ線で囲まれた範囲が、隣地所有者からも異議申し立てのない所有地の範囲ということになる。
また、杭(境界標)は、隣地の承諾を得ずに勝手に設置することはできない。土地家屋調査士や測量士が測量を行い、その測量図に基づき隣地との立ち会い・承諾を経て設置することとなる。
一戸建てや土地の売買の際には、取引する土地の範囲はどこなのかという点を明確にする必要がある。一般的な取引の場合、不動産売買契約書には「売り主は買い主に対し、本物件引き渡しの時までに、現地において土地の境界点および境界線を明示しなければならない」との条文が盛り込まれているため、必ず境界杭の位置は、もれなく不動産会社の説明を受けながら、目視確認をすること。

共済組合

共済組合とは、同種の職業や事業などの従事者が加入する、福利厚生の充実および疾病や死亡等の際の相互扶助を目的に設立された組織。

 

公務員の場合には職域別の公務員共済組合があり、多くの組合が住宅購入者向けの融資等を行っている。

狭小住宅

狭小住宅とは、一般に狭い敷地に建てられた床面積の小さな住宅のことを指す。

 

単に土地が狭く、延床面積が小さいだけでなく狭いスペースを工夫して、デザインと生活空間の両立を図ったものも多い。最近では、ハウスメーカーが都市部の狭小敷地に向けた商品を出すように。

切土

切土とは、傾斜地などで整地のために土を削り取る宅地造成工事の1つ。
傾斜地の低い部分に土を盛る「盛土」と比べて、一般に地盤は固いといわれている。

金利

金利とは、住宅ローン等の元金(借入金)に対してかかる利息を計算するための、基準となる割合のこと。

一般に年利(年○%)と表示されるが実際には毎月一度、年利の12分の1の金利をその時点の元金額(ローン残高)にかけて利息が計算。(毎月返済分。ボーナス時加算額の利息は、年利の2分の1の金利を返済時点の元金額にかけて計算)

住宅ローンの場合、返済中の金利が固定されている「全期間固定型」と、返済中に金利が見直される「変動型」、「固定期間選択型」がある。金利が見直されるタイプは、見直し後はその時点の元金に見直し後の金利をかけて利息が計算。

金利優遇

金利優遇とは、所定の条件を満たす人に対して住宅ローンの基準金利より低い金利を適用する制度。

 

民間金融機関の多くが行っており、「金利引き下げ」ともいう。条件の例としては、給与振込の取引がある、クレジットカードを持っている(いずれも予約扱いも含む)など。金融機関との一定の取引が条件となることが多い。

近隣所業地域

近隣商業地域とは、都市計画法で定められた用途地域の一種。

 

近隣の住民が日用品の買物をする店舗や、その他業務の利便を増進するための地域として定められている。建築可能な用途施設は、商業施設や事務所のほか、住宅、店舗、病院や学校などの公共施設、ホテル、パチンコ屋、カラオケボックス、映画館、車庫・倉庫などで、小規模の工場を建てることも可能。
近隣商業地域の容積率は、100%、150%、200%、300%、400%、500%のいずれかで、建ぺい率は60%、80%のいずれかとなっている。
ちなみに、用途地域は都市計画法に基づいて、おおむね5年に一度、全国一斉に見直される。また、用途地域による用途の制限に関する規制は主に建築基準法令で規定されている。

業者名簿

業者名簿は、正式には「宅地建物取引業者名簿」という。宅地建物取引業者(宅建業者)は、宅地や建物の売買・交換を営む会社、また、宅地や建物の売買・交換・貸借の“代理”または“媒介(仲介)”を営む会社のこと。

宅地建物取引業は国または都道府県による免許制となっていて、宅地建物取引業者名簿は、その免許を受けた宅建業者の名簿のこと。宅地建物取引業者名簿には、会社の過去の営業実績、事業の沿革、代表者・役員の経歴、取引主任者の氏名・略歴等、資産の状況等、株主・出資者の氏名、商号・役員の変更状況、兼業業種、過去の行政処分歴などが書かれている。

国土交通大臣(2001年1月6日以降に免許が下りたか更新された場合。それ以前は建設大臣)免許業者は、その不動産会社の事務所がある地方整備局などで、都道府県知事免許業者は各都道府県の宅建業担当部署で閲覧できる。

銀行ローン

銀行ローンとは、都市銀行や地方銀行、信用金庫など民間金融機関が店頭で融資する住宅ローンのことをいう。一方、以下の2つは、融資を行うのは同じ金融機関だが、窓口や借り方が異なり両者とも銀行ローンより金利が低く設定されている。

■提携(住宅)ローン
金融機関と不動産会社やハウスメーカー、リフォーム会社などが提携したローン。

■ネット(銀行)ローン
ネットを通して申し込むローン。ネット銀行のほか、一般の銀行もネットローンを扱っている。

このほか、民間金融機関と住宅金融支援機構の提携による「【フラット35】」も、銀行ローンとは別の種類として区別されている

区域区分

区域区分とは、道路、公園、下水道などの基盤整備にかかわる公共投資を効率的に行いながら、良質な市街地の形成を図るために都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分すること。「線引き」とも呼ぶ。


市街化区域とは、市街化を優先的に推進すべき区域のことで「すでに市街地を形成している区域」あるいは「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」として「用途地域」が設定されている。
一方、市街化調整区域とは「市街化を抑制する区域」のことで、開発制限がかかっている。自治体などによる都市基盤の整備も積極的には行わないことになっている。ただし、市街化調整区域においても市町村の判断により、条件付きで開発を行う場合がある。

杭基礎

杭基礎とは、軟弱な地盤を固定するための基礎のこと。

 

地表から軟弱地盤が厚く堆積し、この地盤に構造物を直接支持させることが困難な場合にこの杭基礎が採用される。
杭先端部を硬い地盤面まで打ち込んで地盤支持力によって建物を支持する「支持杭」と杭を支持地盤に到達させないで杭の側面と地盤の間にある周面摩擦力によって建物を支持する「摩擦杭」などに分類される。
使用する杭の種類は「木杭(ぼっくい)」「コンクリート杭」「鋼杭(こうくい)」などがあるが、集合住宅など大規模な建築物には、高強度な「コンクリート杭」が使用される。
また、杭基礎の工法にはおもに「場所打ち杭工法」と「既製杭工法」の2種類ある。「場所打ち杭工法」は、基本的に現場で穴を掘った後に鉄筋を挿入し、コンクリートを流し込んて杭をつくる方法。「既製杭工法」はもともと工場で製造したコンクリート杭や鋼杭(こうくい)を使用し、現場で穴を掘って挿入する方法。

空地

空地とは、宅地や農地など利用目的がなく使用されていない土地のこと。

 

また、建築基準法において建物が建っていない部分を「空地(くうち)」と呼ぶ。物件選びの指標としてよく出てくる「空地率」とは、敷地内の空地面積(敷地面積から建築面積を除いた部分)の敷地面積に対する割合のことで、住民用の通路や駐車場、植栽のスペースとして活用される。一般的にこの割合が高い(空地が広い)ほど住み心地は向上する。
ちなみに、都市の環境改善や防災に対して有効とみなされる道路、公園、駐車場などを「有効空地」と呼ぶ。また、ビルやマンションに一般公衆が自由に出入りできるために設けられた敷地のことを「公開空地」と呼び、敷地内に一定以上の公開空地を確保した建築物については、容積率や高さ制限等を緩和できるという制度もある。

区画整理

区画整理とは、都市計画区域内において宅地利用の増進と道路・公園・河川等の公共施設の整備改善という2つの目的をもち土地区画の境界線を変更したり、公共施設の新設や変更を行うこと。


公共施設が不十分な区域では、地権者からその権利に応じて少しずつ土地を提供してもらい(→減歩という)、この土地を道路・公園などの公共用地が増える分に充てるほかその一部を売却し事業資金を捻出したりする。
地権者においては、土地区画整理後の宅地面積は、その前に比べ小さくなるものの、都市計画道路や公園等の公共施設が整備され、土地の区画が整備されることにより利用価値の高い宅地が得られる。
また、整理前の権利を保全しながら事業を行うため長年地元でつちかわれてきた地域のコミュニティがそのまま活かされるというメリットもある。

区分所有権

区分所有権とは、マンションなど一棟の建物に構造上区分された数個の部分が独立していて、住居や店舗、事務所等の用途にすることができるとき各部分を所有する権利のこと。

 

各部分は「専有部分」と呼ばれ、エントランスや階段、廊下などの「共用部分」とは区別される。専有部分については一般の所有と同様に扱われるが、一棟の一部であることから共同の利益に反するような使用は許されないとされている。
また、共用部分については専有部分の床面積の割合で持分を有し共同で使用することになる(共有持分権)。このように、区分所有建物は専有部分と共用部分から構成される。また、建物自体は土地も共有しているため、法律上、各区分所有者はその土地を利用しうる「敷地利用権」ももつことになる。

区分所有建物

区分所有建物とは、建物の中で複数に区分され、各戸が住居・店舗・事務所等の用途で構成されている建物のこと。

 

区分所有建物となるためには以下の要件を満たすことが必要。
・各戸(各区画)が構造上、独立性があること。これは壁等で完全に遮断されている状態で、障子やふすま、簡易な間仕切りでの遮断では認められない。
・各戸(各区画)が利用上、独立性があること。これは、各戸が他の部分とは完全に独立し、それぞれの用途が果たせる状態のもの。居住用の建物としては、「分譲マンション」が代表的なものであり、水まわりや居室が、各戸で利用可能な状態のものをさす。居住用以外では、オフィスビルや商業系ビル等についても、各戸が所有権のものは区分所有建物となる。
この区分所有建物は、民法の特別法である「建物の区分所有等に関する法律」が適用される。

区分所有法

区分所有法とは、分譲マンションなど、何人もの区分所有者(各住戸の持ち主)が1棟の建物を区分して所有する場合の、所有権の在り方等について規定した法律。1962年(昭和37年)に制定され、正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」という。

区分所有法では、分譲マンションの建物の各部分(専有部分)は、それぞれが所有できるとしている(これを「区分所有権」という)。一方、共用廊下やエレベーターなどは「共用部分」とし、区分所有者全員で共用部分を管理するための団体(管理組合等)をつくり、規約などを定めることとしている。また、区分所有者の敷地に対する権利は、建物を所有するために敷地を利用する「敷地利用権」としている。

区分所有法では、区分所有者は、専有部分を自由に処分(売却など)できるとしているが、共用部分の持分や敷地利用権をこれと切り離して処分することはできないとしている。このほか、区分所有法では、共用部分の使用や持ち分の割合、管理や管理組合に関する基本事項、管理組合等の規約や集会などについて定めている。

組合

組合とは、住宅、不動産における「組合」とは、管理組合をさす場合が多い。

 

これは、分譲マンション等の区分所有建物において建物・敷地および付属施設の管理を行うために、区分所有者全員で組織する団体のこと。
1983年(昭和58年)の区分所有法の改正により、区分所有者に組合設置が義務付けられている。
最低、年に1回、総会を開催し管理に関する計画立案、理事、監事の選任をし、管理運営業務を行うことになる。
任期は、組合によって差はあるが、1年~2年で設定されるケースが多い。

繰り上げ返済

繰り上げ返済とは、毎月返済やボーナス時返済などの定期的な返済とは別に、借入金(元金)の一部または全部を返済することをいう。

毎月返済が、利息の支払いと元金の返済を合わせて行うのに対し、繰り上げ返済の場合は、全額が元金の返済に充当されるため、利息を減らす効果がある。

繰り上げ返済には、返済期間を短縮する「期間短縮型」と毎回の返済額を減らす「返済額軽減型」の2種類があり、同じ金額を繰り上げ返済する場合、期間短縮型のほうが利息を多く減らすことができる。ただし、繰り上げ返済を行う場合は、子どもの教育費がかかる時期に備えた貯蓄などを減らさないよう、将来の支出なども考えて、どちらを選ぶか決めることが大切。

クーリング・オフ

クーリング・オフとは、店舗や事務所以外の場所で売買契約等が行われた場合、一定期間、消費者が申し込みの撤回や契約を解除できる制度。

 

不動産売買では、宅地建物取引業法(宅建業法37条の2)で規定されており、宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約に限って適用され、8日間以内は無条件で不動産購入の申し込みの撤回や契約の解除ができる。クーリング・オフの意思表示は書面によって行う必要があり、その効力は書面を発したときに生ずる。この場合、宅建業者は速やかに手付金、その他の受領した金銭を返還しなければならない。
ただし、申し込みの撤回等ができると伝えられた日から8日を経過したとき、宅地建物の引き渡しを受け代金の全部を支払ったときなどはクーリング・オフができない。

景観

景観とは、景色や眺めのことで、一般的に、水、地形、植生などを構成要素とする自然景観と、経済的、文化的活動の営みによって形成される人文景観がある。

 

国では、こうした景観の形成、保護を目的とし、都市、農山漁村等における景観計画の策定や推進に総合的に取り組んでいくことを目的とした景観法が2004年(平成16年)に制定。また、各地方自治体においても、美しい町並みや良好な都市の景観を形成し、保全するためにさまざまな条例が定められている。
不動産取引や建築においても、これらの法制度によりその用途や建築に関わる規制・制限を受けるので確認が必要。

景観地区

景観地区とは、景観法〔2004年(平成16年)12月施行〕の規定に基づき、市町村が市街地の良好な景観の形成を図るために、都市計画に定めた地区のこと。

 

同地区内では、
・建築物の形態意匠(デザインやカラーなど)
・建築物の高さ
・壁面の位置、建築物の敷地面積
などについての制限を受けることになる。

 

景観地区内で建築等を行うには、形態意匠の制限に適合することについて、市町村長の認定を受けることが必要となる。
この認定制度は、一義的・定量的に規定することがむずかしい建築物等のデザインについて、都市計画で裁量的・定性的な基準を定め市町村が個別の建築等の計画に対して都市計画との適合性を裁量的に判断する仕組み。

景観法

景観法とは、日本の都市や農村・山村・漁村等における良好な景観の保全・形成を促進するための法律。

 

2004年(平成16年)6月に制定され、同年12月に施行された(国土交通省所管、環境省等共管)。景観法の制定と同時に景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律、都市緑地保全法等の一部を改正する法律も整備・改正されたが、これらを総称して「景観緑三法」という。

競売

競売とは、売主が価格を確定せずに商品を売り出しこれに対して購入したい人がそれぞれに希望価格を申し出る販売方法でオークションともいう。

 

最終的に売主は、販売期間内に最高価格を申し出た人と売買。価格については売り出し時に、「これより低い価格では販売しないという」最低価格を提示することがある。

日本では「不動産の競売」は一般的に、地方裁判所が行う競売を指す。これは、土地や建物の購入時に借りた住宅ローン返済ができなくなるなど不動産を担保にした借入金等の債務履行ができなくなった場合に、債権者の申し立てによって、地方裁判所が競売を行う制度。競売物件は一般的な相場より安く手に入ることが多いが不動産の法律関係などが複雑なこともあるので注意が必要。

契約

契約

契約とは、複数の対立当事者(売買契約でいえば「買いたい人」と「売りたい人」)が意思表示を行い、双方の合意によって成立する法律行為をいう。

契約の内容は、公序良俗や刑法などの強行法規に違反しない限り自由に決めらるが、契約がいったん成立すると勝手に解除はできず、一方が契約の履行をしない場合は、相手から損害賠償の請求が可能。

契約は、その内容を記した書類(契約書)に双方が署名捺印することにより成立するのが一般的で、契約の対象物の金額により所定の額の「印紙税」がかかる。

不動産に関する主な契約には「売買契約」「建設工事請負契約」「金銭消費貸借契約(ローン契約)」「賃貸借契約」「定期借地権契約」などがある。

欠陥住宅

欠陥住宅とは、通常備えていなければならない性能や安全性が欠如しているか、あってはならない危険性を有しているような住宅。

 

設計や施工段階のミス、手抜き工事等であるべき住宅性能がなくなったり、そのために危険が生じている住宅のこと。具体的には雨漏り、壁等の亀裂、建物や床の傾斜、振動などがあげられる。

検査済証

検査済証は、建築基準法で定められた「建築確認、中間検査、完了検査」の3つがすべて完了し、その建物が法律の基準に適合していることが認められたときに交付される書類。

こういった建築過程の検査は、建築物の安全性等の確保を目的とする制度で、住宅など一定の建物を建築しようとする場合はこの検査が義務付けられている。

建築確認は、建物の設計段階で行われる審査で建築確認の「確認済証」が交付されないと工事の着工はできない。

中間検査は工事の途中の検査。指定された工程が終了した段階で検査を受け「中間検査合格証」が発行される。

完了検査は、住宅などの建築工事が終了した時点で行われ、建築物が敷地・構造・建築設備に関する法令に適合している場合に交付される。完了検査に合格し、検査済証の交付を受けるまでは、その建築物を使用することはできない。なお、検査済証は将来、家の売却やリフォーム等の際に必要になることもあるので、大切に保管しておくことが大切。

建設許可番号

建設業許可番号とは、住宅の新築やリフォーム工事などを依頼する企業を選ぶ際に、1つの目安になるのが「建設業許可番号」。

 

通常、建設業許可番号は「○○○県知事許可(般-○○)第○○○○○号」や「国土交通大臣許可(特-○○)第○○○○○号」と表示されている。(般-○○)は、一般建設業の許可を○○年度に得たということ。「特」は特定建設業をさす。

建設業

建設業

建設業とは、建築および土木とそれに付帯する工事を施工する産業のこと。

 

土地の掘削、地盤改良、設備工事等も建設業に含まれる。
建設工事を請け負うことを営業するには建設業法第3条に基づき「建設業の許可」を受けなければならないという規定がある。
ただし、「軽微な建設工事」のみを請け負って営業する場合には必ずしも建設業の許可を受けなくてもよい。

 

※「軽微な建設工事」とは、以下の条件にあてはまるものをいう。
1.建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1500万円未満の工事、または延べ面積が150m2未満の木造住宅工事であること
 ・「木造」・・・・建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの
 ・「住宅」・・・・住宅、共同住宅および店舗等との併用住宅で、延べ面積が1/2以上を居住部分であること
2.建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負金額が500万円未満の工事であること

建設業の許可

建設業の許可とは、建築、土木、土地の掘削、地盤改良、設備工事等を請け負うことを営業するには、建設業法第3条に基づき、「建設業の許可」を受けなければならない。

 

「軽微な建設工事」のみを請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可を受けなくてもよい。

 

※「軽微な建設工事」とは、以下の条件にあてはまるものをいう。
1.建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1500万円未満の工事、または延べ面積が150m2未満の木造住宅工事であること
 ・「木造」・・・・建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの
 ・「住宅」・・・・住宅、共同住宅および店舗等との併用住宅で、延べ面積が1/2以上を居住部分としていること
2.建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負金額が500万円未満の工事であること
なお、建設業の許可には、「(都道府県)知事許可」と「国土交通大臣許可」があり、以下の要件に沿って区別される。
知事許可:1都道府県内にだけ営業所を持ち、営業しようとする場合
大臣許可:2以上の都道府県に営業所を持ち、営業しようとする場合

建設工事請負契約

建設工事請負契約とは、住宅を建設したり、リフォーム工事を行うときに、ハウスメーカーやリフォーム工事の施工会社と結ぶ工事・建築に関する契約のこと。

 

「住宅建築工事請負契約」「住宅リフォーム工事請負契約」ということもある。契約書には、発注者氏名、請負者氏名、工事内容、請負代金の額、支払方法、工事着手の時期、工事完了の時期、完成引き渡しの時期等が記載されている。特に「工事完了の時期」が遅れた場合の違約金はこの日付を基に算定されるので、記載漏れがないかの確認が必要。また、「支払方法」には契約時や着工時、上棟時、引き渡し時など、いついくら支払うのかが書かれているので、住宅ローンの実行時期などと照らし合わせてチェックする必要がある。
契約の際には、通常この「工事請負契約書」のほか「工事請負契約約款」「見積書」「設計図書」の4種類の書類が交付される。契約書類は分量も多く、契約時にすべてに目を通し理解するのは難しいため、事前にチェックしておくことが望ましい。

建築確認

建築確認とは、建築物を建てる際工事の前に建物の設計や敷地配置などの計画を建築主事等に提出し「その計画が建築物の敷地・構造・建築設備に関する法令等に適合している」という確認を受けること。

 

建築確認に合格して「確認済証」が交付されないと工事に着手できない。
建築確認が必要なのは、都市計画区域内で建物を建てる場合、また学校など特定の用途や一定規模以上の建物を建てる場合や大規模な修繕工事を行う場合などと定められている。建築確認は都道府県あるいは市町村に置かれている建築主事や指定確認検査機関が行う。

建築確認申請

建築確認申請とは、建築物を建築したり大規模な修繕をするとき建物の建設工事に着工する前に都道府県や市などの担当課に必要な書類を提出し「建築確認」の手続きの申し込みをすること。

「建築確認」は、建物の設計や敷地配置などの計画が建築基準法などに適合しているか、都道府県または市町村の建築主事(建築確認等に関する事務を担当する役職)や指定確認検査機関による確認を受ける手続きのこと。これによって、建築基準法などの法律に不適合な建築物が建設されるのを防ぐことを目的としている。

建築確認申請を行うのは建物の建築主だが設計事務所や建築会社などの担当者が代行するケースが一般的。

建築確認済証

建築基準法では、建物の建築等を行う際には工事に着手する前にその建築計画(建物の設計等)が建築基準法の規定に適合しているか建築主事の確認を受けなくてはならないとしている。これを「建築確認」という(この建築確認業務は、建築主事のほか指定確認検査機関が行うこともできる)

「建築確認済証」とは建築計画が法の規定に適合していると確認された場合に交付される文書。建築物の工事は確認済証の交付を受けて初めて着工できる。マンションや建売住宅等の広告も確認済証の交付などを受けてからでないと行うことはできない。

なお、建築確認は建築物の計画内容を確認したもので、実際の工事が設計された内容どおりに行われているかどうかについては中間検査や完了検査などで確認されている。

建築基準法

建築基準法とは、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図ることなどを目的に、1950年(昭和25年)に制定された法律。

建築基準法の内容は大きく次の3点に分けられる。また、制定以降も、大地震による建物の被害などその時々の社会問題や建築技術の変化に合わせて改正されている。

■建築基準法の主な内容

(1)個々の建物の安全性や快適性を確保するための、最低限の基準に関する規定。「単体規定」といわれている。
(2)都市計画区域内の市街地等の、良好な環境を維持するため、建築物に一定の制限等を設ける規定。「集団規定」といわれている。
(3)建築確認など、法の基準に適合する建築物が建てられているかの審査について定めた基準。審査を行う機関についても定められている。

建築協定

建築協定とは、地区の特徴を活かした良好な住環境や魅力ある商店街等の形成などを目指すために土地所有者や借地権者によって取り決められ特定行政庁(市町村長または都道府県知事)が認可したその区域特有の“建築物の基準等”をいう。

建築協定として締結できる主な内容は以下のとおり。

(1)協定の目的となる区域
(2)その区域内の建築物の基準(敷地や位置、構造、用途、形態、デザイン、建築設備などに関する基準)
(3)協定の有効期間
(4)協定違反があった場合の措置

建築協定の内容は特定行政庁の認可を得て公告されるため、建築協定の効力は後から協定区域内の土地の所有者になった者にも及ぶ。

建築条件付き土地

建築条件付き土地とは、「住宅を建設する施工会社が決まっている」土地のこと。

 

土地の売買契約の後一定期間内(3カ月以内など)に決められた施工会社と建設工事請負契約を結ぶことになる。
建築する住宅ついては、あらかじめ参考プランが用意されてこれを元に希望するプランを決めていくのが一般的。参考プランから間取りを変更することもできる。また、納得のいくプランができない場合は、土地の売買契約を白紙解除でき、支払い済みの手付金などはすべて返却される。
住宅を建築して土地付きで分譲・販売することを「建て売り」というのに対し、建築条件付き土地の場合は「売り建て」ともいわれている。

建築物の高さ

建築基準法における建築物の高さとは、通常は「地盤面からの高さ」のことを指す。

 

ただし傾斜地に建てられた建築物で建築物と接する部分の高低差が3メートルを超える場合には、その高低差3メートル以内ごとの平均の高さを地盤面とし、それを基準にして建築物の高さを求める。

なお、前面道路から一定距離以下の部分について「前面道路の路面の中心」からの高さを指すケースもある。

また、屋根の棟飾りや防火壁の屋上突起物は高さに算入されない。屋上に設置された階段室やエレベーター塔、装飾塔なども、その面積が建築面積の8分の1以内の場合は、高さに算入しないとされている(建築基準法施行令第2条1項6号、2項)

建築面積

建築面積とは、建築物の外壁または外壁に代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(真上から見た状態の面積)のこと。

1階の面積が2階以上の面積より広い場合、建築面積は1階の床面積とほぼ等しくなるのが一般的。ただし、1階に車庫などがある場合は、2階の外壁の中心線によって建築面積を計算するため、建築面積が1階の床面積より広くなることもある。また地階で地盤面1メートル以下にある部分は建築面積には含まれない。

また、軒、ひさし、はね出し縁等があり外壁等から1メートル以上突き出ている場合、建築面積はその端から1メートル後退した線で囲まれた部分で計算(建築基準法施行令第2条1項2号)。

建ぺい率

建ぺい率とは、「敷地面積に対する建築面積の割合」をいい、建築面積を敷地面積で割って算出します(建築面積とは建物の外壁やそれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積のことです)

建築基準法では、都市計画区域および準都市計画区域内において用途地域の種別や建築物の構造に応じて、建ぺい率の限度を定めています(建築基準法第53条)

例えば、敷地面積200m2、建ぺい率40パーセントの場合、建築面積は80m2となり、残りの120m2は庭などの空きスペースにすることになる。

つまり、建ぺい率の規定により建築物の建つ敷地に一定以上の空きスペースができ、日照や通風を確保するとともに、火災や地震等が起きたときの防火や避難がしやすくなるなど、市街地の環境を維持することができる。

権利金

権利金とは、借地契約の際、借地権を設定する対価として借主から貸主に支払われる金銭のこと。

 

借地の契約が終了しても権利金は返還されない。
借地権は、法律で定められた契約期間が長く、契約期間終了時に貸主に正当な理由がなければ契約の更新を断ることができない。このように借地権は長期間にわたり、土地を利用できる権利であることから借地借家の契約時に、地代とは別に権利金が授受されている。権利金の金額は地域によって異なるが、借地の場合は更地価格の60%~70%程度になるといわれている。

アパートなど借家契約の場合も同じように、契約時に家賃や敷金とは別に権利金を支払うことがある(「礼金」ということもある)

権利証

権利証とは、土地や建物の「所有権移転登記」や新築等の建物の「所有権保存登記」が完了したことを証明する書類のこと。

 

「登記済証」ともいい、土地や建物の所有者等が登記を申請する際に本人を確認する重要な書類であった。
しかし、登記事務のオンライン化に伴う不動産登記法の改正により2005年(平成17年)3月7日以降、「権利証」は廃止された。現在は、各登記のパスワード的な意味合いを持つ「登記識別情報」が権利証に代わる本人確認手段になっている。
なお、権利証が廃止される前に行われた登記については、従来と同じように、本人確認書類として「権利証」を利用して登記申請(書面申請)することができる。

ゲストハウス

ゲストハウス

ゲストハウスとは、安価で利用できる宿泊施設の一種で中長期でも滞在できることから居住施設とも。

 

トイレやバスルーム等を共用する簡易宿所型や長期滞在を想定した共有スペースを有する賃貸シェア住居型など形態はさまざま。一般的には新築の建物は少なく、古い建物をリノベーションしゲストハウスとして再利用している場合がほとんど。
料金についても、1泊単位から月単位のものまでさまざま。ゲストハウスには、居住用のものからSOHOなど仕事場として使用できる形態までそのバリエーションは多いが、物件により利用目的は制限されているので、管理する不動産会社に確認が必要となる。また、入居・退去が容易にでき、住所として認めてもらうこともできる。

現況調査

現況調査は、住宅の売買においては次の2つの意味で使用されている。

■中古住宅(既存住宅)の「住宅性能評価制度」における現況検査
既存住宅の「住宅性能評価制度」は、売主と買主が建物の劣化の状況や不具合について共有し、契約の円滑化を目的とする制度。現況調査では、専門知識のある評価員が、一般的な手段で移動できる場所から目視で確認できる範囲について、外壁のひびや床の傾き、壁や天井の漏水等のあと等を調査する。

■不動産の「強制競売」における現況調査
債権者の申し立てにより、裁判所が債務者の不動産に対して「強制競売」を行うのに先立って、「執行官」が不動産の現況を調査すること。現況調査報告書は、競売の重要な資料となる。

現況有姿

現状有姿とは、一般的には「現在の状況のまま」という意味。

 

不動産の売買では土地や中古マンション、一戸建てなどの売買契約書に「現状有姿」と記されることが多く、こういった売買契約を「現状有姿売買」と呼ぶことも。

現状有姿売買については多くの場合、「契約から引き渡しまでに物件の状況に変化があったとしても、引渡時の状況のままで引き渡す」と解釈されている(例えば、契約から引き渡しの間に壁紙の一部が破れた場合、破れた状態のまま引き渡すということ)。しかし、明確な定義はないのが実情で、現状有姿売買だからといって売主が瑕疵担保責任を負わなくてもいいということにはならない。

源泉徴収

源泉徴収

源泉徴収とは、会社員の給与取得や退職所得などに対する所得税の納税方法のひとつ。

 

雇用者である会社が社員の所得税を計算し給与からその額を差し引いて国に納税する制度。
会社員が住宅ローン控除など所得税の控除制度を受ける場合、翌年の2月16日から3月15日までに本人が確定申告を行い源泉徴収された所得税から控除される分が返還。これを「還付」という。

なお、給与以外にも税理士や弁護士、サッカー選手、芸能人、作家など、一定の職に就く人が受け取る報酬や料金、また、利子や配当なども源泉徴収の対象となる。

また所得税の納付には源泉徴収制度のほか所得のあった人が自分で税額を計算し、自主的に申告して納付する「申告納税制度」がある。

現地調査

現地調査とは、リフォーム工事の設計・施工前に実施する調査のこと。

 

建物調査や建物診断もその1つ。大別すると「概略調査」「詳細調査」「解体中の調査」の3つがある。

公営住宅

公営住宅とは、公営住宅法に基づき国の補助等により地方公共団体が建設し、低所得者向けに割安な賃料設定で提供される賃貸住宅のこと。

 

所得制限があり住宅の規模・立地状況、収入による変動家賃を採用しているケースが多い。
原則として現在、同居しまたは同居しようとする親族がいることや、一定の収入基準の以下でないと申し込みすることができない。また、当該都道府県、または市町村に在住・在勤していることや都道府県、または市町村において独自に入居基準を定めている場合がある。ただし、60歳以上の世帯や障がい者世帯等に対する特例措置も用意されているので検討時には諸条件を確認すること。
なお、各地方住宅供給公社はこれらの公営住宅を地方公共団体から「管理代行」または「指定管理者」として管理業務を受託している。

工業専用地域

工業専用地域とは、住宅を排除し計画的に整備されたコンビナートや工業団地等を想定した工業地域で工業の促進を図るために指定された用途地域のこと。

 

この地域では工業の立地を主体とした地域であるため「工業地域」よりさらに工場以外の用途の立地が制限されている。
具体的には住宅、老人ホーム、店舗、図書館、運動施設、学校、病院などの建設を禁止している。ただし工場に付随する事務所・保育所・診療所などの建築は可能となっている。
この地域では、危険度の高い工場が立地している関係から防災上、建ぺい率制限はゆとりのあるもの(30・40・50・60%)となっている。なお容積率制限は100・150・200・300・400%の5分類となっている。

工業地域

工業地域とは、住宅等と工場が混在する地域のうち、主として工業の利便性を考慮して指定された用途地域のこと。

 

工業地域では環境を悪化させるおそれがある工場や危険物の貯蔵、処理の量が多い施設の建設が認められている。
用途制限としては学校、病院、劇場や映画館、ホテル、歓楽施設等の建設は禁じられている。
一方、住宅やアパートの建設は可能なので同地域内で大規模なマンションや一戸建て住宅の分譲が行われることもあるが検討する際は、周辺環境には十分な確認が必要である。敷地周辺だけでなく通勤や通学の際に利用する経路や子どもの遊び場所等についても環境や大型トラックの交通量などをチェック。
なお、商業地域と同様に日影規制などは適用されない。

更新手数料

更新手数料とは、賃貸借契約(借地借家契約)を更新する際の、更新事務手続きの手数料のこと。

借りている住宅に不具合があった場合に不動産会社を通して貸主に修理を頼むなど、借主と貸主が両者の交渉や契約更新事務などを不動産会社または賃貸物件の管理会社に依頼している場合などに支払うケースが多い。

借主が支払う更新手数料の金額は地域や会社によって異なるが、更新後の家賃の半額が目安となる。更新手数料については賃貸契約時の「重要事項説明書」や「契約書」に記載され、不動産会社からも説明されるのが一般的。
なお、住宅の賃貸契約を貸主と借主が直接行った場合でも、その後、両者の合意によって不動産会社等が間に入るケースもある。この場合は、更新手数料などが必要になるのかどうか不動産会社に確認が必要。

更新料

更新料とは、アパートなど賃貸住宅の「賃貸借契約」や土地の「借地契約」の更新時に、借主から貸主に支払うお金のこと。

アパートなど賃貸住宅の賃貸借契約は2年ごとに更新され、更新時に家賃1カ月分程度の更新料を支払うのが一般的(地域や物件によって異なることもある)

借地や借家は、期間満了時に借主が契約の更新を希望する場合、貸主は正当な理由がなければ契約更新を断ることができない。このために更新時に貸主が更新料を請求することが一般化してきたといわれている。

現在は、更新料について賃貸契約時から定めることがほとんどで、「重要事項説明書」や「契約書」に記載され、不動産会社からも説明される。また、契約更新の際、不動産会社に「更新手数料」を支払うことを定めるケースもある。

工事請負契約

工事請負契約とは、家の新築や増改築、リフォームなどをする際に施工会社と結ぶ契約で家の新築の場合は「建設工事請負契約」リフォームの場合には「リフォーム工事請負契約」などという。

工事請負契約書には、建築やリフォームの内容(設計図書や仕様書が添付される)発注者が支払う対価(代金)の金額、その支払方法、工事着手の時期、工事完了の時期、完成引渡しの時期などが記載。

契約後に発注者から解除を行う場合は解除によって生じる受注者(施工会社)の損害を賠償しなくてはならない。一方、工事契約後に受注者と発注者が話し合って工事内容の変更や代金の変更を行うことは可能。こういった約束事も契約書に明記される。

公示価格

公示価格とは、地価公示法に基づいて国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公示する標準地の価格のこと。

 

正式には「地価公示価格」といい都市計画区域内で標準的な土地を選定し、毎年1月1日時点の1m2当たりの正常な価格を判定して3月に公示されている。
ここでいう正常な価格とは、売り急ぎなどの特殊な事情がない売買で成立すると認められる価格のことで2名の不動産鑑定士(鑑定評価員)の鑑定評価をもとに判定される。

公示価格は、土地の適正な価格形成に寄与することを目標とし一般的な土地取引の指標や公共事業地の取得価格算定の基準とされるほか固定資産税評価や相続税評価の基準にもなっている。

公示地価

公示地価とは、地価公示法に基づき、国土交通省による土地鑑定委員会が毎年1回公示する標準地の価格。

 

原則、都市計画法による都市計画区域内で標準的な土地(標準地)を選定し、それぞれの地点につき2人以上の不動産鑑定士が別々に鑑定評価を行いその結果を調整したうえで価格が決定される。
例年1月1日時点の価格が3月中~下旬に発表される。
公示地価は、公共事業用地の取得価格算定の基準とされたり、国土法による土地取引規制における価格審査においてこれを基準とすべしとされている。
公示される際には「住宅地」「商業地」「宅地見込地」「準工業地」「工業地」「調整区域内宅地」に分類され、公示地価の動向については、毎年、同地点の価格の変動率で示される。

工事費一式

工事費一式とは、材料費と工賃を含んだ複合価格のこと。

 

このような「一式」表記が多用された見積書では使用部材や各部材の数量などのチェックできず、依頼先の選定がしづらいだけでなく工事内容に問題があっても、その対応を十分に検討できない可能性もある。よってできるだけ契約前には、工事内容や工事範囲を図面や仕様書などで説明を受けることが望ましい。

公図

公図とは、土地の区画や地番、位置、形状等が記入されている「地図に準ずる図面」のこと。

 

不動産登記やその確認を行う上での参考資料として登記所に保管されている(正式名称は土地台帳付属地図)

もともと公図は、明治時代の初期に税金の徴収のために作成されたもので、1950年(昭和25年)に税務署から法務局に移管され、地図に準ずる図面として利用されてきた。このため現在の精度の高い機器を使用した測量と比較すると面積が大きく異なることもある。

現在は不動産登記法(14条)で定められた地図が不動産登記における正式な資料とされているが、この地図が整備されていない地域については土地の位置や形状を示す資料として公図が利用されている。

公正証書

公正証書とは、法務大臣が任命する公証人が当事者の嘱託によりその権限内で作成した文書のこと。

 

その作成手続は公証人法によって厳重な書式が定められている。
公正証書は、高い証明力があり金銭債務の支払を怠った場合など裁判所の判決などを待たずに強制執行手続きに移るなど強制力を行使できる。
特定の契約行為においては、公正証書の作成が求められるものもある。
例えば、事業用定期借地権の契約書や任意後見契約については公正証書としなければならない。
ほかにも、遺言、金銭の貸借に関する契約、離婚に伴う慰謝料・養育費の支払に関する取り決めなどには公正証書が用いられるケースが多い。

公租公課

公租公課とは、税金や町内会費など公共的な目的のために支払う費用の総称で、「租税公課」ともいう。

 

「公租」は国や自治体に納める国税や地方税のことで例えばマイホームの購入、所有に関する公租は印紙税や登録免許税(国税)、不動産取得税や固定資産税、都市計画税(地方税)です。

「公課」は公共的な目的を持つ団体などに支払う組合費や会費、負担金など。代表的なものは健康保険や年金だがほかにも多くの種類がある。例えば税務上では商工会や同業者組合、商店会などの会費、組合費も公課とし、必要経費とみなされる。また町内会やPTAなどの公共的な目的の団体に支払う会費、このほか交通違反の罰金、過料など国や自治体の機関に払うものも公課に含まれる。

構造計算

構造計算とは、住宅などの建築物の構造部分にかかってくる自重(固定荷重)や積載荷重、さらに積雪や風圧、土圧、水圧、地震、衝撃などの外力に対して安全であるかどうかを確かめるために応力(建物の構造内部に生じる抵抗力のこと)や断面、接合部、基礎などを計算すること。

 

建築基準法では「許容応力度計算」「限界耐力計算」「超高層建築物の構造計算」のいずれかで構造計算を行うよう定めている。

公道

公道

公道とは、国や地方自治体が管理している道路のこと。

 

私人が所有地を道路として築造・保持・管理している「私道」と区別している。建築基準法では、住宅などを建設する場合、その敷地が「幅4m以上の道路と2m以上接していなければならない」と規定(接道義務)しているが、この規定の対象となるのは一般的な公道や私道で、自動車専用道路や高速道路は除かれる。

高度地区

高度地区とは、都市計画法に基づく地域地区の1つで、用途地域内において市街地の環境を維持したり、土地利用の増進を図るために、建築物の高さ(最高限度または最低限度)に制限が設けられている地区のこと。


例えば最高限度高度地区では、日照や通風の確保を目的とした「斜線型高さ制限」と市街地環境の維持を目的とした「絶対高さ制限」がある。一方、最低限度高度地区では、土地の高度利用による土地利用の増進を目的にしているため、最低限度の高さよりも低い建物は建てることができない。
ちなみに、建築基準法による斜線制限などが全国共通の規定であるのに対して、高度地区の制限内容は、導入の有無も含めて自治体ごとに異なっている。

高度利用地区

高度利用地区とは、都市計画法に基づく地域地区の1つで用途地域内において土地の利用状況が著しく低い地区などを対象に市街地における合理的で健全な土地の高度利用と都市機能の更新を図る地区のこと。

 

下記の4項目で制限を定めることにより敷地の統合を促進し建築物の大規模化、共同化を図りさらに建築物の周囲に空地を確保して市街地環境の向上を図る。

 

1.容積率の最高限度と最低限度の指定
2.建ぺい率の最高限度の指定
3.建築面積の最低限度の指定
4.壁面の位置の制限の指定

 

ちなみに、都市再開発法により市街地再開発事業の施行区域は、高度利用地区内でなければならないと定められている。また高度利用地区に指定されると、簡易な建築物(主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造、その他これらに類する構造であって階数が2以下で、かつ地階を有しない建築物で容易に移転または除却できるもの)以外は定められた内容に適合する建築物しか建てられない。

国土交通大臣免許

国土交通大臣免許とは、不動産会社や不動産仲介会社などの宅地建物取引業者が2つ以上の都道府県にまたがって事務所を置き営業活動を行う際に必要な免許のこと。

 

かつては「建設大臣免許」といっていた。なお、1つの都道府県内に事務所をおいて営業する場合には、都道府県知事免許を受けることになる。

国土利用計画法

国土利用計画法とは、1974年(昭和49年)に制定された法律で、国土法と略称する。

 

土地の投機的取引や地価の高騰、乱開発を未然に防ぎ、遊休土地の有効利用を促し、総合的・計画的に国土の利用を図ることを目的としている。1998年(平成10年)には地価の下落とともに、従来の一定規模以上の土地取引に対する契約前の事前届け出の義務が事後届け出制に規制緩和された。ただ、地価が一定期間内に社会的事情に照らして相当な程度を超えて上昇または上昇する恐れがあると認められる区域を注視区域として知事が指定できると定められ、従来の監視区域や規制区域と共に、地価の上昇に対する公共の介入の余地を残している。

国有宅地

国有宅地とは、国が保有する財産(国有財産)のうち、行政目的に使用しなくなった土地や、相続税などを金銭に代えて租税物納された土地のうち、比較的規模の小さい、住宅用宅地のこと。

 

これらは、財務省が保有・管理し、国の収益化を目的とし処分対象となった物件を一般競争入札などで処分する。一般競争入札の場合、破産者や反社会的勢力以外であれば参加でき、入札金額の5%以上を保証金として支払えば、入札資格を得ることができる。安く落札できる可能性もあり、物納などで国は所有した物件もあるため、市場に出回っていない物件が見つかる場合もある。物件情報や一般競争入札のスケジュール、手続き等については、財務省の各財務局のホームページなどに公示されるため確認。

固定金利

固定金利とは、住宅ローンなど金融機関の融資の「金利タイプ(金利の見直し方法)」の一種で所定の期間中は金利を固定するというもの。

 

つまり、その期間中の金利は変わらず、返済額も同じままということ。
住宅ローンには借入時から返済終了までの全期間、固定金利の商品がある(このタイプは「長期固定金利型」、「全期間固定金利型」ともいう)【フラット35】が代表的だが民間金融機関にも返済期間20年~35年の長期間の固定金利商品がある。

全期間固定金利のローンは、変動型や固定期間選択型に比べて当初の金利は高いが、返済額が途中で変わらない安心感があり返済計画も立てやすい点がメリット。

固定資産

固定資産とは、事業活動の基礎となり長期間(一般的に1年以上とされる)維持・使用できる資産のことをいう。

 

固定資産は、大きく次の3種類に分類されます。
(1)土地・建物・機械などの「有形固定資産」(カタチあるもの)
(2)営業権・特許権・商標権・意匠権・ソフトウェアなどの「無形固定資産」(権利や独自ノウハウ等)
(3)関係会社株式、長期貸付金、出資金などの「投資その他の資産」

固定資産のうち建物や機械などは、時の経過によって価値が低下していく。このような資産を「減価償却資産」という。一方、土地や骨とう品、投資など、時の経過によって価値が低下しないため、「非減価償却資産」と呼ばれている。

固定資産課税台帳

固定資産課税台帳とは、固定資産の状況や固定資産税等の税額を計算する基礎となる固定資産の価格を明らかにするために、市町村に備えられた台帳のこと(固定資産とは、土地や建物、機械など長期間継続して使える資産をいいう)

 

固定資産課税台帳には土地課税台帳、家屋課税台帳、土地補充課税台帳、家屋補充課税台帳、償却資産課税台帳の5種類。固定資産課税台帳には、土地や建物の所在地、基準年度の価格、面積および所有者の住所、氏名などを記載されている。
この固定資産課税台帳には、毎年一定期間の「縦覧期間」が設けられ、課税台帳の登録価格に不服がある場合には、一定期間内に固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる。

固定資産税

固定資産税

固定資産税とは、毎年1月1日現在で土地・建物などの固定資産を所有している人に対してかかる地方税で、一般的に年4回に分けて納付する。

 

固定資産税は固定資産課税台帳に登録された「評価額」に税率(標準税率は土地・建物ともに1.4%)をかけて計算されるが、土地面積200m2までの住宅用地は課税標準額が「評価額の1/6」に軽減される等の特例措置がある。

また新築住宅の場合は、床面積が120m2までの部分に対して、戸建住宅(木造一戸建て等)は3年間、3階建て以上の耐火・準耐火建築(マンション等)は5年間、建物の固定資産税が1/2になる軽減措置が受けられる(2020年3月31日まで)。

また一定の期間の間に行った耐震のリフォーム(2006年1月1日~2020年3月31日)・バリアフリーのリフォーム(2016年4月1日~2020年3月31日)・省エネのリフォーム(2008年4月1日~2020年3月31日)・長期優良化のリフォーム(2017年4月1日~2020年3月31日)に対しても、固定資産税の軽減措置がある。

認定長期優良住宅の軽減期間は戸建住宅5年、3階建て以上の耐火・準耐火建築は7年間となる。

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、固定資産税、都市計画税、不動産取得税などを計算をするときの基になる土地と建物の価格。

 

固定資産税評価額は、国が定めた固定資産評価基準に基づいて知事または市町村長が決定し「固定資産課税台帳」に登録される。固定資産税評価額は、原則として3年ごとに評価替え(価格の見直し)が行われこの評価替えの年度を「基準年度」という。

固定資産税などの税額を決める基になる課税標準額は、原則的には固定資産税評価額と同額だが「軽減措置の特例」の適用や地価の上昇等で「負担調整措置」がある場合などは、固定資産税評価額の所定の割合の金額を課税標準額とすることもある。なお、相続税の計算の基となる相続財産の計算では、建物についてのみ固定資産税評価額が適用され、土地の評価は別の方法(路線価方式)で行われる。

 

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さ行

災害危険区域

災害危険区域とは、津波や高潮、がけ崩れ、洪水など災害の危険が著しく、その災害防止に膨大な費用がかかる区域として、地方公共団体が条例で指定した区域のこと。

 

この区域指定は、都市計画ではなく建築基準法39条の規定に基づく建築基準法上のゾーニングである。「災害危険区域」は、専用住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿その他の居住室(住居の用に供する建築物)等の建築を禁止する区域を指定するものであるが2階以上は建築可としたり、1階の床の高さを制限する方法もありそれらを組み合わせて数種類のゾーニングを行う場合もある。
またホテル、旅館、病院、病床を有する診療所および児童福祉施設等(建築基準法施行令19条1項)が規制される場合がある。

債権

債権とは、ある人が他の人に対して金銭の支払いや労務の提供など一定の行為を請求できるという権利のことをいう。

 

債権に対して、支払いや労務の提供などの義務を負うことを「債務」という。
例えば、住宅の賃貸の場合、貸主は借主に対して家賃を請求する債権を持ち、借主は住宅や住宅設備が老朽化等で壊れた場合に修繕・交換などを請求する債権を持つ。債権・債務については、民法の第3編に規定されている。

具体的には「債務不履行」の場合の責任、住宅ローンなど金銭の賃貸借の場合などに問題になる「連帯債務」や「保証債務」このほか、債権の譲渡、債権の弁済や相殺などについて基礎的な事項が規定されている。

再建築不可

再建築不可とは、家が建っていても解体して更地にしてしまうと新たな家を建てられない土地のこと。

 

これが適用される多くの場合は「接道義務」を満たしていない土地である。建築基準法43条によって「幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地には家を建てることができない」と定められているが、そのような土地でも同法律の制定以前に既に家が建てられたケース(既存不適格建築物)や意図的に違法に建てられた建築物がある土地は、「再建築不可」と認定されることになる。こういった土地を売りに出す場合は、物件広告や重要事項説明書に必ず「再建築不可」と書くことが義務づけられている。また、再建築不可の物件は銀行や信用金庫の住宅ローンは利用できずローンを受けるとすればノンバンク系金融機関で検討することになる。

債務不履行

債務不履行とは、例えば住宅ローンを借りた人が毎月の返済を行わないなど、「債務者が債務の履行をしないこと」をいう。

 

債務不履行には、次の3つの類型があり、それぞれ法的責任(債務不履行責任)を問われる。

(1)履行遅滞
 中古住宅の売買で、引渡時期になっても売主が家から出て行かないなど、債務者が債務を履行すべき時期に債務を履行できるにもかかわらずそれをしない場合のこと

(2)履行不能
 住宅の売買で、引き渡し前に売主の不注意で家が焼けてしまうなど債務者の責任により履行が不能になること

(3)不完全履行
 新築住宅を購入し、引き渡し後に不具合や欠陥が見つかった場合など履行期に完全な債務の履行ができなかったこと
(ただし、不動産の場合は事実上、不完全履行ではなく「瑕疵担保責任」として扱われることが多い)

差押

差押とは、国の執行機関(裁判所)が債権者の申し立てに基づき債務者の財産の事実上・法律上の処分を禁止する行為のこと。

 

原則として、競売等の「強制執行」の前段階として行われる。
不動産においては、債務者(競売の場合は所有者)は、差し押さえの効力により、不動産の所有権を譲渡したり、不動産に担保権や用益権を設定したりする処分行為ができなくなる。その後「強制競売」または「強制管理(不動産の管理や家賃等の収益の収取を行い、収益を債権者に配当すること)」の方法によって行われる。

執行裁判所が、強制競売の手続を開始するには債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言しなければならない。

査定

査定とは、自宅の売却や買い替えの検討をするときに「売却できそうな価格」を不動産仲介会社などに算出してもらうこと。

 

「査定価格」は、近隣で売買された類似物件の成約価格などをもとに売却する物件の特徴(築年、向き、間取りなど)や現状の不動産市況(競合物件が多いか、人気のあるエリア・物件タイプかなど)を加味して算出される。売主は査定価格を参考に「売出価格」を決定することになる。
なお、前述のように査定価格とは「売却できそうな価格」であり、車などの買取り価格のように、その金額で売れることを約束するものではない。また、複数の不動産会社に査定を依頼すると、その金額はまちまちであり、高く提示してきたところが結果として高く売ってくれるとも限らない。査定をしてもらう際には、その金額の論拠をしっかりと求めることが大事。

更地

更地とは、建物・建築物などがなく、借地権など使用収益を制約する権利の付いていない土地のこと。

 

建物が建っていないだけでは更地とはいえない。例えば市街化区域内であっても「耕作されていない農地」や「樹木のない山林」などは更地とはいわない。購入後、容積率や建ぺい率等の法規制は受けるが、それ以外の制約を受けずに、自由に住宅が建てられる土地を「更地」と呼ぶ。
売却時においては「更地」の状態で引き渡すか、建物等を残した「古家付き」など現況渡しとするかは判断を要するポイントである。更地で引き渡すのに越したことはないが、売却・退去スケジュールや解体のための手間やコスト等が判断の分岐となる。
とくに解体業者は数多く存在するがコストだけでなく解体技術や廃棄物の撤去処理の質など業者による差が大きいため、信頼できる会社探しが重要。

3項道路

項道路とは、土地の状況によりやむを得ない場合、特定行政庁(原則として人口25万人以上の市の長のこと)は道路の中心線から2m未満1.35m以上の範囲で、また片側が川などの場合はその境界線から4m未満2.7m以上の範囲内で、指定することができる道路のこと。

3項道路の指定には、各自治体の建築審査会の同意が必要となる。

在来工法

在来工法とは、「木造軸組工法」とも呼ばれ日本に伝わる伝統的な工法で、基礎に土台をのせて柱を立て、梁などの水平な材を渡して骨組みをつくる。壁には筋かいという斜めの材を入れて補強するなど木材の組み合わせで建物を支える構造。


この工法の長所は、柱の位置や長さを自由に設定できるためデザインや間取りの自由度が高いこと。筋かいの入った壁以外なら窓やドアなど開口部を自由に設けることもできる。また和風の建物だけでなく洋風の外観にも幅広く対応が可能。
ひと昔前の木造軸組工法は大工の職人技が重視されていたが、現在では精緻に機械加工された木材や、木材同士の接合に補強金物が採用されるようになっており、個人の技量による精度のばらつきはほとんど解消されている。

市街化区域

市街化区域とは、都市計画法で指定される都市計画区域の1つ。

 

すでに市街地を形成している区域とおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされる。
市街化区域は、用途地域が定められており自治体による道路、公園、下水道などの都市施設の整備も重点的に実施される。また土地区画整理事業や市街地再開発事業などによる整備が積極的に進められる区域でもある。
一方、「市街化調整区域」は市街化を抑制し優れた自然環境等を守る区域。用途地域は基本的に定められおらず、自治体などによる都市基盤の整備もしないことが原則となっているため新たに開発・建築行為をする場合は制限を受けることになる。

市街化調整区域

市街化調整区域とは、都市計画区域のうち市街化(宅地化などの開発のこと)を抑制するために決められた区域のこと。

 


市街化調整区域では、原則として用途地域を定めず開発行為などが制限され、住宅を建てることはできない。ただし一定面積以上の開発行為で開発審査会により「計画的な市街化を図るうえで支障がない」と認められたものなどで例外的に許可されることもある。
2011年(平成13年)に施行された改正都市計画法では「市街化区域に隣接し、または近接しかつ自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域」で「おおむね50以上の建築物(市街化区域内のものを含む)が連たんしている地域」での開発行為を認めることになっている。ただこの規定を適用する地域や建物間の距離(60m未満、50m未満など)その他の許可基準などは、各自治体の条例で定めることになっている。
また、同法では以前は一定の要件に該当する建物であれば都市計画法による許可がなくても建て替えができたが、改正後は許可を受けなければならなくなった。

敷金

建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。

敷金

敷金とは、管理会社に預け金として支払うお金のこと。

 

退去時に家賃の滞納分や原状回復の原則に則り借主の故意・過失によって汚損・損壊したものがあれば、その修理費などを引いて返金される。あまりにも部屋が汚れていたり破損していた場合には、プラスしてクリーニング・補修費用が請求されることもある。賃貸借契約を結ぶ時に賃借人が家主に渡し、賃貸借契約が終了して住宅を明け渡す時に、未払い賃料等がある場合も、その分を差し引いた額が返金される。
関西では主に賃貸借中に傷んだ設備・仕様の償却費用として一定の割合を敷金から差し引く「敷引(しきびき)」が慣行となっている。ただし「敷金」と違いまったく返金されないので注意が必要である。

敷地

敷地とは、一般的には、建築物が建っている土地のこと。

 

建築物の建築部分や門扉・アプローチ、庭、駐車スペースなどをまとめて1つの敷地と呼ぶ。
建築基準法施行令の最初(第1条第1項)に定義されているのがこの「敷地」でありそれによると「一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう」とされている。これは1つの敷地に1つの建物か、用途上分けることのできない複数の建物を建築できるということ。この「用途上分けることのできない複数の建物を建築できる」とは、例えば、単独で「住宅」として機能することができない「離れ」であれば「母屋」と同じ敷地内に建築できるということ。
逆に、住宅の場合1つの敷地に2棟の住宅を建てることができないということでもある。
対して、建築物が取り壊されてしまった土地や、これから建設予定の土地を「更地」と呼ぶ。

敷地延長

敷地延長とは、敷地の一部分が通路上になっている宅地のこと。

 

道路側から見ると建物が奥まった部分にあり、この通路を通って出入りすることになる。一般的に「敷延(しきえん)」とかその形状から「旗竿(はたざお)敷地」などと呼ばれている。都市計画区域内で建築物を建てるときには、「敷地が道路に2m以上接していなければならない」という決まりがあるため、道路と接する通路の出口部分の幅は最低2mなければならない。
一般的にこのような敷地延長の場合、建物のまわりが隣家に囲まれているため、日当たりや通風が取りにくく、通路部分があるため、法定容積率に対し、床面積が十分に確保できないなどデメリットも少なくない。ただ、その分、物件価格も低めに抑えられているため、希望エリアで予算が合わない場合は、こうした物件を狙ってみるのも選択肢の一つである。設計上の工夫によって、採光や通風を確保した秀逸なプラン例も少なくない。

敷地面積

敷地面積とは、建物が建っている敷地の広さを示す。

 

ただ、建築物が建つ「敷地」には傾斜のあるものも少なくないため敷地面積は、すべてにおいて「水平投影面積」が適用されている。
また、都市計画区域内において特定行政庁が指定した4m未満の道路に接する敷地の場合は、セットバックといって、道路の中心線から2m後退したところに道路境界線があるとみなして、建築物を建てなければならない。この場合、道路の境界線とみなされる線と道との間の部分は、敷地面積には算入しないことになっている 。
なお、第一種および第二種低層住居専用地域においては、「敷地面積の制限」といって、制限未満の敷地に建築物を建ててはいけないという規定がある。これは、広い一区画の敷地が「切り売り」され、街並みが崩れてしまうことを阻止することを目的としたもの。

質権

質権とは、債権を保全するために債権者が債務者(または物上保証人)から物を受け取り、債務が弁済されなかったときにはその物を売却して、その売却価額から債権の弁済を受けることができるという担保物権のこと。
質権は約定担保物権なので、質権設定契約により締結されるが質権を設定してもらう債権者を質権者といい、質権を設定する方を質権設定者という。多くの場合、債務者が質権設定者になるが第三者が質権設定者になることもある。そして、質権設定者になった第三者のことを物上保証人という。
ちなみに抵当権の場合は被担保債権の目的物を設定者の元にとどめるのに対し質権の場合は、設定者から目的物の占有を奪うという点で抵当権とは大きく異なる。

私道

私道とは、個人の所有地の一部を道路として築造・保持・管理して通行に使っているもの。

 

都市計画区域内で、道路(公道という)に2m以上接していない敷地に建物を建てる時には敷地の一部を私道とし建築基準法上の道路として市町村長や知事に認可してもらうことになる。

私道負担

私道負担とは、不動産取引の対象となっている土地の一部に私道が含まれている場合、この私道敷地部分を所有すること。

 

私道の上には、建物を建てることはできないし私道部分の面積は敷地とならないので建ぺい率や容積率の計算から除外されるなど土地の利用に際して大きな制約を受ける。

私道負担面積

私道負担面積とは、不動産売買の土地の一部に含まれる「私道部分」の面積のこと。


「私道負担」が生じるケースはさまざまだが、一例として、

前面道路の幅員が4m未満の場合、必要幅員(4m)を確保するために敷地境界線を後退(セットバック)させる必要がある。この後退した部分が「私道負担面積」となる。
所有形態は、私道敷地を分割してそれぞれで所有しているケースや共同所有、地主による単独所有などまちまち。
私道の上には建物を建てることはできず、また、私道部分の面積は敷地とはならないので、建ぺい率や容積率の計算から除外されるなど土地の利用に際して制約を受ける。このような観点から「私道負担」については、重要事項説明書での必須事項となっている。不動産広告においても私道負担がある場合は、私道を含む旨と私道負担面積を表示する必要がある。

借地権

借地権とは、文字通り土地を借りる権利のことで「借地権付き住宅」の場合、建物部分は自分の所有になる。

 

つまり建物部分は自由にリフォーム等手を加えることができる。借地権者(借り主)は定期的に地主に地代を払う義務を負う。借地権は大きく分けて「旧借地権」「普通借地権」「定期借地権」の3種類がある。

旧借地権とは大正期に制定された制度で、借地期間が満了しても地主側に「正当事由」がない限り借地権が更新されるというもの。

普通借地権とは当初の借地期間が30年、1回目の更新は20年で、2回目以降の更新は10年となる制度。この普通借地権も地主に正当事由がなく、借りている人(借地人)が望めば契約は自動更新される。なお、借地権には「地上権」と「賃借権」があり、地上権の場合、第三者に譲渡したり、貸したりすることができるが、賃借権の場合は地主の承諾が必要となる。建物の建て替えの場合も同様。

定期借地権とは、期間に定めのある借地権のこと。普通借地権と違い、契約の更新がなく、期間満了時には土地を更地に戻して地主に返還することが原則。契約期間は住宅一般定期借地権の場合、50年以上とするケースが多い。第三者へ譲渡したり、貸したりすることも可能だが、賃借権方式の場合は売るときに地主の承諾が必要。建て替えは地主への事前通知で可能となる。

着地借家法

借地借家法とは「土地の賃借権等の存続期間やその効力」「建物の賃貸借の契約の更新とその効力」などに関する事項を定めた法律。

 

旧借地法、旧借家法等を廃止して1991年(平成3年)に成立、1992年(平成4年)より施行された。主に次の内容が定められている

■借地権
他人の土地を借りてその土地に自己所有の建物を立てられる権利。借地権の存続期間は30年、借地契約更新の場合、最初の更新は20年、それ以降は10年としている(契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間となる)。このほか、借地権者による契約更新請求、貸主による借地契約の更新拒絶の要件、借地権の効力、借地条件の請求などについて定められている。

■定期借地権
契約の存続期間を50年以上として借地権を設定する場合、契約の更新及び建物の築造による存続期間がないとするもの。満了時の立退料の支払いや建物の買取りも不要となる。定期借地権のほか「事業用定期借地権」「建物譲渡特約付き借地権」などがある

■建物賃貸借契約について
建物賃貸借の更新、契約の更新拒絶の要件、建物賃貸借の効力などについて定められている。

■定期建物賃貸借(定期借家)
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合、「契約の更新がないこと」とする旨を定めることができる。

斜線規制

斜線規制とは、都市計画区域内で建物を建てるとき道路や隣接地の日照・通風を確保するために、建物の高さや配置などを規制したもの。

 

この規制には3種類ある。「道路斜線制限」は道路を挟んで向かい合う建築物や道路面の日照・通風・開放感を確保するための規制「隣地斜線制限」は隣接する建築物の採光・日照などを確保するため規制「北側斜線制限」は北側に接する隣地の日照などの環境を確保するための規制。

集合住宅

集合住宅とは、1棟の建物内に複数の住戸が区画され各区画がそれぞれ独立した住宅をいう。

 

一般的には、マンション、アパートなどの総称。
また、隣家と壁を共有し2戸以上の住宅を一棟に連ねたタウンハウスなどもこれに含まれる。
集合住宅は、各住戸部分にあたる「専用部分」のほか、そこに住む住人が共同で使用する、エントランス、エレベーター、管理人室、集会室、共用廊下などの「共用部」とに分けられる。
なお「アパート」とは、一般的に木造や軽量鉄骨造などの賃貸住宅を指すのに対し、鉄筋コンクリート造などの耐火構造の集合住宅を「マンション」と定義している。また区分所有型の集合住宅を一般的には「分譲マンション」と呼んでいる。

修繕積立一時金

修繕積立一時金とは、マンションの管理組合が毎月収納する「修繕積立金」とは別に大規模修繕のタイミングや10年毎などのサイクルで臨時に徴収する修繕費用のこと。


新築マンションの入居時に支払う「修繕積立基金」のほか大規模修繕の費用が足りない場合などにこうした一時金が必要になることがある。一時金の金額は管理組合の財務状況によってまちまちで、数万円程度の場合から100万円を超えるケースもある。また、一般的には、専有部分の面積に応じて設定され、居住年数に関係ない場合が多いようだが、これも管理組合によって規定されるため、確認が必要である。中古マンションを購入する場合は、長期修繕計画や修繕積立一時金の有無などは契約前に必ず確認。

修繕積立金

管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたもの。

 

管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。

集団規定

集団規定とは、建築基準法のうち市街地の環境整備等を目的とする規定をいう。

 

主に「建築基準法第3章/都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途」で定められた敷地と道路に関する基準、建物の用途や形態に関する基準(建ぺい率や容積率、高さ制限、各種斜線制限など)都市再生特別地区等、防火地域、景観地区などが集団規定に当たる。

一方「建築基準法第2章/建築物の敷地、構造及び建築設備」では、建物の敷地の衛生及び安全、構造耐力、防火、屋根や外壁、居室の採光や換気、トイレ、電気設備など、個々の建物を建築する際の基準をまとめている。このため第3章の集団規定に対し「単体規定」と呼ばれている。 

商業専用地域

商業専用地区とは、特別用途地区の1つ。

 

店舗や事務所が集積する地区を対象に、商業・業務系用途の利便性を高めるために区市町村が指定することができるのが「商業専用地区」である。同地区内では商業・業務系施設の低層階への誘導を優先し住宅・工場などを建築することを制限している。大規模ショッピングセンターや商業ビルの集約的な立地を保護・育成するための地区といえる。
ちなみに特別用途地区とは、全国一律に分類されている「用途地域」制度を補完するものとしてそれぞれ街の風土や特性、歴史等の状況を勘案し、地方公共団体の条例により用途地域による建築物の制限を強化(もしくは緩和)することができるようにした地域・地区区分のこと。
そのため、用途地域による規定では建てられた建築物が、特別用途地区の指定によって建てられないこともあるので注意が必要。

商業地域

商業地域とは、都市計画法で定められた用途地域の一種。

 

主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域と定義されていて大都市の都心部や副都心部など地域の中心的な商業地等が指定されている。
商業地域は、工場や危険物取扱施設の建築には規制がありますが風俗施設を含め、ほぼ全ての商業施設の建築が規制なく可能となっている。
土地の高度利用(高層建築物の建設等)を誘導するために容積率の基準は200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%、1100%、1200%、1300%と緩く、建ぺい率は原則80%だが、防火地域内に耐火建築物を建築するのであれば制限を適用されない。

初期費用

初期費用とは、住宅の購入や新築時にかかる費用のこと。

 

また、賃貸住宅への入居時にかかる費用も初期費用という。さらに引越し費用や家具購入費用も含めて初期費用ということもある。

■住宅購入、新築の初期費用
頭金(価格等から住宅ローン借入額を引いた額)、契約書に貼る印紙税、住宅ローン借入費用、不動産登記にかかる登録免許税や司法書士報酬諸費用、修繕積立基金(マンション)、水道負担金(一戸建て、地域によっては不要な場合もある)、固定資産税等の精算金、火災保険料、不動産取得税など。なお、家の新築をする際に地鎮祭や上棟式を行う場合はその費用がかかる。また、中古住宅や土地購入の場合、上記のほかに仲介手数料がかかる。

■賃貸住宅の初期費用
礼金、敷金、仲介手数料、前家賃、火災保険料など。一般的に「家賃の約6カ月分」が目安といわれている。

所得税

所得税とは、個人の所得(収入から各種控除・経費を差し引いた後に残る金額で、課税所得ともいう)に対して課税される国税のこと。

 

所得税の対象となる所得は給与所得、事業所得のほか、利子所得、配当所得、不動産所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10種類がある。

例えば、ある年にマイホームを売却する場合その年の給与所得等にかかる所得税とは別にマイホーム売却によって得た「譲渡所得」について所得税がかかる。ただし一定要件を満たす場合、譲渡所得のうち3000万円まで控除できる(3000万円の特別控除の特例)

また住宅ローンを借りてマイホームの購入、新築、増改築(リフォーム)を行う場合、その年の所得税から一定額が控除される制度もある(住宅ローン控除)

所有権

所有権とは、土地や建物などの不動産等、特定の物を自由に使用・収益・処分することができる権利のこと。

 

これは民法で定義されている。担保物権(債権を担保する権利)や用益物権(他人の土地を使用して利益を得る権利)などは、物の一面的な支配権であるのに対して、所有権は「物の全面的な支配権」である。ただし公共の福祉に反した私権は認められていないため民法では所有権に一定の制限を設けている。
不動産を売買したり、相続する際には「所有権移転登記」を行うことによって、この権利の所在が確定する。不動産売買においては通常、物件の引き渡し時に司法書士に委任する。この際の必要書類としては、売主・買主の連名による「登記申請書」、印鑑証明、権利証(登記済証)、身分証明書、売買契約書の写し、司法書士への委任状等が必要となる。

所有権移転登記

所有権移転登記とは、土地や建物を購入したときにその所有権が売主から自分(買主)に移ったことを明確にするために行う登記のこと。

 

もしも登記をしないでその家に住んだ場合、土地・建物が自分のものだと、第三者に対して法的に主張することはできない。住まいに対する権利を守るための重要な手続き。

中古住宅の場合は、土地、建物ともに売主から買主に所有権が移るため、それぞれについて所有権移転登記を行う。新築住宅の場合、土地については売主から買主への所有権移転登記になる。一方、新築の建物は初めて登記簿に記載されるので、「所有権保存登記」という別種の登記となる。

所有権移転登記は売買のほか、相続や贈与などで土地や建物の所有者が変わる場合にも行う。また所有権移転登記や所有権保存登記をする際には「登録免許税」という税金がかかる。

新規分譲物件

新規分譲物件とは、販売する住戸(住宅)や区画やその価格、販売開始日(申込受付の日程)などが決定し、「本広告(新規分譲広告)」を行っている物件のこと。新築マンションや一戸建て、宅地の分譲広告を行う際、販売の段階によって、広告の種類が異なる。
これに対し、販売住戸(住宅・区画)や価格、販売開始日などが未定の時点で出される広告を「予告広告」といい、その広告上では「分譲(販売)予定物件」と表示されるのが一般的。なお、予告広告では以下を表示する必要がある。
1予告広告である旨
2価格が未定である旨、または、予定最低価格と予定最高価格および予定最多価格帯
3販売予定時期
4本広告を行うまでは契約または予約の申込みに一切応じない旨、および、申込みの順位の確保に関する措置を講じない旨
5予告広告をする時点において、すべて予定販売戸数を一括して販売するか、または、数期に分けて販売するかが確定していない場合はその旨
6当該予告広告以降に行う本広告において、販売戸数を明示する旨
また、販売開始日が過ぎて、いつでも申し込める物件は一般的に「分譲中物件」という。

事業主

事業主とは、宅地造成や住宅建設などの事業を企画、実施する主体のこと。事業主が売主となって不動産を分譲するのが一般的だが、事業主が不動産の全部または一部を、販売を担当する他の事業者に売却し、それを買い受けた事業者が売主となって分譲する場合もある。

軸組み工法

軸組工法とは、柱、梁、耐力壁の軸組と呼ばれる3つの部分から成り立っている工法。軸組には木を用いるのが一般的で、この場合には「木造軸組工法」「在来(ざいらい)工法」とも呼ばれる。軸組工法の住宅は、間取りや屋根形状、内外装の仕上げ材の選択自由度が高い。また、構造計算上に問題がなければ、大空間をつくることも可能。 軸組工法の変形として、ポストアンドビーム工法、ログハウスなどがある。

自己資金

自己資金とは、一般的に手元にある現金のこと(引き出し可能な預金等も含む)をいう。マイホーム購入時には、「頭金(価格から住宅ローン借入額を引いた額)」と「購入諸費用」、「引越し代や家具購入費用」などの入居費用に充てる現金を、「自己資金」から支払うのが一般的だ。

住宅購入・入居に必要な自己資金の目安としては、一般的に「頭金分(物件価格の1割~2割程度)+購入諸費用分(物件価格の5%~10%程度)+入居費用(50万~100万円)」だといわれている。

なお、貯蓄の全額をマイホーム購入の自己資金に使ってしまうと、入居後の病気やケガなど万が一に備えられない。このため、3カ月~6カ月分程度の生活費を手元に残しておけば安心だといわれている。

実測売買

実測売買とは、土地の売買に関する契約方式の一つで、土地の測量を実際に行って正確な面積を出し、その面積(実測面積)によって代金を確定する方式です。実測売買の一種として、暫定的に登記簿の面積による代金で契約しても、後に実測面積との差額を精算する方式をとることもあります。個人間の住宅地の売買などでは実測売買が多く行われています。

土地の契約方式には、このほかに土地登記簿の表示面積によって売買代金を確定し、その後は金額を変更しない「公簿売買」という方式もあります。山林や農地のような広大な土地の売買は、公簿売買によって行われています。また住宅地でも公簿売買を行うケースが多い地域もあります。

地盤調査

地盤調査とは、建物を建てる土地の荷重や沈下に対する強度について調べること。住宅建築のための地盤調査は、その地盤が建築物を安全に支えられるか、支えられない場合は安全に持ちこたえるためにどのような方法で建築すべきかを調査することを目的として行われる。
方法には、比較的規模の大きい建築物の場合に採用されるボーリング調査(標準貫入試験)をはじめ、サウンディング調査、平板載荷試験、液状化判定、土質試験、室内土質試験などがある。それらのうち、住宅の地盤調査では先端がスクリュー状になった棒を回転貫入させるスウェーデン式サウンディング方式(SS方式)が一般的だが、調査精度を高めるために、2つ以上の方法を組み合わせて行うこともある。

住居専用地域

住居専用地域とは、用途地域で指定されている「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」の4つで、主に住宅の良好な住環境を守るために指定された地域のことです。
「第一種低層住居専用地域」には、床面積の合計が50m2までの住居を兼ねた一定条件の店舗や、小規模な公共施設、小・中学校、診療所などを建てることができます。「第二種低層住居専用地域」には、床面積の合計が150m2までの一定条件の店舗、小規模な公共施設、小・中学校、診療所のほか、コンビニの建築も可能です。
「第一種中高層住居専用地域」は、マンションなどの中高層住宅にかかわる良好な生活環境を保護するために定めた地域のことで、それと同じ条件で中規模な店舗や生活利便施設の立地を認めているのが「第二種中高層住居専用地域」です。

住居地域

住居地域とは、用途地域で指定される地域のうち、「第一種住居地域」「第二種住居地域」「準住居地域」の3つのことです。主に住居の環境を守るために定められています。
「第一種住居地域」は、3000m2までの一定条件の店舗、事務所、ホテルなどや小規模な工場が建てられます。「第二種住居地域」は、10000m2までの一定条件の店舗、事務所、ホテル、小規模な工場のほかに、パチンコ屋、カラオケボックス等の建築も可能です。
「準住居地域」は、幹線道路沿いが指定されることが多く、沿道の業務施設の利便を図りつつ、利便性と調和した住居環境の保護を目的としています。建築物は、10000m2までの一定条件の店舗、事務所、ホテル、小規模な工場、パチンコ屋、カラオケボックス、小規模の映画館や車庫・倉庫も可能です。

住宅瑕疵担保履行法

住宅瑕疵担保履行法とは、新築住宅を販売する宅地建物取引業者や新築住宅の建設を請け負う建設業者に、「瑕疵担保責任の履行のための保険への加入」または「保証金の供託」を義務付ける法律。

「住宅瑕疵担保責任保険」は、新築住宅の売主等が国土交通大臣の指定する保険法人との間で保険契約を締結し、瑕疵が判明した場合、その補修費用等が保険金によりてん補される制度。瑕疵が判明した時点で売主等が倒産している場合、買主等は保険法人に直接保険金を請求できる。また、保険加入の住宅はトラブルの際に紛争処理制度が利用できる(申請手数料1万円)。

「保証金の供託」は、瑕疵が判明したときに、売主の倒産などにより補修が困難な場合に備えて、現金等を法務局などの供託所に預けておく制度。

宅地建物取引業者や建設業者は、年2回、保険契約の締結や保証金の供託の状況を、国土交通大臣または都道府県知事に届け出る義務がある。また、新築住宅の売買契約や住宅の工事請負契約の際に、「保険への加入または保証金の供託」の内容を記載した書面を買主(または建築主)に交付することが義務付けられている。

住宅ローン

住宅ローンとは、原則として、自分が住むための住宅を購入・新築する個人に対して、金融機関が行う融資のこと。融資額が数千万円単位になることもあるため、教育ローンや多目的ローンなど、個人を対象とした他のローンに比べて金利が低く、最長返済期間が35年(50年のローンもある)と長いのが特徴。

住宅ローンには、民間金融機関が直接融資を行う「民間住宅ローン」、住宅金融支援機構と民間金融機関の提携による「【フラット35】」、財形貯蓄を行っている人が受けられる「財形住宅融資」などがある。

民間住宅ローンは、都市銀行、地方銀行をはじめ、信託銀行や信用金庫、農業協同組合なども取り扱っている。また、金融機関の窓口で申し込む商品のほか、インターネットで申し込める商品もある。

住宅ローン減税

住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用して、住宅を新築・購入・リフォームした場合に受けられる「住宅ローン控除」などの税制のことをいいます。

住宅ローン控除は、一定要件に該当する住宅の新築・購入・リフォーム等を行う場合に受けられる制度です。年末の住宅ローン残高の一定割合に相当する金額が10年間にわたって(リフォームの場合5年間)、所得税と住民税の一部から控除される制度です。新築の場合、「一般住宅」と、省エネ性や劣化対策がとられている「認定長期優良住宅」とでは、控除対象限度額や控除率が異なります。なお、住宅ローン控除を受けるためには、新築等をして入居した翌年に確定申告を行う必要があります。

住民税

住民税とは、市町村民税(23区では特別区民税)と都道府県民税の総称。
個人に課す「個人住民税」と法人に課す「法人住民税」がある。
個人法人税には、前年の所得金額による累進課税の「所得割」と、定額課税の「均等割」を合算して納めることになっているが、
所得割の税率については、2007年(平成19年)以降は、課税所得金額に関係なく、一律に都道府県民税4%、市区町村民税6%の合計10%の税率を掛けることになった。
一方の均等割については、都道府県民税が年額一律1000円、市区町村民税が年額一律3000円となっている。
なお、専業主婦や学生、生活保護を受けている人、前年所得が一定金額以下の人などは非課税の場合もある。
納付については、1月1日現在の住所地の市町村に、前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得に対する課税額を納めることになる。
よって、1月2日以降に他の市町村に転居したとしても、1月1日現在で居住していた市町村に全額を納付する。

住民票

住民票とは、住民基本台帳法に基づき、個人単位の住民の氏名や出生年月日、性別、世帯主との続柄、住所などの事項を記載した記録票。これを世帯ごとに編成、作成したのが住民基本台帳。住民票の写しは、住民登録している市区町村長に交付請求する。

重要事項説明

重要事項説明とは、不動産会社等(宅地建物取引業者)が土地・建物の売買や仲介などをする際に、「契約前に行うことを義務付けられている説明」のことです。重要事項説明では下記の内容が説明されます。説明担当者は宅地建物取引士で、重要事項説明書に記名・押印し、説明時には宅地建物取引士証を提示しなければなりません。

【重要事項説明の主な内容】

■対象物件の確認
◇物件について-物件の所在地や面積、所有者などの権利関係
◇法令上の制限について-用途地域や建ぺい率など各種の法令に基づく制限事項
◇土地と道路の関係、水道・電気・ガスなどの整備状況(主に一戸建て)、管理や修繕計画について(マンション)
◇敷地や建物の状態について
■契約内容について
◇手付金の金額や保全措置について
◇契約解除、損害倍書が必要なケースなどについて
◇瑕疵担保責任、供託や保険加入等について
◇そのほか、特記事項などについて

準工業地域

準工業地域とは、「用途地域」の一種。この地域は、中小企業の振興・育成等を目的とし、住宅や商業施設と中小の工場が混在する地域で、昔ながらの職人町や町工場街などがその対象地域として想定されている。
また、流通関連施設が立地される区域についても指定の対象となっている。用途制限は商業地域に次いで寛容で、商業地域では禁止されている工場の立地をある程度許容している。
この地域では、住宅を考慮し、建ぺい率と道路斜線が住居系地域に準じており、ほかは近隣商業地域と変わりない。住宅、学校、病院のほか、一般的な商業娯楽施設、危険性や環境悪化のおそれがのない一定規模以下の工場などが建てられる。また、大型店舗等の立地規制・誘導を図るため、特別用途地区により制限を加えているところもある。

準住居地域

準住居地域とは、用途地域の一つで、道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。主に幹線道路沿いのエリアが準住居地域に指定されるケースが多く見られます。
建築できる建物は、住宅、共同住宅、下宿 、公共施設・病院・学校等や、10000m2以下の店舗、事務所、展示場、ホテル・旅館、マージャン・パチンコ屋、カラオケボックスや、客席200m2以下の劇場、映画館、演芸場、観覧場等です。
建ぺい率は50%、60%、80%のいずれかです。容積率は100%、150%、200%、300%、400%、500%のいずれかですが、接続する道路の幅員が12m未満の場合、道路の幅員から10分の4乗以下、または都市計画で決定されたものでは10分の6乗以下にしなければならないという決まりがあります。

準耐火建築物

準耐火建築物とは、耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造、またはそれと同等の準耐火性能を有するもので、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等を有する建築物のこと。
なお、準耐火構造と同等の準耐火性能を有するものとして、外壁耐火構造と主要構造部不燃材料がある。
※準耐火構造とは、
壁、床、柱等の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能の基準に適合する構造で、国土交通大臣が定めたもの、または国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
準耐火性能とは、通常の火災による延焼を抑制するために必要とされる性能で、火熱が加えられた場合に、加熱開始後、表に示された時間において構造耐力上支障のないものをいう。

準都市計画区域

準都市計画区域とは、都道府県が指定する区域で、都市計画区域外の区域のうち、無秩序な開発や建築等をそのまま放置すれば、将来、都市としての整備・開発・保全に問題が生じると認めた区域のことです。区域の範囲は、都道府県が関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴いたうえで指定します。
準都市計画区域では、3000m2以上の規模の開発行為を行う場合、原則として都道府県知事から開発許可を、建築物を新築や増改築移転する場合は、特定行政庁に申請して建築確認を受ける必要があります。また、10000m2以上の土地取引については、国土利用計画法に基づく届出を行わなければいけません。

準防火地域

準防火地域とは、一般に、「防火地域」は建築物が密集する市街地の中心部や幹線道路沿いに指定され、「準防火地域」は防火地域の周辺の住宅地に指定される。準防火地域内では、2階建て以下で延床面積500m2以下の場合は木造住宅を建設することが可能である。しかし3階建て以上、あるいは延床面積が500m2超えの場合には、耐火建築物や準耐火建築物等にしなければならない。

浄化槽

浄化槽とは、下水道の最終処理施設並みの汚濁物質の除去能力を備えた下水処理施設で、「ミニ下水処理場」とも呼ばれている。
住宅建設の際は、建築確認申請書に添えて「浄化槽設置届」を提出し、リフォーム時には「浄化槽設置届」を保健所などに提出しなければならない。また、全国の8割近い自治体で浄化槽設置に対する補助金交付制度を設けている。
浄化槽には各種方式があるが、もっとも一般的なのが「嫌気ろ床接触ばっ気方式」と呼ばれるものだ。

■嫌気ろ床接触ばっ気方式の仕組み
(1)汚水中の浮遊物を分離・貯留し、嫌気性微生物(酸素のないところで働く微生物のこと)が、有機物を分解。
(2)空気を十分に送り込んだ接触ばっ気槽で、接触材に付いて増殖した好気性の微生物が汚れを分解する。
(3)汚れを浄化した微生物の固まりを沈殿させる沈殿槽や消毒槽を通してきれいになった下水を、川などに放流する。

譲渡所得

譲渡所得とは、土地や建物など資産を売却したことで得る所得のこと。土地や建物の売却価格から取得費用と譲渡に関わる諸費用を差し引いた額で、譲渡所得に対しては所得税や住民税がかかる。なお、「取得費用」とは購入時の代金と手数料、購入後の改良費や設備費を指し、「譲渡費用」とは売却時の手数料等のことである。
資産の所有期間が、譲渡した年の1月1日時点で5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年を超える場合は「長期譲渡所得」といい、その税率は以下のとおり。
(1)5年以下(短期譲渡所得)
・居住用、非居住用ともに39.63%(所得税30.63% 住民税9%)
(2)5年超(長期譲渡所得)
・居住用 20.315%(所得税15.315% 住民税5%)
・非居住用 20.315%(所得税15.315% 住民税5%)
(3)10年超所有軽減税率の特例
・居住用
課税譲渡所得6,000万円以下の部分14.21%(所得税10.21% 住民税4%)
課税譲渡所得6,000万円超の部分20.315%(所得税15.315% 住民税5%)
・非居住用 20.315%(所得税15.315% 住民税5%)

譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産の売却により生じた所得(利益)に対してかかる税金のこと。
以下の計算式で算出する。
譲渡所得税=課税譲渡所得×譲渡所得税の税率
また、課税譲渡所得は以下の計算式で算出する。
課税譲渡所得=売却価格-(購入価格+購入時にかかった諸経費+売却時にかかった諸経費)-特別控除額
なお、以下、譲渡所得税を安くするための3つ特例があるので、適用条件をチェックすること。
・3000万円の特別控除の特例
・所有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例
・買換えの特例

筋かい

筋かいとは、建物の構造を強固にするために、骨組のなか斜めに入れる部材。「ブレース」ともいう。
引張り力に耐える引っ張り筋かいと、圧縮力に耐える圧縮筋かいとがある。木造では圧縮材として柱の2分の1程度の太さの木材が使われ、鉄骨造では引っ張り材として丸鋼やアングルが使用される。筋かいを1つ入れることを「シングル」、2つ交差させて入れることを「ダブル」または「たすき掛け」などと呼んでいる。

成約価格

成約価格とは、土地や建物などの不動産売買において、売主と買主が最終的に合意して決めた契約時の価格(代金)のことで、「取引価格」ということもあります。これに対して、売出時の価格のことは「売出価格」、「登録価格(不動産の情報サイトなどに掲載される価格)」などといいます。

主に中古住宅や土地の売買では、買主が売主に購入を申し込む際に、買主側の希望価格を提示して、この価格を売主が検討の上、双方が合意に至った「成約価格」で契約するのが一般的です。

不動産を売却する際には、不動産仲介会社等に価格査定をしてもらいますが、この際には売出価格ではなく、成約価格が参考にされます。自宅近くの不動産の成約価格を調べたいときは、国道交通省が運営する「土地総合情報システム」の「不動産取引価格情報検索」が利用できます。

施工監理

施工監理とは、設計図面通りに住宅の建設工事やリフォーム工事が行われているか、監督・監理すること。
通常は、建築士の資格を有する設計者またはその協力者が工事監理者になるが、近年、業者などの第三者に委託するケースも出てきている。

施工例

施工例とは、工事を実施した見本のこと。住宅の場合は、実際に家を建てた人の実例のことを指す場合が多い。リフォームなどでは施工された部分を指す。

設計事務所

設計事務所とは、建築物等の設計を主たる業務としている個人または法人格の事務所のこと。
設計事務所には、建築デザイン設計(意匠設計)、構造設計、設備設計、土木設計など専門分野に特化して行っているケースが多い。
なお、設計事務所の開設にあたり、都道府県に建築士事務所登録が義務付けられている。また、事務所には、管理建築士を置く必要がある。
業務は、設計監理契約に基づき、設計図書の作成のほか、建築物等の工事監理、その他関連業務を行う。

セットバック

2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。

セットバック

セットバックとは、都市計画区域内で建物を建てるときに、建築物を道路の境界線から一定の距離だけ後退させること。具体的には、次の3つのケースがある。
(1)敷地に接している前面道路が幅員4m未満の場合の宅地に建物を建てるときは、道路の中心線から2m以上後退させる。道路の反対側が崖や川などのときは、崖側の道路の境界線から4m以上後退させる。
(2)壁面線が定められている道路に面している宅地に建物を建てるときは、その壁面線まで後退させる。
(3)建築基準法上の道路斜線制限によって、中高層建築物の一部を後退させる。

接道義務

接道義務とは、都市計画区域内で建物を建てる場合、原則として幅員4m(特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域は6m以上)の建築基準法上の道路に、2m以上接した敷地(土地)でなければならないと定めている。そのため1つの土地を分割して販売する場合などでは、道路から離れた奥まった土地の一部を敷地延長させ、ギリギリ2mだけ道路に接するようにしているケースが多い。ちなみにこうした形状の土地を「旗竿状地」といい、旗竿の竿の部分が敷地延長した道路に当たる。また、旧市街地内の土地を購入する際に多いのが、敷地に接している道路の幅が4mに満たないケースである。この場合は、道路の中心線から2m敷地の縁を後退させなければならない。これを「セットバック」という。

接道義務の緩和

接道義務の緩和とは、建築物の周囲に広い空地がある場合や、それと同様の状況にある場合で、安全上支障がないと認められた場合には、必ずしも2m以上道路に接していなくてもよいと、建築基準法では定めている。ただしこの場合の空地とは、将来的にも空地として確保できる公園や広場などの公共用地を指す。いずれも建築審査会の同意の上で、特定行政庁(原則として人口25万人以上の市の長)が許可することになる。

専属専任媒介

専属専任媒介契約とは、自宅などを売却する際、買い手探しや買い手との取引条件の調整、契約事務などの「仲介業務」を依頼する契約を不動産仲介会社と結ぶ「媒介契約」の種類のひとつ。
専属専任媒介契約は、以下の条件が付いたものをいう。売主側が条件に反した場合、違約金などを請求されることがある。一方、不動産会社も以下の義務を負う。

■専属専任媒介契約の条件(売り主側)
・他の不動産仲介会社に、重ねて仲介を依頼しないこと(専任媒介契約)
・自分で買い手を見つけた場合も、依頼した不動産会社を通して取引すること(自己発見取引の禁止)
■不動産仲介会社の義務(法規制されている)
・売却物件を指定流通機構に登録すること
・1週間に1回以上、販売活動の状況などを売り主に報告をすること
・契約の有効期間を3カ月以内とすること

媒介契約にはこのほか、「専任媒介契約」と「一般媒介契約」があるが、専属専任媒介契約はこの中で一番、拘束力の強い契約である。

専任媒介契約

専任媒介契約とは、所有する不動産を売却する際、買い手探しや買い手との取引条件の調整、契約事務などの「仲介業務」を依頼する契約を不動産仲介会社と結ぶ媒介契約のひとつ。
「依頼者(売主)は他の不動産仲介会社に、重ねて仲介を依頼しないこと」という条件が付いたもの。売主側が条件に反した場合、違約金などを請求されることがある。
一方、不動産仲介会社も、「売却物件を指定流通機構に登録する」、「2週間に1回以上、販売活動の状況などを売主に報告する」、「契約の有効期間を3カ月以内とする」ことが義務付けられている。売却を1社だけに依頼するため、依頼された不動産会社の売却活動にもおのずと力が入りやすい傾向にある。
媒介契約にはこのほか、「専属専任媒介契約」と「一般媒介契約」がある。

占有権

占有権とは、「自己のためにする意思をもって“物”を所持すること(占有)」によって取得する、その“物”に対する権利のことをいいます(民法第180条)。

例えば、Aさんがある住宅に居住している場合、Aさんはその土地と家、家財道具に対して占有権をもつと認められます。そして、その占有権は、住宅の購入や賃借など適法な手段に基づくものだと推定されます(民法第188条)。この場合、実はその住宅の所有権はBさんにあるとしても、Bさんがそれを法的に証明できなければ、Aさんに対して所有権を主張し、家の明け渡し等を求めることはできません。

また、Bさんがその住宅の所有権が自分にあることに気づかないまま、Aさんが20年間(※)、所有の意思をもって、平穏かつ公然とその住宅を占有した場合、Aさんはその住宅の所有権を取得することができます(民法第162条/所有権の取得時効)。

※占有開始のときに、善意かつ過失がなかった場合の取得時効は10年間と定められている

専有部分

専有部分とは、マンションなど一棟の建物に構造上区分された数個の部分が独立していて、住居や店舗、事務所等の用途にすることができるとき、それぞれ「単独に所有する部分」のこと。また、専有部分の面積のことを「専有面積」という。
ただし、バルコニーや玄関ポーチ、専用庭などは、各区分所有者のみが使用できるスペースであるが、「共用部分」として定義されており、専有面積には含まれない。
なお、マンションは、この「専有部分」のほか、エントランスや階段、廊下などの「共用部分」とで構成される。専有部分は、一般の所有と同様に扱われるが、一棟の一部であることから共同の利益に反するような使用は許されないとされている。
また、共用部分については、専有部分の床面積の割合で持分を有し、共同で使用することになる。これを共有持分権という。

専有面積

専有面積とは、マンションなどの集合住宅で、区分所有者に所有権が認められている部分(専有部分)の面積のこと。専有面積にはバルコニーや玄関ポーチなどの面積は含まれない。
専有面積の算定方法については、住戸を囲む壁の厚みの中心線を結んでその内側を面積とする「壁心計算」と、壁の内側の部分だけを面積とする「内法計算」の2通りがある。壁の厚みが含まれていない分、「内法」面積のほうが「壁心」面積よりも少し小さくなる。
建築基準法では床面積について「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」と規定しており、新築マンションなどの販売広告ではたいてい「壁心」面積が記載されている。一方、不動産登記法では、マンションの床面積は「内法」の考え方で算定することになっているため、登記簿上の面積は「内法」面積となっている。
気をつけたいのは、住宅ローン控除や登録免許税などの軽減措置を受けたいとき。例えば住宅ローン控除の要件のひとつに「床面積が50m2以上」とあるが、これは登記簿上の面積(内法面積)を指す。したがって、販売広告に専有面積52m2と書いてあっても、内法面積では50m2を下回ってしまい控除を受けられない、ということもあるので、注意が必要だ。

相続

相続とは、人が亡くなったときに、配偶者や子などが遺産を引き継ぐこと。
亡くなった人のことを「被相続人」、遺産を引き継ぐ人を「相続人」という。
なお、マイナス財産(負債等)も引き継がれることになる。
相続人は、遺言状にある相続人が最優先となり、なければ、民法が定めるところの配偶者および次の順位に準ずる。
1.子(既に死亡している場合は孫、孫も死亡している場合はひ孫)
2.親(既に死亡している場合は祖父母)
3.兄弟姉妹(既に死亡している場合は甥姪)
なお、相続人が行方不明の場合、消息不明となってから7年経過したら、家庭裁判所から失踪宣告を受け、「死亡」して扱われる。
また、遺産分割や名義変更に期限はないが、相続放棄や税金の申告には期限がある。
・相続の放棄・限定承認:相続発生から3カ月以内 
・所得税・消費税の準確定申告:相続発生から4カ月以内 
・相続税の申告:相続発生から10カ月以内

相続税

相続税とは、亡くなった人から財産をもらった際にかかる税金(国税)のこと。
(1)相続財産(総遺産額):一定基準に従って評価・算出
(2)基礎控除:3000万円+(600万円×相続人数)
(3)課税対象となる遺産総額:(1)-(2)
(4)相続税総額:一旦、各相続人に法定相続した場合の課税価格、相続税額を算出し、各人の税額を合計
(5)実際の各人の税額:(4)を実際の按分率で計算し、配偶者税額軽減等の額を除いて税額確定

なお、申告納税は、死亡発覚日の翌日から10カ月以内に被相続人の住所地の税務署にしなければならない。

相続登記

相続登記とは、被相続人(=相続される人、不動産の所有者)が亡くなり、相続が発生したときに被相続人が所有していた建物や土地などの不動産の名義変更手続きのこと。
相続登記は法律上、行わなければならない期限や罰則はないが、その権利を確定しておかないと相続人間でトラブルになる可能性があるため、早めに行っておいたほうがよい。
通常、法定相続分と異なる相続分の不動産を相続した場合、相続登記をしていないと、第三者に当該不動産の所有権を主張することができない。よって遺産分割協議により、不動産を相続する場合は、この相続登記はかならず行うこと。
仮に、父、長男、次男、そして長男に子が5人いたとすると、父が亡くなった際に相続登記をせずにそのままにしていた場合、長男が亡くなってさらに相続が発生すると、遺産分割協議は次男と長男の子5人の合計6人でしなければならなくなり、相続手続きや合意形成が非常にむずかしくなる等の弊害が出てくる。
なお、不動産以外の預貯金や国債、株式などの債券、あるいは美術品や骨董品は相続登記の対象外となる。

損害保険

損害保険とは、賃貸物件に入居するにあたって、借主が損害保険に加入することを条件としている場合がある(SUUMO賃貸では、損保欄に「要」と記載)。
いわゆる「家財保険」と呼ばれるもので、内容としては、
・住居内の破損等の補償
・漏水等による近隣住人への損害補償
・自身の家財に対する補償
・火災等によるオーナー、近隣住人に対する補償
などが含まれているのが一般的。保険期間や保険料に関しては、各情報提供会社に確認を。

損害賠償

損害賠償とは、契約違反や不法行為があった場合に、それを原因として発生した損害を補填(ほてん)すること。原則として損害賠償は金銭で行う。
不動産売買や工事請負契約では、契約時点で、「一定の契約違反に対する違約金」や「損害賠償の予定額」を決めておくことが多い。この場合、売り主が不動産会社などの宅地建物取引業者で買い主が個人の場合には、契約で定める違約金と損害賠償金の総額は、購入代金の2割を超えてはならないと定められている。
一方、不動産の売買契約で売り主が不動産会社の場合や、工事請負契約を結ぶ場合において、引き渡された住宅に瑕疵(かし)があった場合には、買い主や依頼主は、瑕疵部分の補修や損害賠償を請求することが認められている。これを売り主の「瑕疵担保責任」という。

造成地

造成地とは、森林や農地など(宅地以外の土地)を住宅地などにするため、必要な工事を施した土地のこと。「造成宅地」ともいう。造成地を整備するための工事のことを「宅地造成」といい、土地の状況に応じて、切土・盛土・整地などの方法がある。なお、宅地造成において、押さえておきたいのが、宅地造成等規制法である。これは、都道府県知事等が、宅地造成に伴ってがけ崩れや土砂災害などが生ずる恐れが大きい市街地等について、災害を防ぐのに必要な措置を講じた一定基準以上の宅地造成工事を義務付ける地域(宅地造成工事規制区域)を指定することができるというもの。
「一定基準以上の宅地造成工事」とは、
・切土の場合、高さ2mを超える崖を生じる工事
・盛土の場合、高さ1mを超える崖を生じる工事
・切土・盛土を同時に行うとき、盛土が1m以下でも切土とあわせて高さが2mを超える崖を生じる工事
・切土・盛土による高低差に関係なく、宅地造成面積が500m2を超える宅地造成工事
なお、上記でいう「崖」とは、地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地のことで、硬岩盤(風化の著しいものを除く)以外のものをさす。

増築・改築工事

増築・改築工事とは、まず「増築工事」は、建築物の床面積を増加させる工事のことをいう。同一棟で行っても、別棟で行っても、建築基準法上は増築工事である。
対して、火災などで滅失した建築物や施主の都合で除去した建築物を、以前の用途(居住用など)、規模、構造とそれほど変わらない建築物として建て直すことを「改築工事」と呼んでいる。
一般に防火・準防火地域以外の地域に建っている建築物で、増・改築工事の床面積の合計が10m2以内の場合には、建築確認申請は不要である。一方、防火地域・準防火地域内の建築物で増・改築工事を行う場合には、床面積の広さに関わらず建築確認申請が必要だ。

贈与

贈与とは、現金や不動産、貴金属品などを無償で与えることです。与えた物に対し、現金や物などの対価を受け取る場合には売買、交換になります。

1人の人が、個人から、1年間に110万円の控除額を超える額の贈与を受けると贈与税がかかります。なお、複数の個人からもらう場合も控除額は110万円です。また、法人から贈与を受ける場合は、贈与税はかからず所得税の対象となります。

住宅の購入、新築、増改築などに使うお金を親や祖父母から贈与してもらう場合は一定額まで非課税となります(住宅取得資金等の贈与の特例)。また、生前贈与された分(2500万円までが限度)を相続時に精算する「相続時精算課税制度」を選択することもできます。

贈与税

贈与税とは、1年間に110万円(基礎控除額)を超える現金や物品の贈与を受けた場合、その贈与財産に対して課せられる国税を「贈与税」という。同税は、「贈与を受けた人」が、「贈与額-基礎控除額」に一定の税率をかけた額の税金を納めるというもの。相続税よりも税率が高いのが特徴だ。
例えば、親や祖父母などから贈与を受ける場合、課税価格(基礎控除後の贈与額)が1000万円超え1500万円以下の税率は40%。1500万円の贈与を受けた人は、「1500万円-110万円(1390万円)」に40%を乗じた額(556万円)を納めることになる。
なお、住宅の購入、新築などのために親や祖父母(直系尊属)から資金贈与を受ける場合、一定額まで贈与税が非課税になる「住宅取得等資金贈与の特例」が受けられる。

 

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た行

仲介手数料

宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。

定期借家契約

平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。

テラスハウス

2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。

 

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な行

2項道路

2項道路とは1950年(昭和25年)11月23日以前から建物が立ち並んでいる道で、特定行政庁が道路として指定したもの。

建築基準法42条2項に定められた道路なのでこう呼ばれ、「みなし道路」ともいう。幅員4m未満でも建築基準法上の道路とみなされ、道路の中心線から2m後退したところに、道路境界線があるとみなされる。ただし、1992年(平成4年)の法改正以降、特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域では、道路の中心線から3m後退したところが道路境界線とみなされる。2項道路に接した敷地に建物を建築・再建築する際には、規定の幅員を確保するため、セットバックが義務付けられている。

二世帯住宅

二世帯住宅とは、親の世帯とその子どもの世帯がひとつ屋根の下で暮らすために考慮された住宅のこと。

玄関や浴室、キッチンなどを共有することもあるが、互いのプライバシーを守るため、玄関を別々に設けたり、それぞれがキッチンや浴室を持つこともある。共用タイプ、完全分離タイプ、一部共用タイプの3種類のタイプに分類できる。

認定

認定とは、国および特定行政庁(原則として人口25万人以上の市の長)が建築基準法に基づいて行う「認定」には、
(1)公の機関が資格や事実の有無、物事の程度などを確認すること
(2)許可に近い性質の行為、という2つの意味がある。
例えば、国土交通大臣が行う「形式適合認定」などは(1)の認定の1種である。また、原則的に建設が禁止されている地域で、「安全上・防火上・衛生上支障がない」という理由で建設を認めるなどが、(2)の認定となる。特に(2)の認定では、建築審査会等の第三者機関の同意を求める必要がないのが、「許可」との大きな違いである。

布基礎

布基礎とは、木造住宅の外壁や間仕切り壁の下に設けた帯状の連続基礎のこと。
鉄筋コンクリートによる「連続フーチング」構造になっている。ちなみにフーチングとは、建物の荷重を分散させる基礎部分の広がりのことで、「T」字を逆さにした形状をしている。またフーチングの上部(I字の部分)に根太や大引き、梁などを乗せて床組を構成する仕組みである。

根抵当権

根抵当権とは、ある不動産を担保としたとき、この不動産を担保に「上限額(=極度額)」と「債権の種類」を決め、この範囲内で何度もお金を貸し借りできる権利のこと。抵当権の場合、「特定債権」を負担するにあたり、不動産に設定する担保権なので、1つの借入案件にしか設定できないが、根抵当権の場合、「一定の範囲の不特定の債権」に対して設定することができるというもの。例えば、ある不動産を担保にした場合、これを担保に極度額を決め、この範囲内なら別の用途でお金を貸し借りできるようになる。根抵当権を活用するメリットは、追加融資を受けるときに手続きの必要がなく、抵当権設定登記費用が削減できることなどが挙げられる。
なお、極度額は担保評価額の110%で設定する場合が多い。

年金

年金とは、社会全体で高齢者の暮らしを支える仕組みのこと。

日本では「国民皆年金」の考えのもと、20歳から60歳までの全国民に国民年金の加入義務があり、65歳から年金(老齢基礎年金)の給付を受けられる。年金には老齢基礎年金以外に障害基礎年金、遺族基礎年金があり、会社員、公務員は国民年金に加えて厚生年金にも加入し、この2つを「公的年金」という。これに対し、民間保険会社が運営するものは「民間年金」と総称。

例えば65歳以上も高額な家賃の支払いが続くなど、老後の住居費が高額になる場合、年金だけでは生活が支えきれないことも。マイホームを買うか賃貸住宅に住み続けるかを考える際は、こういった老後の収支まで考えることが必要だといわれている。

納税通知書

納税通知書とは、地方税の税額や納付時期などを納税者に知らせる文書で、市区町村から郵送されます。地方税には、住民税(区市町村民税や都道府県民税)のほか、土地や建物の所有者にかかる固定資産税、都市計画税などがある。

「固定資産税」、「都市計画税」は、土地や建物の1月1日時点の所有者にかかる税金で、一般的には毎年4月から6月ごろに、納税通知書が送付されます。固定資産税・都市計画税は、1年分を4期に分けて納付する方法も選べるため、納税通知書には4期分の納付書と一括払い用の納付書が同封されています。

また、税額計算の根拠となる固定資産税評価額などが記載された「課税明細書」も同封されているので、確認してみましょう。

農地

農地とは、「耕作の目的に供される土地」のこと。
なお、「耕作」とは、土地に労資を加え、肥培管理を行って、作物を栽培することをいい、基本的に土地の登記の地目が、田か畑の土地のこと。また、果樹園や牧草栽培地、苗圃、わさび田、はす池等も肥培管理が行われている限り、農地とされている。農地では、基本的に農地法が適用されることになる。
また、現時点で耕作されていない状態であっても、客観的に見て、土地の状態が耕作の目的に供されるものと認められる土地(すぐに耕作に移行できるような休耕地や不耕作等)も含む。
長期間放置されていたため、雑草等が生育し、容易に農地に復元し得ないような状況にある場合には原野、または雑種地と判定し、農地には該当しない。

農地転用許可

農地転用許可とは、農地を他の用途に転用する際の許可に関する規定のこと。
優良農地の確保と計画的土地利用の推進を図るため、農地を農地以外のものに変更する場合や農地を農地以外のものにするため所有権等の権利設定をしたり、移転を行う場合には、農地法上、原則として都道府県知事の許可が必要となる。
ただし、4haを超える場合は農林水産大臣等の許可が必要となる。また、国や都道府県が転用する場合等は許可が不要などの取り決めがなされているが、学校、社会福祉施設、病院、庁舎又は宿舎のために転用する場合には、許可権者と協議を行い、協議が整った時点で許可を受けたものとみなされる。また、市街化区域内の農地転用については、農業委員会への届出制となっている。

農地法

農地法とは、農業生産の基盤である農地を確保し、食料の安定供給の確保に資するため、農地の転用の制限や農地の利用関係の調整、農地の農業上の利用を確保するための措置などを講ずることによって、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図ることを目的とする法律。1952年(昭和27年)に制定された。主に次の内容について定めている。

■農地転用許可制度
・農地を他の用途に転用する場合、または農地を転用するため権利の移転等を行う場合には、原則として都道府県知事または指定市町村の許可を必要とする。所定の場合を除いて、市町村の農業委員会の許可を必要とする。市街化区域内農地の転用は農業委員会への届出制とする
■農地等の利用関係の調整などについて
・農地等を賃貸借して農業を営む人の地位を安定させるため、賃貸借の対抗力、賃貸借の法定更新、賃貸借の解約等の制限などについて特例を設けている

延面積

延べ面積とは、建物の各階の床面積の合計のこと。一般に「延床面積」と呼ばれることが多いが、正式には「延べ面積」という。この延べ面積は、確認申請手数料の算定や、不動産登記等の基礎になるものである。

延べ床面積

延べ床(のべゆか)面積とは、建物の各階の床面積の合計のことをいいます(各階の床面積は、建築物の各階またはその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積)。床面積は一般に「延べ床面積」と呼ばれることが多いのですが、建築基準法では「延べ面積」といいます。延べ床面積は、確認申請手数料の算定等の基礎になります。

なお、マンションの場合、不動産登記上の面積や住宅ローン控除など一部の税制の優遇措置の条件となる面積については、各階の壁の内側部分を測定した「内法(うちのり)面積(登記簿面積)」が基準となります。

延べ床面積は、このほか容積率(建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合)の計算の基礎にもなります。ただしこの場合、一定の条件に合う部分を延べ面積に算入しないなどの規定があるため、実際の延べ床面積より小さい数値になることもあります。

 

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は行

ハウスメーカー

ハウスメーカーとは、広範囲な営業網をもつ大手住宅メーカーのこと。部材の生産から設計、施工にいたるまで、工場生産化率を高めてシステム化されている。土地探しや資金計画、アフターサービスまで、家づくり全般にわたるサービスを行っているのが特徴。

ハザードマップ

ハザードマップとは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したもの。主なハザードマップには、次の5つがある。

(1)河川浸水洪水マップ/河川の氾濫や水害などの浸水予想地域と避難場所等を記載している
(2)土砂災害マップ/土石流の発生や崖崩れなどの予想地域と避難場所等を記載している
(3)地震災害マップ/地震によって液状化現象や大規模な火災が発生する範囲と避難場所等を記載している
(4)火山防災マップ/火口が出現する地点(範囲)や、溶岩流などの到達範囲、火山灰の降下範囲などを記載している
(5)津波浸水・高潮マップ/浸水地域や高波時の通行止めの箇所などを記載している

媒介

媒介とは、不動産の取引で、売主と買主の間に立って両者の契約を成立させること。「仲介」ともいう。売却物件の販売活動(広告等)、契約条件の調整、契約書類の作成、重要事項説明、契約から引き渡しまでの事務手続きが主な業務。
不動産広告に「取引態様/仲介」と記載されているときはこの形がとられ、「仲介手数料」が必要となる。
不動産会社に媒介を依頼する際には、土地・建物の売主が、複数の不動産仲介会社に買主探しを依頼できる一般媒介契約のほか、1社の不動産会社にのみ依頼する専属専任媒介契約、自分で見つけてきた相手方と直接取引ができる専任媒介契約がある。この2つの媒介契約については、売却を依頼された不動産会社は、「売却物件を指定流通機構に登録する」、「2週間に1回以上、販売活動の状況などを売主に報告する」、「契約の有効期間を3ヶ月以内とする」ことが義務付けられている。

媒介契約

媒介契約とは、不動産仲介会社など(宅地建物取引業事業者)に、土地や中古マンション、新築・中古の一戸建ての、売買や賃貸借などのなかだちを依頼する契約のことをいいます。

媒介契約に基づく仲介会社の主な業務は、「契約の相手の探索」「重要事項説明書の作成と重要事項の説明(買主の場合)」「契約書の作成」「引き渡しまでの業務の補助」の4つです。

契約の相手の探索は、売主の場合、売却物件の情報を不動産情報サイトや情報誌、折り込みチラシなどに掲載して、広く買主を探すことで、こういった売却活動の報告を定期的に行う旨が媒介契約書に明記されるのが一般的です。

一方、買主の場合、条件に合う売却物件情報の提供や物件見学の手配、物件の調査、重要事項説明などが業務となります。

このほか、物件の申し込みから引き渡しまでの間、売主と買主の間に入って、売買代金や手付金の額、引渡時期などについて、双方の意見を調整して合意に導くのも重要な仕事です。

仲介手数料の金額は「物件価格の3%+6万円+消費税」以下と定められていて、一般的に契約時と引渡時に半金ずつ支払うのが一般的です(契約が成立しない場合、仲介手数料を支払う必要はない)。なお、媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つがあります。

バリアフリー

バリアフリーとは、住宅や公共施設、また商業施設やホテルなど多くの人々が使用する建築物において、障害者や高齢者などが生活、活動する上で障壁(バリア)となる部分を取り除くこと(Barrier Free)。以下のような配慮(工事)がなされた住宅を「バリアフリーデザイン住宅」という。

(1)玄関や上がり框などを除いて、住戸内の段差を極力解消する
(2)居室や廊下、階段、浴室やトイレなどに滑りにくい床材を使用する
(3)玄関や室内の出入口の段差解消と十分な幅を確保する
(4)介護しやすいように、あるいは車イスに乗ったままでスムーズに出入りできるように、トイレや浴室、洗面所などの広さを確保する
(5)玄関や廊下、階段、トイレや浴室、洗面所などの必要な箇所に手すりなどを設置する
(6)トイレや浴室、洗面所などに、ヒートショック(急激な温度差によって心拍数や血圧が上昇すること)を防止するためのエアコンや暖房機器を設置する…など

パネル工法

パネル工法とは、住宅の床、壁、天井などの構造体をパネルとしてあらかじめ工場で製造し、現場で組み合わせて建築するプレハブ工法の一種。
主要構造部の材質によって「木質系パネル」「鉄骨系パネル」「コンクリート系パネル」などの種類がある。パネル工法には、高断熱・高気密で耐震性や耐火性、耐風性に優れている、工場で生産されるために部材の品質にばらつきが少ない、比較的短工期で建設することができる、などの特徴がある。
半面、間取りや外観などのデザインの自由度が低い、パネルを搬送できないという理由で施工場所が制限されるケースがある、などのデメリットもある。

パントリー

パントリーとは、もともとはホテルなどにおいて、食料品等を貯蔵したり配膳を行うために設けた小部屋のことを指した。しかし近年は、一般家庭のキッチン周辺に配置された食品や食器などをストックしておく収納もパントリーと呼ぶようになっている。

日影規制

日影規制とは、中高層建築物によって近隣の敷地に生じる日影を一定時間内に抑えて、近隣の日照を確保し、住環境を保護するための建築基準法上の規制のこと。対象となる区域は、以下10の地域において、地方公共団体が条例で指定する区域内となる。
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・近隣商業地域
・準工業地域
・用途地域の指定のない区域
また、規制を受ける建築物は、「第一種低層住居専用地域」および「第二種低層住居専用地域」と「用途地域の指定のない地域」においては「軒の高さ7mを超える建物、または地階を除く階数が3階建ての建物」、それ以外の地域については「軒の高さ10mを超える建物」となっている。
測定によって、一定の高さ以上の建築物が、冬至の日の午前8時から午後4時まで(北海道のみ午前9時から午後3時まで)の間、その場所に一定時間以上続けて影を生じないように計画することを義務付けたもの。

引き渡し

引き渡しとは、不動産の売買で、土地や建物の所有権を最終的に売主から買主へ移転すること。または、住宅を新築する際に、完成した建築物を建設工事やリフォーム工事の施工会社から建築主や依頼主へ引き渡すこと。具体的には、住宅のカギの受け渡し、各種登記の実行、登記済証の交付などで、売買契約時に支払った手付金以外の残代金の支払いとその確認(決済)が済み次第行われる。
なお、残代金を住宅ローンで支払う場合は、ローン実行のための準備ももれなく行う必要がある。引き渡しの場には、売主、買主、不動産会社、金融機関担当者、司法書士などが一同に集まり、ローンの実行・残金の決済・売主の抵当権抹消、売主から買主への所有権移転、買主の抵当権設定を同時に行うため、手続きのうち一つでも不備があると、その日のうちに残金決済ならびに引き渡しが完了しないケースがまれにあるため、十分に注意して準備する必要がある。

非線引き

非線引きとは、都市計画区域において、市街化区域と市街化調整区域の分類がなされていないこと。また、その分類がなされていない区域を一般的に「非線引き区域」という(都市計画法上では「区域区分が定められていない都市計画区域」という)。
なお、都市計画区域については、「整備、開発または保全の方針」を定めるものとされ、この「非線引き区域」も対象となっており、用途地域を定めることもできる。また、用途地域の定められていない非線引き区域においては、良好な環境の形成・保持を目的とし、人の集中・騒音・振動などを発生させるおそれのある施設等の建設を制限する「特定用途制限地域」を設けることもできる。なお、この特定用途制限地域内における建築物の用途の制限は、都市計画に即して地方公共団体の条例で定められることとなる(建築基準法第49条の2)。

被担保債権

被担保債権とは、担保の元(対象)になった債権のことです。例えば、銀行から住宅ローンを借りる場合、銀行(債権者)は、借りた人(債務者)の返済が滞るなど、債務を果たさない場合に備え、住宅の土地、建物を「担保」とし、抵当権を設定するのが一般的です。この場合、抵当権で保証される債権(銀行が貸した住宅ローン)が「被担保債権」にあたります。

被担保債権については、住宅ローンなど金銭貸借の場合の利息について、「抵当権者が(被担保債権に加えて)利息などを請求する権利を有するときは、満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使できる。ただし、それ以前の定期金(利息等)についても特別の登記をしたときは、その登記の時から抵当権を行使することを妨げない」という内容の規定が民法にあります。

評価額

評価額とは、「固定資産税評価額」ともいい、固定資産税・都市計画税、不動産取得税や相続税などを計算をするときの元になる。土地や建物について、国が定めた固定資産評価基準に基づいて知事または市町村長が決定し、評価額は固定資産課税台帳に登録される。
評価額は原則として3年ごとに見直され評価替えが行われる。
なお、固定資産税は、毎年1月1日現在の土地や家屋の所有者に対して、固定資産税評価額に一定の税率を掛けて算出される。計算式は以下のとおり。
固定資産税=固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)

税額を決める元になる課税標準額は、基本的には固定資産税評価額と同額だが、軽減措置の特例の適用や地価の上昇等で負担調整がある場合は異なる金額になる。
なお、土地の価格にはこの固定資産税評価額のほかに、実勢価格・公示地価・相続税評価額(相続税路線価)があり、「一物四価」ともいわれている。

表見代理

表見代理は、ある人(A)から代理人を頼まれたと称する人(B)が、第三者(C)と取引行為等を行う場合の民法の規定のひとつ。第三者(C)が(B)を代理人だと信じる正当な理由がある場合は、その行為の責任を(A)が負うというものだ。

例えば、住宅の持ち主(A)から売却の代理人を頼まれたと称する(B)が、第三者(C)に住宅を売却する場合、(A)が「(B)を代理人にする」と表示していれば(B)の行為は表見代理とみなされ、(A)はその行為に対して責任を負う(民法第109条)。また、次の場合も表見代理とみなされる

■(A)は住宅売却の代理しか頼んでいないのに(B)がその家の家具まで(C)に売った場合など(権限外の行為の表見代理/民法第110条)
■(A)が(B)に「もう代理はしなくていい」と告げた後に、(B)が代理として(C)に住宅を売った場合(代理権消滅後の表見代理/民法第112条)

ただし、いずれも第三者(C)が(B)に代理権があると信じる正当な理由がある場合のみ本人(A)の責任が認められる。

ビルトイン

ビルトインとは、収納や家具、機器などが建築段階からあらかじめ組み込まれていること。造り付けやはめ込みなどとも呼ばれる。
例えば、システムキッチンのキャビネットに組み込まれた食器洗浄乾燥機や電子レンジなども、ビルトイン式の設備機器の1つである。また、建物に組み込まれた車庫を、ビルトインガレージと呼んでいる。

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャル・プランナーとは、相談者に対し、家計、老後、教育、住宅ローン、保険、税制、相続などについて、それぞれの状況に即したプランニングや見直しに関するアドバイスを行う技能者のこと。FP(エフピー)ともいう。
ファイナンシャルプランナーの代表的な資格試験には、国家資格の「ファイナンシャルプランニング技能士」(一級~三級)と「日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」が認定する「AFP資格」と「CFP資格」とがある。
「AFP資格」は、国家資格の二級FP技能士を兼ねており、FPとして必要かつ十分な基礎知識と相談者に対して適切なアドバイスや提案ができるFP技能を習得した者に与えられ、「CFP資格」は、幅広いファイナンシャル知識と実務経験(3年以上)などが必要となり、世界数10か国で認定されている高い技能資格である。

風致地区

風致地区とは、都市計画に定められる地域地区の一つで、都市の風致を維持するために定められるもの。「都市の風致」とは、都市において水や緑などの自然的な要素に富んだ土地における良好な自然的景観のことであり、それらを維持するために、一定の建築・開発行為を認めつつも、建築物の建設や宅地の造成などに制限を設けている。風致地区は、10ha以上は都道府県・政令市が、10ha未満は市町村が指定し、風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、竹木の伐採等については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で都市の風致を維持するために必要な規制をすることができることとされている。
なお、風致政令における行為規制の内容は以下のとおりで、許可が必要となる。
・建築物の建築その他工作物の建設(建ぺい率、高さ、壁面後退)
・建築物等の色彩の変更
・宅地の造成等(適切な植栽等により覆われた率、のり)
・水面の埋立て又は干拓
・木竹の伐採
・土石の類の採取
・屋外における土石、廃棄物又は再生資源の堆積

吹き抜け

吹抜けとは、2階以上にわたって床に当たる部分を設けず、下から上まで素通しに開放したスペースのこと。
玄関やリビング、階段部に吹抜けを設けることが多い。 視覚的な広がりが得られる。

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターとは、東京商工会議所検定センターが実施する「福祉住環境コーディネーター」検定試験に合格すると得られる資格。1級から3級まである。
ユーザーの心身の状態や経済面を考慮しつつ、建築・福祉・医療などの側面から、バリアフリー住宅へのリフォームや建て替え、新築などのプランを設計・提案するのが主な仕事だ。また福祉用具や介護用品などの選択や使用方法、福祉・保険サービスなどの情報提供も行っている。建築士やホームヘルパーなどの資格をあわせ持つ人もいる。

復代理人

復代理人とは、ある法律行為の当事者(本人)から委任されて代理権を得た代理人から、さらに専任された代理人のことをいい、復代理人は代理人と同じ範囲内での代理権をもちます。

ただし、委任による代理人の場合、本人の許諾がある場合、または、やむを得ない事情がある場合以外は、復代理人を選任することはできません。

住宅の売買では、新築マンション等の売主が、「販売代理」として別の不動産会社に販売業務を委任することがあります。この販売代理の会社から選任された不動産会社が復代理人にあたり、復代理人となった不動産会社は代理人と同じ代理権をもち、売主に代わってそのマンションを販売することができます。

袋地・準袋地

袋地・準袋地とは、他の土地に囲まれて、公の道路に出られない土地のことを「袋地」、池や沼、河川、海洋を利用しないと他の土地に通じないか、崖岸があって土地と公の道路との間に著しい高低差がある土地のことを「準袋地」という。「無道路地」ともいう。
袋地や準袋地は、道路と接していないため、このままでは建物を建築することができない(接道義務)。
なお、このような土地の所有者は、民法210条により、以下のように記されている。
1.他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2.池沼、河川、水路もしくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。
これは「公道に至るための他の土地の通行権」(以前は「囲繞地通行権」(いにょうちつうこうけん))と呼ばれるものである。

付帯設備

付帯設備とは、建築物において建物本体と切り分けて、それに付属する給排水・衛生・換気・冷暖房・電気配線・照明などの建築設備のことを指す。
マンションや戸建て物件の売買契約の際には、物件に付帯している各設備(付帯設備)について性能の現在の状況を書き記した書面を取り交わす必要がある。これを「付帯設備表」といい、引渡し時点で付帯設備表に書かれた性能が事実と違った場合、売主は自己負担で設備を修理しなければならないことになっている。とくに中古物件を購入するときには、契約時に「物件状況報告書」と一緒に添付してもらい、引き渡し後のトラブルを回避すること。
また、会計用語における「建物付属設備」とは、建築設備の購入に要した費用を管理するための資産科目を指す。

普通借地権

普通借地権とは、1992年(平成4年)8月1日に施行された改正「借地借家法」で新設された借地権の1つ。
借地権の存続期間を当初30年、1回目の更新では20年、2回目以降は10年とし、賃貸借契約の期限がきても、地主の側に土地を返してもらう正当の事由がなければ、借地人が望む限り借地契約は更新されるというもの。また、契約終了時に借地人が建てた建物が残っているときは、地主に建物の買い取りを請求することもできる。 
これに対し、契約期間に定めがあり契約更新のないものを「定期借地権」という。また、1992年7月以前に契約した借地権は「旧借地権」といい、借地期間が満了しても地主側に正当事由がない限り借地権が更新されるという旧法が適用される

不動産

不動産とは、民法で規定する「不動産」は、土地および土地に定着している物をいう(86条1項)。それ以外は「動産」という。
定着物には、建物、立木、橋、石垣などがあたる。
建物および立木法による登記された樹木は、土地とは別個の不動産とみなされる。
また、「建物」という場合、登記法上、屋根と柱と壁を備えた時点で独立した不動産とされる。
なお、庭木、庭石など取り除くことができないものは、土地の附合物としてみなし、土地と一体となってひとつの不動産を形成すると考えられる。
不動産は動産にくらべ、価値(金額等)も大きく、権利関係もさまざまなケースがあるため、取引時の取り扱いについては、民法、宅建業法等に則り、慎重かつ厳正に行わなければならない。

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、周辺環境や諸条件を考慮して「不動産の有効利用」を判定し、 「適正な地価」を判断する。不動産の鑑定評価に関する法律に基づき制定された国家資格である。
業務としては、地価公示や地価調査の制度をはじめ、公共用地の取得、相続税標準地の評価、固定資産税標準宅地の評価、会社の合併時の資産評価ならびに現物出資の評価、さらには、不動産に関するコンサルティング等幅広い。

不動産鑑定評価額

不動産鑑定評価額とは、不動産鑑定士(補)が土地、建物またはこれらに関する所有権以外の経済価値を鑑定した価額のことをいいます。 

一般的に、新築住宅の販売価格、中古住宅や土地の売出価格、成約価格などは実勢価格といわれています。実勢価格には、個々の不動産ごとに「早く売りたい、利益を出したい」といった売主の事情、「安く買ってリフォームしたい」といった買主の事情も含まれています。

一方、不動産鑑定評価額は相続税評価、固定資産税評価、地価公示、都道府県地価調査など、「公的土地評価」の基礎とするための価額です。このため、不動産売買の主観的な事情を排除し、周辺の取引事例やその不動産の利用価値、賃貸した場合の収益性などの経済価値のみを検証して客観的に価額が決められています。

不動産鑑定評価基準

不動産鑑定評価基準とは、不動産鑑定士が、不動産の鑑定評価を行う際の拠りどころとなる実質的かつ統一的な行為規範として、1964年に設定された。
この不動産鑑定評価基準は、不動産鑑定評価全般にわたる実務指針である「総論」と、不動産の種別及び類型に応じた評価手法等の具体的な指針である「各論」で構成されており、さらに、「不動産鑑定評価基準運用上の留意事項」が示されている。
なお、不動産鑑定評価の流れは以下のとおり。
1.鑑定評価をする対象不動産の物的確定
2.どのような権利を評価するのか権利の確定
3.いつの価格を評価するのか
4.どのような地域か、どのような画地か
5.どのような使用方法が最も使用価値があるのか
6.該当案件に即して適切に適用する

不動産取得税

不動産取得税とは、土地や建物の購入や新築などで新しく不動産を取得したときにかかる地方税のことです。購入、新築のほか、増改築、贈与などで取得した場合も課税の対象となりますが、相続により取得した場合は課税されません。

税額は固定資産税評価額に一定の税率をかけて計算されます。一定の条件を満たす住宅は軽減措置が受けられ、新築一戸建てやマンションの場合は、税額がゼロになることもあります。

不動産取得税の納付は、不動産の取得後、各都道府県税事務所から送付される「納税通知書」によって行います。税額の軽減措置を受けるための手続きは都道府県によって異なりますが、東京都などは、不動産を取得した日から一定期間内に各都道府県税事務所などに申告の必要があります。あらかじめ、申告の仕方を不動産がある地域の各都道府県税事務所に問い合わせておくとよいでしょう。

不動産登記事項証明書

不動産登記事項証明書とは、該当不動産の登記証明書の総称であり、おもに「全部事項証明書」と「現在事項証明書」の2種類がある。
以前は、不動産登記簿謄本として、各法務局・支局で紙の登記簿を発行していたが、現在は、それらの情報がデータ化、オンライン化され、それを出力印刷して発行するようになり、これを「不動産登記事項証明書」と呼んでいる。
なお、「全部事項証明書」とは、抹消された事項を含めて現在までの全てが記載され、登記の履歴が記載してある。一方、「現在事項証明書」とは、現在有効な内容のみが記載してある。このほか、対象不動産の甲区または乙区のうち、請求にかかわる部分のみが記載されている「何区何番事項証明書」や対象不動産に関する権利関係のうち登記名義人の氏名など主要事項のみが記載された「登記事項要約書」がある。

不動産登記法

不動産登記法とは、不動産の表示や不動産に関する権利を公示するための「登記」に関して定めた法律のこと。不動産登記制度によって、不動産取引を安全、円滑に行うことができる。不動産登記法の基となる法律は1899年(明治32年)に制定され、2004年(平成16年)に現在の管理技術等に合わせ、登記の正確性を確保しつつ登記時の負担軽減と利便性の向上を図ることを目的に全面改正され、オンライン申請などが導入されている(2005年施行)。

不動産登記法では、不動産登記記録の記載方法や添付地図の内容をはじめ、登記手続きや登記官の役割などについて定めている。特に、不動産に関する権利関係を明確に示す「権利に関する登記」については、所有権、用益権、担保権など権利の種類ごとに定めている。

不動産登記簿謄本

不動産登記簿謄本とは、現在の登記事項証明書(全部事項証明書)と同じものを指します。以前は、各法務局・支局に紙の登記簿があり、それをコピーして「登記簿謄本」として発行していましたが、現在はそれらの情報がデータ化・オンライン化され、それを出力印刷して発行するようになりました。これを「登記事項証明書」(全部事項証明書)と呼んでいます。

なお、かつて、登記が完了した際に登記所から買主等の登記名義人に公布され、登記名義人が登記を申請する場合に、本人確認のために登記所に提出する必要があった「登記済証(権利証)」も2005年(平成17年)の不動産登記法の改正で、将来的に廃止されることになっています(現在は、これまで通り登記の申請に用いることができます)

フラット35

【フラット35】とは、返済期間中の金利が最初から最後まで固定される「長期固定金利」が大きな特徴の住宅ローン(引き渡し時の金利が適用される)。住宅金融支援機構と民間金融機関との提携による住宅ローンで、取扱金融機関によって金利が異なる。

借入条件などは金融機関による違いはなく、70歳未満で安定した収入があれば借入可能。ただし、購入住宅や新築する住宅について広さや品質などの条件がある。また、借入費用について、借りるときの保証料や繰り上げ返済などの手数料はかからない。団体信用生命保険料は金利に含まれるが、健康その他の理由で団体信用生命保険に加入しない場合も、借り入れが可能だ(※)。

なお、一定の基準を満たす住宅購入の場合、当初5年(または10年)の金利が引き下げられる【フラット35】Sが利用できる。

※団体信用生命保険については、2017年10月1日以降の内容。2017年9月30日申し込みまでは任意加入で、返済とは別に年1回保険料を支払うものだった

フリーレント

フリーレントとは、家賃が一定期間無料になること。広告などに「○カ月フリーレント」の表示があれば、「○カ月分の家賃が無料になる」ということになる。フリーレントの期間は1カ月とする物件が主流だが、2カ月以上の物件も見られる。

フリーレント物件は賃料値引きの一形態で、賃貸住宅入居時の初期費用を抑えられるメリットがある。ただし、「契約1年以内に解約する場合は賃料1カ月分の違約金を払う」など、一定期間以上住まない場合は退去時にフリーレント分の支払いが必要になる物件がほとんど。このため、短期間だけ住む予定の人には向いていない。また、賃料自体が周辺相場に合っているかなど、そのほかの条件も確認して選ぶことが大切だ。

古屋付き

古家付きとは、古家が建った状態(現況)で売り出される土地のことで、広告には「土地(現況、古家あり)」などと表示される。また、「古家付き土地」と呼ぶこともある。
売主が「中古一戸建て」ではなく「土地」として売りたいということなので、購入後にその家に住むかどうかは買主の自由。ただし、売主は家に対する責任(瑕疵担保責任など)を負わない。一方、購入後に古家を取り壊す場合、基本的にその費用は買主が負担する。

文化財保護法

文化財保護法とは、文化財を保存・活用することを目的とし、従来の「国宝保存法」「史蹟名勝天然記念物保存法」などを統合して1950年(昭和25年)に制定された。同法では重要文化財の指定や管理、保護をはじめ、無形文化財、民俗文化財、埋蔵文化財、史蹟名勝天然記念物など文化財の種類等、伝統的建造物群保存地区の指定や、文化財の保存技術の保護について定めている。

このうち「埋蔵文化財」については、「土木工事等の目的で、周知の埋蔵文化財包蔵地を発掘する際は、着手日の60日前までに文化庁長官へ届け出ること」「土地の所有者は、貝塚・古墳・住居跡などの遺跡を発見した場合も、その現状を変更することなく、遅滞なく文化庁長官に対して届け出ること」などが定められている。なお、埋蔵文化財包蔵地については、不動産取引において、重要事項説明書における説明事項となる。

文教地区

文教地区とは、都市計画法で定める特別用途地区の1つ。住宅地のうち大学や研究所等の教育研究施設や、図書館、美術館、博物館等の文化施設がある程度まとまった地区を対象にして「文教地区」を指定し、教育や研究、文化活動をする上で、環境の悪化をもたらすような施設(パチンコ店やバー、映画館、劇場、モーテル等)の建設を制限している。
なお、この特別用途地区は、地域的な目的からなされるもので、「用途地域」指定があるところに重ねて指定される。
分類は、従来の小売店舗地区、事務所地区、観光地区、娯楽・レクリエーション地区、特別業務地区、研究開発地区、厚生地区、中高層階住居専用地区、商業専用地区、特別工業地区、そしてこの文教地区の11種類であったが、1998年(平成10年)の都市計画法改正で、より地域の実情に即した指定ができるように、その種類や名称も地方公共団体で自由に定めることができるようになっている

分譲中物件

分譲中物件とは、新築マンションや一戸建て、宅地の分譲について、申込受付開始日を過ぎた物件のこと。一般的に先着順で申込受付される。

分譲予定物件

分譲予定物件とは、新築マンションや一戸建て、宅地の分譲広告を行う際、販売の段階によって、広告の仕方が異なる。物件の建築確認(開発許可)が下りた後、販売する住戸(住宅)や区画、価格、申込受付の日程などが決定していない状態では「予告広告」を行うこととされ、その広告上では「分譲予定物件」または「販売予定物件」と表記される。
これに対し、販売住戸(住宅・区画)や価格、販売開始日などが決定してから出される広告を「本広告(新規分譲広告)」といい、その広告上では「新規分譲物件」と表示されるのが一般的。また、販売開始日が過ぎていつでも申し込める物件は、一般的に「分譲中物件」という。

分筆

分筆とは、「一筆」として登記されている土地を数筆に分けて土地台帳に登記し直すこと。「一筆」とは、土地の個数を示す登記簿上での単位のことで、登記簿では一筆の土地ごとに1つの用紙を備えることになっている。土地を分筆すると、分筆後、新しくできた土地には新たな「地番」が付けられる。そして、その土地の登記記録が作成され、『地図または地図に準ずる図面(公図)』に分筆された境界線が記載される。なお、土地を分筆する主なケースとしては以下のような場合である。
・土地の一部を売買するとき
・土地の一部の地目が異なる場合
・相続した土地を相続人で分けるとき
・共有の土地を分筆し、単独所有に変えるとき
・融資を受けて家を建てる際に、利用しない土地を分ける場合
なお、数筆の土地を合わせて一筆とすることを「合筆(がっぴつ・ごうひつ)」という。

平面図

平面図とは、建物を窓の高さで水平に切り、壁などの切り口と床面を上から見た姿を示す図面で、建物全体のプランや各部屋の広さ、位置などが表されているため、全体像を把握するのに有効。一般的に「間取図」というと、この平面図のことを指す。
また、平面図の一部をより詳細に表現する場合は、「平面詳細図」を別途作成する。

壁芯

壁心(へきしん、かべしん)とは、マンション住戸の寸法の測り方のひとつで、壁の中の中心線を想定し、その中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のことをいう。壁芯と書くこともある。これに対して、壁の厚みを考慮せず、壁の内側部分の面積だけを床面積とする測定方法を「内法(うちのり)」という。
建築基準法では床面積について「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」と規定しており、新築マンションの広告やパンフレットなどでは、壁心計算による専有面積を表示しているケースが多い。この場合、壁の厚みの分が加算されているため、実際に使用できる床面積(内法面積)よりも少し広くなっていることに注意したい。
ちなみに、住宅ローンを借りるときの基準になる面積は、壁心計算による面積である。一方、不動産登記を行ったり住宅ローン控除等を受ける場合などには、内法計算による面積が基準になる。

変動金利

変動金利とは、住宅ローンなど金融機関の融資の「金利タイプ(金利の見直し方法)」の一種です。

変動金利は返済の途中に、市場の金利に連動して金利や返済額が見直されるタイプです。一般的に、年に2回金利の見直しがあり、5年に1回返済額が見直されます。

このため、例えば借入3年後に金利が上がっても毎月返済額は変わりません。しかし、毎月返済額に占める「利息額」が金利上昇分だけ引き上げられるため、その分毎月の「元金の返済額」が減らされます。そして、そのまま金利が下がらないと、5年後の毎月返済額の見直し時には、元金の残高(ローン残高)が借入当初の予定より増えてしまい、それに応じて毎月返済額が上がります(金利が下がる場合は、逆に返済額も下がることになる)。なお、金利の上昇によって返済額が大幅に上がる場合でも、それまでの返済額の1.25倍を超えて上げてはいけないと決められています。

ベタ基礎

ベタ基礎とは、縁の下をもたない床をつくる場合や軟弱な地盤の上につくる基礎構造のこと。住宅の床面に当たる土間全体に防湿シートを敷き、その上に鉄筋コンクリートを打設するやり方が主流だ。
対して布基礎は、上部からの力(建物の荷重等)で建物が不同沈下しないように、鉄筋で補強した帯状の連続した基礎のことをいう。
一般住宅においては、これまで「布基礎」が主流であったが、近年は、より強度が高く、施工も容易な「ベタ基礎」が採用されるケースが多い。

ペントハウス

ペントハウスとは、欧米のマンションやアパートで、最上階につくられる特別仕様の高級な住戸のこと。サンルームとして活用できるテラスがつくものも少なくない。
また、もうひとつの意味として、建物の屋上につくられた簡単なつくり小屋や屋上への階段室、エレベーター機械室、給水タンク置場などもペントハウスと呼ばれる。
なお、建築基準法では、第1種低層住居専用地域、または第2種低層住居専用地域内においては、都市計画で「10m」と定められた地域では10mを、「12m」と定められた地域では12mを超えてはならないことになっているが、塔屋(=ペントハウス)の用途が階段などで、その部分の水平投影面積が建築面積の8分の1以内、かつ、塔屋(=ペントハウス)部分の高さが5m以下である場合、その部分は10mまたは12mの高さ限度には算入されず、また、階数にも原則算入しないこととなっている。

法定地上権

法定地上権とは、抵当権実行時に、法律の定めるところによって生じる地上権こと。
例えば、土地と建物の所有者Aが、借金を返済できず、抵当権が実行・競売にかけられ、土地の所有権が第三者Bに移転しても、(Aの生活維持の観点から)Aのために自動的に地上権が成立する。
これを「法定地上権」という。
なお、この法定地上権が成立する必要要件は以下の通り(十分要件ではない)。
・抵当権の設定時にその土地に建物が建っていること
・抵当権の設定時に土地と建物の所有者が同一であること
・土地、建物の両方あるいはいずれかに抵当権が設定された場合
・抵当権の実行により、土地と建物の所有者が異なった場合、となっている。

法務局

法務局とは、法務省が管轄する地方支分部局のひとつで、不動産登記や法人登記および登記簿謄本の発行、交付をはじめ、戸籍、国籍、供託、公証、司法書士および土地家屋調査士、人権擁護、法律支援、国の争訟等の事務処理を行う実施機関。
管区(ブロック)ごとに全国8カ所に設置されており、その他の県庁所在地などには地方法務局が全国42カ所ある。
さらに、支局、出張所等を合わせ、約500カ所ほどで各管轄エリアの事務業務を分担・処理している。

保証会社

保証会社とは、住宅・不動産関連では以下2つのいずれかをさす場合が多い。
ひとつ目は「家賃保証会社」のことで、賃貸借契約時に賃借人の連帯保証人を代行し、借主に債務不履行(家賃滞納など)があった場合、貸主に家賃を立て替えて支払う(代位弁済)などの業務を行う会社のこと。
二つ目は「ローン保証会社」のことで、住宅ローン契約時にローン利用者の連帯保証人を代行し、もし返済が滞った場合には、代わりに返済金を支払ってくれる(代理弁済)というもの。
当然ながら、その後は、住宅ローン利用者が、保証会社にそのお金を納めることになる。

保証金

保証金とは、主に関西地方で、建物の賃貸借契約時に、借主から貸主に支払うお金のこと。他の地方の「敷金」と同様の意味があり、家賃の滞納などがあった場合に備えるのが目的だ。

保証金の一部は、退去時に補修等の費用として差し引かれる。この差し引かれるお金のことは「敷引き」といい、例えば「保証金15万円、敷引き7万円」の場合、戻ってくるお金は、8万円から修繕費用などを差し引いた金額になる。敷引きの金額(退去時に戻って来ない額)は、契約時点で決められるので確認が必要だ。

敷金は家賃の1カ月程度が目安なのに対し、保証金は家賃の2カ月から数カ月分などと、物件によって異なる。なお最近は、住宅の賃貸借については、「保証金のない物件」が多くなっている。

保全措置

入居している、あるいは入居しようとして入居一時金を支払った有料老人ホームが倒産した場合、ホームに代わって銀行や損害保険会社、公益社団法人有料老人ホーム協会などが500万円を上限として、未償却の金額を支払うという制度。2006年4月以降に開設された有料老人ホームには、この一時金の保全措置が義務づけられています。保全先が銀行などの場合は、償却期間が終了すれば入居金は返済されませんが、ホームが公益社団法人有料老人ホーム協会の入居者生活保証制度を採用している場合は、償却期間が終了していても500万円が支払われます。

ホルムアルデヒド

ホルムアルデヒドとは、揮発性有機化合物で、シックハウス症候群の原因となる室内空気汚染源の1つとされている。
合板などの製造に使われる接着剤や塗料などに含まれる、ホルマリンの一種で、空中に放散し、多量に吸い込むとアレルギーや中毒を起こす恐れがある。
具体的な身体への影響としては、目・鼻・喉の痛みやかゆみ、頭痛、ふらつき、皮膚のかゆみなど。また重度の場合には吐き気や不整脈、手足のしびれ、呼吸器障害などを引き起こす。厚生労働省の室内濃度指針値は0.08ppm相当以下で、これは1mg/m2に相当する。ちなみに気管支ぜん息の患者は、0.25~0.5ppmの暴露で激しいぜん息の発作を起こすといわれている。
WHO(世界保健機関)の分類では、他の揮発性有機化合物(VOC)よりも沸点が低く揮発性が高いため、高揮発性有機化合物(VVOC)に指定されている。2003年(平成15年)7月の改正建築基準法の施行で、その使用が制限されている。

ホームインスペクション

ホームインスペクションとは、建築士、住宅診断士など設計・施工に詳しい専門家が、住宅の劣化レベル、工事不備などを診断し、その改修規模や概算コストの目安を算定し、客観的な立場でアドバイスをすること。
住宅購入時や自宅の売却時にホームインスペクションを行うことで、建物の状態を把握したり、不動産会社が物件の状況を購入予定者に明示する目的で利用したりするケースもある。
目視により、屋根・外壁・室内・床下などを診断するのが基本メニュー。依頼主の要望により、機材による診断を行う場合もある。費用は、目視による標準的な診断で5万~8万円程度。
NPO法人日本ホームインスペクターズ協会では、品質担保を目的とする公認ホームインスペクターの資格試験を実施するなどし、ホームインスペクションの普及や専門家の育成に努めている。

防音工事

防音工事とは、住宅における防音工事や対策は、主に床や壁、天井、ドア、窓といった部分で行われる。代表的なものとして、床に用いられる防音フローリングがあげられる。また壁は、下地に防音材を埋め込むことで音の侵入(流出)を防ぐ手法が多く用いられている。また音の出入りが最も激しい窓には、防音サッシや二重サッシ(サッシの内側にもう1つのサッシを取り付けること、インナーサッシともいう)を用いたり、2枚のガラス間に乾燥した空気を密閉したり真空状態にした複層ガラスを採用するなどが一般的だ。
壁や窓の防音工事をすると、気密性や断熱効果も向上するため、電気代の節約や結露防止に役立つというメリットもある。

防音サッシ

防音サッシとは、窓やドアなどから入ってくる音を遮断する性能に優れたサッシのこと。
屋外の騒音が屋内に侵入しないようにしたり、音が屋内から屋外へ漏れないように防いだりすることができる。音はサッシの隙間から入ってくるので、この隙間が少ない、気密性の高いサッシほど遮音性が高くなるといわれている。また、一重サッシよりも二重サッシのほうが防音効果が期待できる。

防火構造

防火構造とは、建物の延焼を防止するために定めた、防火性能を有する外壁や軒裏の構造のこと。
建築基準法では、「耐火構造」に次いで防火上有効な構造として定められたものが、「防火構造」である。
例えば、外壁や軒裏が、一定基準に合う鉄網モルタルやしっくい塗りなどで、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものやその認定を受けたものが「防火構造」として認められる。

防火シャッター

防火シャッターとは、防火性能を有するシャッターのことです。性能に応じて「特定防火設備」「防火設備」として認定されます。主な設置場所は、外壁開口部で延焼のおそれがある部分には「防火設備」が、防火区画で面積区画をする部分と、その他建築基準法で規定された区画については「特定防火設備」が用いられます。
操作方式は、電動式と手動式があります。電動式の場合、火災時には煙(熱)感知器の信号を受けて自動閉鎖するか、手動閉鎖装置の非常ボタンを強く押すことで自重降下します。手動式の場合、シャッターは常時開放状態で、火災時のみ閉鎖することを基準としている製品が多いです。
安全性を高めるために、閉鎖中に座板が障害物に当たるとシャッターが停止し、火災時閉鎖の場合は停止後再度閉鎖する障害物検知装置(危険防止装置)が備えられた製品もあります。

防火設備

防火設備とは、延焼リスクの高い部分に設置される防火戸やドレンチャーなど、火炎を遮る設備を防火設備という。
また、隣地境界線や道路側に面して設けられた開口部(玄関や勝手口、窓等)を遮るかたちで設置された、外壁や袖壁、塀なども防火設備の1つとして見なされる。例えば、鉄製のドアに網入りガラスをはめ込んだものや、スチールサッシに網入りガラスをはめ込んだものなどが、防火設備としてあげられる。
2000年(平成12年)6月に改正建築基準法が施行され、旧来の「甲種防火戸」と「乙種防火戸」の分類が、「特定防火設備」(火災の拡大を防止し、防火区画や防火壁の開口部、外壁の開口部、避難階段の出入口部分などに用いられるもの)と、「防火設備」(主として、開口部の延焼防止を目的とし、防火区画の一部や外壁の開口部などに用いられるもの)に改められた。

防火地域

防火地域とは、都市計画法に基づく地域地区の1つ。市街地における火災の危険を防ぐために指定された地域のことで、主に市街地の中心部や幹線道路沿いのエリアが「防火地域」に指定されている。例えば防火地域内に建物を建設する場合、「階数3以上で延床面積100m2超」の建物は「耐火建築物」にしなければならない。また「階数2以下、あるいは階数が2以上でも延床面積が100m2以下」の建物の場合は「耐火建築物」か「準耐火建築物」にしなければならないと定められている。

防犯マップ

防犯マップとは、過去に発生した犯罪件数や交通事故件数などを、地図上に色分けして表示した地図のことです。ひったくりや侵入窃盗、車上ねらい、自転車盗など身近な犯罪の発生状況を地図上に表示することにより、安全・安心できる暮らしに役立てることを目的として、警視庁や道府県警察、自治体や学校などが作成しています。ちなみに、「犯罪情報マップ」「事件発生マップ」と表現をすることもあります。
東京都の場合、ホームページ上で「犯罪情報マップ」を公開しています。内容は、ひったくりや侵入窃盗、車上ねらい、自転車盗などの犯罪概要を、町丁目単位で確認することができるほか、ひったくり、公然わいせつ、子どもに対する声かけなどの不審者情報は発生地点を表示しています。

 

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ま行

間口

間口とは、土地や建物の正面の幅のこと。土地・建物の長さを表す「奥行き」の対語である。一般に、土地や一戸建て住宅の場合は、道路が面している面を間口という。角地の場合には、主要道路に面している面や玄関のある面が間口と見なされる。
不動産購入において注意が必要なのは、道路と接する間口サイズ(接面間口ともいう)。該当敷地に新たに建築物を建てる場合、この接面間口は2m以上なければならないという法律がある。これを「接道義務」(建築基準法第43条1項)という。とくに「旗竿敷地」と呼ばれる道路(公道)に接する出入口部分が細い通路になっている土地の場合、その路地の幅が間口となるので、入念に実測するなどの確認が必要である。
なお、マンションの場合、バルコニーなどの大きな開口部がある側面の幅を、間口ということが多い。

間取り図

間取図とは、部屋の種類や配置、広さ、向きなどをはじめ、ドアや窓の開閉方向や和室の畳の配置などを確認する平面図のこと。

略字は主に以下の通り。

玄=玄関、和=和室、洋=洋室、L=リビング、D=ダイニング、K=キッチン、BR=ベッドルーム、S=サービスルーム、DEN=書斎や趣味のための小部屋、RF=ロフト、UB=ユニットバス、Sto=収納、SB=シューズボックス、SIC=シューズインクローゼット、WIC=ウォークインクローゼット、PS=パイプスペース、CL(Clo)=クローゼット、W=洗濯機置き場、R=冷蔵庫設置スペース、DN=下り階段、UP=上り階段、WC=トイレ、AC=エアコン

丸太組工法

丸太組工法とは、樹皮を剥いだだけの丸太材や角材を水平に積み重ねて壁を構成していく工法のこと。
壁材が交差する部分は、相互の材を交互に組み合わせていく。奈良の正倉院に見られる「校倉(あぜくら)造り」や欧米諸国や山間部、リゾート地に多いログハウスもよく似た工法だが、わが国では地震が多いため、壁材の交差部にボルトを入れて耐震性を高めることが多い。
ちなみに丸太組工法で建設される輸入住宅を「ログハウス」と呼んでいる。

マンション

マンションとは、主に鉄筋コンクリート造(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)などの耐火構造の集合住宅のこと。一方、アパートとは、木造、プレハブ造・軽量鉄骨造などの準耐火構造の集合住宅で、おおむね2階建てまでの低層のものを指す。ただ、両者の規定については、建築基準法や宅地建物取引業法には明記されてはいない。一般的に上記の構造的な観点から、マンションは、アパートよりも耐震性・耐火性・遮音性に優れ、また、建物一棟当たりの規模も大きく、共用スペースや付帯設備の機能等についても充実しているものが多い。
また、マンションは、区分所有されるものを「分譲マンション」、賃貸されるものを「賃貸マンション」とに分類される。ちなみに、英語で「マンション」(mansion)とは豪邸という意味であり、集合住宅のことを「アパートメント」(apartment)、分譲物件のことを「コンドミニアム」(condominium)と呼ぶ。

マンション管理士

マンション管理士とは、管理組合の運営や建物構造上の技術的な問題など、マンションの管理に関して、管理組合や区分所有者等の相談に応じ、助言・指導・援助を行うマンション管理の専門家のこと。国土交通省所管の(財)マンション管理センターが実施する「マンション管理士」検定試験(国家資格)を合格したものだけが、名乗ることが許される。近年はマンションの大規模修繕や建て替え等に関する相談事例が増えているという。

見積書

見積書とは、ハウスメーカーやリフォーム施工会社などから、建築主や施主に提出される工事金額の見積もりの書類のこと。最初の段階で、ラフプランと一緒に提出されるものを「概算見積もり」という。複数の依頼先企業に見積もりを提出してもらう「相見積もり」は、この概算見積もりのこと。また、設計・施工プランが決定した段階で提出されるのが「詳細見積もり」や「本見積もり」という。この見積もり内容に納得してはじめて、契約を交わすことになる。ちなみに住宅ローンの申込みには、この詳細見積書(本見積書)を添付するのが一般的だ。

みなし道路

みなし道路とは、建築基準法第42条二項で定められた「二項道路」の別称。建築基準法では、「建築物が建てられる敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していること」としているが、幅4m未満の道路でも、同法施行時(昭和25年11月23日)にすでに両脇に建物が建てられている場合は「道路とみなす」としていることから、みなし道路と呼ばれる。

無過失責任

無過失責任とは、故意・過失がなくても責任を負わなければならないこと。例えば、瑕疵担保責任のように売買した物に欠陥があった場合、その欠陥が売主の故意・過失によるものでなくても、売主はその責任を負わなければならない。
「無過失責任」を求める背景には、以下2つの考え方が拠りどころになっている。
・結果として、社会に危険を与えたという事実と、危険防止能力を有しているなら、それによって生じた損害に対して責任は問われるべき
・得られるべき利益に対する損害に対しては、その賠償責任は問われるべき、という点である。

無権代理

無権代理とは、代理権をもたない者(無権代理人)が、代理人と称して法律行為をすることをいう。民法では「無権代理による契約は、本人が追認しなければ、本人にその効力を生じない(第113条)」と定めている。さらに、無権代理による行為が本人に対する関係で無効と判断された場合、無権代理人自身が取引を履行するか、相手方に損害賠償をしなければならないとしている(第117条)。

なお、無権代理行為があった場合、「本人」および「相手方」は主に以下の権利をもつ。

【本人】
・追認権:相手方でも無権代理人でもどちらに意思表示をしてもよく、追認すると契約時にさかのぼって契約が有効となる
・追認拒絶権:相手方から追認を求められても拒否できる

【相手方】
・催告権:善意・悪意(代理人が偽称だと認知していた等)を問わず、本人に追認するかどうかを催告できる
・取消権:相手方が善意の場合のみ、契約自体を取消すことができる
・無権代理人への責任追及:相手方が善意無過失の場合のみ、無権代理人に対して、損害賠償請求または履行請求できる(相手方が選択)。ただし、無権代理人が制限行為能力者の場合は責任追及できない。
・表見代理を主張:例えば、一時代理人だった人が代理権が消滅した後に行った契約など、相手方が代理だと誤解するような状況の場合(表見代理)、相手方が善意無過失の場合など一定の要件に合う場合に、本人に履行を請求できる。

棟上げ

棟上げとは、木造住宅の建設工事が進み、柱を立てた後に棟木(屋根小屋組の最も高いところに架けられる水平材)を収めること。もしくはその時に行う儀式(棟上げ祭や棟上げ式)を棟上げという。
ただしプレハブ造や2×4工法では、屋根小屋組がユニットになっているため、棟上げという工程がそもそも存在しない。そのため、棟上げ祭(式)を行わないケースも多いという。

メゾネット

メゾネットとは、集合住宅の住戸形式の1つ。住戸内が2層に分かれていて、内階段で結ばれている。居住空間が立体的に配置でき、一戸建て感覚が味わえるが、ある程度、床面積が広くないと、この形式はとりにくい。

免震構造

免震構造とは、地震による建物の揺れや破壊を防ぐため、地震の力が直接建物に伝わらないよう工夫された構造のこと。
基礎部分と上部構造(建物)の間に「架台」や「免震支承」「復元」「減衰材」「風揺れ安定装置」などを組み合わせて設置する方法が主流。制振構造と比べて地震の揺れの軽減効果が高いといわれている。建物の構造や階高を選ばない装置が開発されているが、軟弱地盤などでの採用は難しいのが現状だ。

メンテナンス

メンテナンスとは、住宅の点検、維持、管理、修理のこと。住宅の耐用年数を延ばし、快適な住み心地を維持するためには、日常の清掃や点検、外壁の塗り替え、老朽化した設備の取り替えが不可欠になる。各居室などのメンテナンスは、家族のライフサイクルと補修・リフォームといったメンテナンスの時期を合理的に組み合わせて考えるのがいいだろう。また、キッチン・トイレ・浴室・洗面所等の水まわり部分は、使用頻度が高く湿気も多いために、家の中のほかのスペースと比べて傷みが激しく大きいため、一般的に早めのメンテナンスが必要になる。屋根材や外壁に関しては、素材によってまちまちであるが、10年~20年周期での補修・交換が必要なものが多いが、住宅の耐用年数に大きく影響する部分なので、3~5年程度のまめな点検を心がけるとよい。

メーターボックス

メーターボックスとは、電気やガス、水道などのメーターを集めて検針しやすくしたもの。玄関脇などに設けられる。間取り図では「MB」と表す。

木造住宅

木造住宅とは、特に決まった定義はないが、柱や梁などの主要な構造部分が木材でつくられた住宅のことを指す場合が多い。木造軸組(在来)工法や2×4工法(枠組壁工法)、木質パネル工法など多種多様な工法がある。

持ち分

持ち分とは、不動産を複数の人が所有する場合、誰が、どのくらいの割合で持つかを示すもの。「共有持ち分」ともいい、共有物全体に対する「各共有者がもつ権利の割合」のことである。例えば「3000万円の一戸建て住宅を夫が2000万円、妻が1000万円を負担して建設した場合、夫の持ち分は3分の2、妻の持ち分は3分の1」というように使ったり、「(マンション)管理組合の議決権は、専有部分の持ち分比率に応じて決める」などと使う。所有権登記をする際に、とくに注意しなければならないのが、前述したように資金の提供割合と持ち分比率の関係である。通常、この2つの割合は合わせる(同じ比率にする)のが望ましい。例えば、3000万円の不動産を夫婦で購入した際、自己資金の拠出額やペアローンでの借入れ金額を夫2000万円、妻1000万円としたにもかかわらず、持分を2分の1ずつにすると、夫から妻に対し500万円の贈与とみなされ、贈与税の課税対象となってしまう。

モデルハウス

モデルハウスとは、販売促進やPRのために、住宅展示場などに住宅メーカーが建てた自社の製品(住宅)のこと。分譲地内に建てた住宅の1つをモデルハウスとして公開することもある。 対して、マンションなどの集合住宅では、「モデルルーム」と呼んでいる。

モデルルーム

モデルルームとは、不動産会社などが分譲マンションの販売促進のために、完成に先立ってマンションの敷地内や現地近くに建築する「住戸の見本」のこと。
主に室内の間取りや設備、仕様を見せることに重点が置かれ、実際に販売する住戸の中から複数のタイプを選んでつくられる。マンションが完成した後にひとつの住戸を棟内モデルルームとして公開することもある。モデルルームをつくらず、住戸の一部や素材を展示するだけのサンプルルームをつくることもある。
また、大規模物件などでは「マンションギャラリー」などと呼ばれ、モデルルームだけではなく、商談・展示スペース、キッズルーム、CGなどを活用したバーチャルルーム等を備えた単独の建物を設置するものも少なくない。

盛土

盛土とは、斜面地などを造成して宅地にする際に、土を盛って水平な敷地をつくること。
もとの地盤と盛土部分の境目は、地盤の硬さに差が出て不同沈下しやすいので、対策が必要。盛土された地盤は、3年~5年程度で沈下や圧縮が落ち着くが、盛土の内部にコンクリート片や廃棄物、大きな石などが混ざっている場合、10年程度経過しないと安定しないとも言われている。
なお、盛土の場合、高さ1mを超える崖を生じる工事が必要なほか、切土・盛土を同時に行う際は、盛土が1m以下でも切土とあわせて高さが2mを超える崖を生じる工事等の場合、宅地造成等規制法により、都道府県知事等が、宅地造成に伴ってがけ崩れや土砂災害などが生ずる恐れが大きい市街地等については、災害を防ぐのに必要な措置を講じた一定基準以上の宅地造成工事を義務付ける地域(宅地造成工事規制区域)を指定することができる。

モルタル

モルタルとは、一般的にはセメントモルタルをいう。セメントと砂、混和材を混ぜ、水を加えて練ったもののこと。土間の仕上げとしたり、コンクリートブロックやレンガなどの目地を埋め接着したり、外壁に用いることも。モルタルを塗ることをモルタル塗りといい、刷毛引き仕上げ、掻き落し仕上げなどモルタル塗りの仕上げにもさまざまある。外壁では、モルタルを下地に樹脂系の素材を吹き付ける方法などがある。

 

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や行

家賃保証会社

家賃保証会社とは、賃貸借契約時に賃借人の連帯保証人を代行し、借主に債務不履行(家賃滞納など)があった場合、貸主に家賃を立て替えて支払う(代位弁済)などの業務を行う会社のこと。
借主にとっては、連帯保証人が不要になるというメリットが、また、貸主にとっても家賃滞納というリスクを軽減できる点がメリットといえる。
なお、保証会社には、賃貸借契約時に保証料という形で支払う。借主側に条件を満たす連帯保証人がいれば、保証料を支払わないケースもあるが、必須のケースも多い。保証料の金額は、保証会社によってまちまちだが、一般的には、賃貸借契約時に月額賃料の30~100%が多い。また、保証を受ける際は事前審査もあり、家賃保証会社への申込書のほか、身分証明書(運転免許証、健康保険証)の写し、源泉徴収票や給与明細書などの収入証明書等が必要となるケースが多い。

家賃・賃料

家賃(賃料)とは、賃貸物件の使用者(入居者)から貸主に支払われる賃貸料金のこと。賃貸マンションやアパート等住居系物件の賃料を「家賃」と呼ぶ。通常、1ヶ月ごとの金額で設定・表示される。住居系の家賃に対しては、消費税は非課税となる。一方、事務所、店舗、工場、倉庫、駐車場など住居系以外の賃料は課税対象となる。通常、賃貸借契約後、入居当月の家賃(入居日から月末までの日割り家賃)と次月の家賃を払うことになる。これを前家賃制という。なお、賃貸物件では、家賃(賃料)以外に毎月支払うものとして、入居者が共同で使用したり、利用する設備や施設の運営および維持するために要する費用として共益費がある。費用科目は違うのものだが、月々の実質的な負担は、家賃と共益費との合算額となるため、物件選びの際は、両者をしっかり比較検討することが大事である。

屋根勾配

屋根勾配とは、屋根の傾斜の度合い・傾きの角度を表す建築用語です。
屋根勾配は、基本的に屋根材の種類と形状、地域の降雨量や積雪量などの気象条件、設計士・施主の希望を考慮して決められます。ただし、屋根の仕上げ材により必要最低勾配が決まっていて、指定以下の勾配にすると、雨漏りや屋根材の吹き上げなどの問題が発生する可能性が高くなります。
屋根勾配は、「寸」と「角度」のいずれかで表示されますが、日本の建築物では「寸」で表示されるケースが多く見られます。例えば水平距離10に対して高さが3の場合、3/10というような表し方で「3寸勾配」と言います。6寸勾配以上の場合を「急勾配」となり、10寸勾配のことは「矩勾配(かねこうばい)」と呼ばれています。

屋根材

屋根材とは、住宅の上部に覆いとして取り付ける仕上げ材で、古くから用いられている瓦や彩色スレートのほか、鋼板や銅板、アルミ合金などの金属系の屋根材がある。
瓦には、釉薬をかけて色を出した陶器瓦や、伝統的な銀色の色合いが美しいいぶし瓦、セメントなどでつくられるプレスセメント瓦、コンクリート瓦などがある。

遊休土地

遊休土地とは、国土利用計画法による土地取引の許可または届け出をして取得した一定規模以上の土地で、取得後2年を経過してもまだ利用されておらず、周辺地域の計画的な土地利用を図るために、有効適切な利用を特に促進する必要があると都道府県知事が認めたもの。
遊休土地の通知を受けた場合は、6週間以内に利用または処分の計画を届けなければならず、都道府県知事は、必要な助言・勧告を行い、勧告に従わないときは、地方公共団体等と買い取りの協議を行わせることとされている。
なお、市街化区域において、遊休土地の有効利用を促進するために市町村が定めた地区を「遊休土地利用転換促進地区」という。これは、1990(平成2)年の都市計画法改正によって導入された地区区分である。

 

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ら行

礼金

建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。

連帯債務

連帯債務とは、複数の債務者が1つの債務を連帯して負うこと。

債権者は、全部の弁済を受けるまで、債務者の誰に対しても自由に弁済の請求ができるが、1人が全部弁済すれば他の債務者の債務が消滅する。例えば、夫婦2人が連帯債務者となって銀行から1000万円の融資を受けた場合、1000万円を完済するまでは夫も妻もどちらも1000万円を返す義務を負い、銀行はどちらに対しても返済の請求ができる。しかし、どちらかが1000万円を返済すれば、その時点で、もう1人が負っていた返済義務も消滅する。【フラット35】などの住宅ローンを借り入れる場合、収入合算をすれば、連帯債務者となることが条件となっている。

連帯保証

連帯保証とは、保証人が主となる債務者と連帯して債務を負うこと。

住宅に関して連帯保証人を立てるケースは、主に以下の2つがある。

 

(1)賃貸住宅の連帯保証人
賃貸住宅には、連帯保証人を立てることを条件とする物件がある。例えば、子がアパートを借りる際に親が連帯保証人となるケースなどで、賃借人が家賃を滞納した場合、連帯保証人が弁済の義務を負い、滞納した家賃の支払いを請求される。

 

(2)住宅ローンの連帯保証人
住宅ローンを夫婦や親子で収入合算して借りる際、多くの民間ローンでは、収入合算者が連帯保証人となり、住宅ローンの借入本人(主たる債務者)の返済が滞ったときに返済の義務が生じる。しかし、あくまで債務を保証する立場なので、例えば、夫婦で収入合算して借り入れ、妻が夫の連帯保証人になっても、妻は住宅ローン控除を受けることができない。

なお、長期固定金利の住宅ローン【フラット35】を収入合算して借りる場合、収入合算者は「連帯債務者」となるため、住宅ローン控除を受けることができる。

連帯保証人

連帯保証人とは、主たる債務者と連帯して債務を保証する人のこと。

例えば、Aさん(主債務者)がBさんを連帯保証人にして賃貸住宅を借りる場合、Aさんが家賃を払えなくなったら、Bさんが代わりに返済する義務を負うということ。

このケースで貸主(債権者)がBさんに家賃の請求をした場合、原則としてBさんは、貸主に対して「私より先にAさんに請求してください(催告の抗弁)」、「Aさんに財産を処分させて(強制執行)払ってもらえばいいでしょう(検索の抗弁)」などと主張して支払いをこばむことができない。つまり、主債務者とほぼ同じ立場で返済の義務を負うことになる。

賃貸住宅では連帯保証人が必要なケースがほとんどだが、連帯保証に近い役割を果たす「保証会社」の「家賃債務保証」を利用できる場合もある。また、住宅の購入・新築等のために住宅ローンを借りる場合もかつては連帯保証人が必要だった。しかし現在は、金融機関が指定する保証会社が連帯保証を行うのが一般的。この場合、もし支払いや返済が滞って保証会社が代わりに弁済を行った場合、主債務者はその後、保証会社に対して支払いを行うことになる。

路地状部分

路地状部分とは、袋地から道路まで敷地を延長させた部分のこと。

路地状部分の長さに応じて、一定の幅(自治体によって規定されている)で道路に接していないと、袋地に建物を建てることはできない。

路線価

路線価とは、相続税や贈与税の課税標準になる土地の価格で国税庁が公示価格や売買実例価格を参考にして決めている。その土地が面している道路ごとに設定された、1.0m2当たりの1000円単位の価額(評価額)が路線価で、主に市街地の宅地などで採用。路線価が定められている地域の宅地の価額は、原則として「路線価×補正率(宅地の形状等に応じた調整率)×宅地面積」というように計算。なお、路線価は国税庁のホームページで調べられる。

対して、路線価が定められていない郊外の宅地や農地などは、固定資産税評価額に地域ごとに定められた倍率を掛けて相続税額を計算する「倍率方式」が採用されている。

ローン

ローンとは、銀行など金融機関による長期間の分割返済を条件にした融資のこと。金融機関では個人向けに、土地・住宅や車の購入、リフォーム費用、教育資金など、目的ごとのローン商品を設けていてそれぞれ、金利や融資限度額、最長返済期間などが異なる。

このうち、自分が住むための土地購入と住宅新築、住宅購入などの際に借り入れるローンは「住宅ローン」という。住宅ローンは融資金額が大きいため、一般的に購入等をする土地と建物に、銀行が抵当権を設定。住宅ローンには財形住宅融資に代表される公的融資と、住宅金融支援機構と民間金融機関の提携による【フラット35】、民間金融機関による民間ローンがある。

ローン借入費用

ローン借入費用とは住宅ローンを借りる際に必要な費用のこと。

具体的には以下の費用がある。

 

(1)ローン事務手数料
借入額にかかわらず3万円から10万円程度の金額を支払う「定額型」と借入額の1%から2%程度を支払う「定率型」があり、一般的に定率型のほうがローン金利は低く設定されている。なお、事務手数料には消費税がかかる。

 

(2)印紙税
ローン契約書(金銭消費貸借契約書)に貼付する形で納める税金。借入額によって税額が異なる(例:借入額が1000万円超え5000万円以下の場合は2万円)。

 

(3)保証料
ローン返済の保証をする会社(保証会社)に支払う費用で、借入時に一括して数十万円を支払うタイプと、ローン金利に0.2%程度を上乗せするタイプがある。なお、【フラット35】など保証料不要のローンもある

(3)登録免許税等
所有権の登記と同時に行う、金融機関による抵当権設定登記にかかる税金で「借入額×0.4%」が税額となる。住宅の特例税率は、「借入額×0.1 %」(平成32年3月31日までの登記に適用)
また、登記を行う司法書士への報酬も必要。

 

(4)適合証明手数料(【フラット35】)
購入物件(建物)が融資基準を満たしているか審査する際の手数料(物件によっては不要なケースもある)。

ローン契約

ローン契約とはローンを借り入れる際に金融機関と交わす契約のこと。

正式には「金銭消費貸借契約」という。ローン契約書は2通作成し、それぞれに借入金額に応じた収入印紙を貼付(印紙税)して、1通を借主が、もう1通を金融機関が保管。

住宅ローン契約は、住宅購入契約後に行われる住宅ローンの本審査が終了した後に締結される。未完成の新築マンションや一戸建てを購入する場合、一般的に引き渡しの1カ月から2カ月程度前に住宅ローン契約が交わされる。

一方、完成済みの新築住宅や中古住宅など、購入契約から引き渡しまでの期間が短い場合は、金融機関から借りたお金が引き渡し日(残金決済日)の前までに入手できるように、ローン契約などのスケジュールを金融機関と決めることが大切。

ローン保証

ローン保証とは、住宅ローンの貸し倒れリスクを回避するために連帯保証人に代わって信用保証会社が保証を行うこと。住宅ローン契約時に発生する「ローン保証料」とは、信用保証会社に支払うその際の費用である。
住宅ローンの場合、借入をする人が個人であり、借入金額が大きく、返済期間も長いため、こうした専門会社が入るのが一般的である。
保証料は、借入時に一括で支払う方式と金利に保証料分を上乗せして(住宅ローン金利に0.2~0.3%程度上乗せ)毎月の返済と一緒に支払う分割方式がある。
保証料の金額は、信用保証会社によって差があるが、借入時一括払いの目安として、借入金額1000万円当たり、返済期間が35年で約20万円、返済期間が30年で約19万円、25年で約17万円ほど。

 

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わ行

ワンルームマンション

ワンルームマンションとは、1つの居室とユニットバス・トイレ、(ミニ)キッチンがコンパクトに配されたマンションのこと。

主に単身者を対象にしたものだが、立地によっては事務所等を想定した物件もある。広さはまちまちだが、専有面積が20m2台のものが多い。このように単身者や事務所等がワンルームマンションの主な入居者であるため、通勤や通学などに適した地域で、駅周辺に多く点在しているのが特徴。
また、近年は、女性専用や高齢者向けのワンルームマンションなどコンセプトや入居対象を設定した物件もある。
なお、ワンルームマンションには、建設事業者がはじめから賃貸マンションとして建築した物件と、投資用の分譲マンションとして販売し、各区分所有者が賃貸に回して、家賃収入を得ている物件とがある。